ザ・グレート・展開予測ショー

へっぽこ大作戦


投稿者名:TAK・A
投稿日時:(01/ 6/22)

「潜入捜査っすか?」
「悔しいけどあちこちから圧力掛けられていてね、私たちは身動きできないの。それで民間のゴーストスイーパーから通報があったという形を取りたいのよ」
「・・・とかなんとかいっといて、前みたいに俺の生命無視した無茶やらないでしょうね?」
「やあねえ、そんな昔のこと」
「あんたにとっちゃ五年前のことでも俺から見れば最近のことなんすよ。やっぱ、あんたら親子やー!この冷血女ー!」
 母娘の絶妙なコンビアタック。横島血の海に沈む。
(ひのめちゃん、君が最後の希望だ)

「きゃあ、ゾンビ」
「ふざけないでください!そんな大事なモン質に入れてどうすんですか!」
「だってえ、家賃払えないんだモン」
「いくら自宅をかねてるからってあんな広い事務所・・・・」
「広くても家賃安いのよー」
 土地の値段とは交通事情に左右される。七篠の事務所は駅から徒歩30分、それも曲がりくねり、入り組んだ道の先にある。はっきりいって依頼人に道に迷えといっているようなものだ。
「・・・前から思ってたんですけどこの仕事本当に儲かるんでしょうか?」
「そりゃ、元手さえかければね」
 ゴーストスイーパーの使う装備は一般人には手が出せないほどこうかである。すなわち収入も大きいが支出も大きいのである。ある程度大きな仕事をしようとしたら前もって大金がいる。しかし危険な商売なので貸してくれる銀行もない。つまり、一流ゴーストスイーパーとなるには、元々富裕であるか一発当てるかしないと無理なのである。
「資本主義の構造的欠陥っすねー」
 七篠が後ずさる。
「小島君って、ひょっとして危ない人?革命とか、火炎瓶とか、眼球とか?」
「違いますよ!」
 ああいう上司の元にいたら、マルクス主義に興味持ってもおかしくないと思う。他力本願な性格故自分ではなにもしないが。決してあいつだけもてるのはおかしい、みんな平等に不幸になろうと「だけ」考えているわけではない。
「それより眼球てえのはなんすか?」
「何となく言葉のノリで・・」
「あのね・・」
(しかし元手ねえ、まあ確かに隊長の遺産もあったろうし、元手には・・・はっ)
 そこで過去にいったときのことを思い出す。唐巣の元手修行していた美神は今と変わらず大金をとっていた。しかしあの教会はぼろのままである。大部分は寄付されたとしても、脱税常習犯の美神のこと。一部を横領していてもおかしくない。というよりしない方がおかしい。しないはずがない。ぜったいやったに違いない。
「魔、それはともかく、一流なんてのはずるい連中なのよ特に美神令子なんてのはね」
「え、ええ?」
 考えていることを当てられているようでうろたえる横島。
「一回戦を反則勝ち、二回戦を不戦勝と順調に勝ち進んだ私の前に立ちふさがったあの女はなんの容赦もなく私を瞬殺したのよ。それからというもの私はつきに見放されて、きっとあの女が私の運を奪ったのよ」
 砂のように崩れる横島。
「それは単に運を使い果たしただけでは」
 人の運を奪うというのは賛成だが。
「さ、さあ帰るわよ!」
 ごまかす七篠。

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