都のリベンジャー(その5)
投稿者名:DIO
投稿日時:(98/ 5/ 1)
美神「ヤッ、ヤバイ、地が出ちゃったわ。それにしても化石からまで反魂できるなんて。」
『喰い殺せ!!』
「キェー!!」
プテラノドンが数体急降下攻撃をしてきた。それをおっぱらったらティラノサウルスが夜叉丸と鬼道を蹴飛ばし、ブロントサウルスっぽいのが美神を口にくわえて高いところへ連れていってしまった。
キヌ「み、美神さーんっ!」
辺りの騒がしさにやっと横島が目を覚ました。
横島「う。うーん・・」
美神「ちょっとーっ、目ー覚ましたんなら早く助けなさいよー!!」
横島「えっ・・・、うわぁー!!」
事態が飲み込めず、オロオロする横島。
美神「何してんの、早くなさい!」
横島「美神さ−ん!そいつは草食性の奴だから大丈夫ですー!」
美神「アホかーっ!」
そこへティラノサウルスが大口を開けて横島に突っ込んできた。
横島「どわぁーー!!」
キヌ「横島さんっ!」
おキヌちゃんはとっさに幽体離脱して横島を突き飛ばした。
キヌ「大丈夫ですか横島さん。」
非常事態とはいえ、横島に抱きついて、なんか心臓がドクドク言ってるような気がする。幽体に心臓なんかないのに。
美神「二人共大丈・・」
他人の心配してる場合では無かった。。ブロントサウルスが首を振り回して遠心力をつけて美神を放り投げた。美神が落ちてきたときいつも通り横島に直撃したのは言うまでもない。
冥子「れいこちゃーん!」
「お友達のまーくんや令子ちゃんをこんな目に遭わせるなんて、よくも、よくも・・」『イ、イカン』
美神「ヤバイッ!」
冥子「よくもっっ!!!!!!」
久々のプッツン、それも「怒りのプッツン」である。意外に思われるかもしれないが冥子のプッツンには2種類ある。一つは情緒不安定でコントロール不能になり、式神が各自の力で勝手に暴走するいつものパターン。もう一つは、普段泣き虫で温厚な冥子が怒ったときのものだ。過去ではたった一回、悪魔ナイトメアと戦った時、夢の中に式神全部連れ込むという絶対不可能と言われることを可能にした冥子の怒りのパワーを、現実世界で式神に投与されたら、どれほど恐ろしいことになるか察しがつくだろう。現在の美神が五、六人いたって対抗する戦力になんか絶対にならない。しかも今は夜叉丸を核に統合されているのだ。
『く、この野郎ー!』
文珠をありったけ投げても全部腹部のバサラの口に吸い込まれ、自慢の翼で飛び回っても瞬間移動と音速移動ですぐに追いつかれる。恐竜達も泣きわめきながら逃げ回る。
美神「一つに合体してて助かったわね。」
美神達は物陰に隠れている。
横島「いやぁまったく・・ギャーッ!」
ありあまったエネルギーが放電している。あのままじゃ夜叉丸がオーバーヒートして合体が解けてしまう。
『イカン。これ以上毛針に刺されて電撃食らって石化されて斬りつけられたらこの体も使いものにならなくなってしまう。ここは退くしかない!』
【逃】の文珠を使おうとしたが、そんな時間なかった。十二神将の暴走に耐えられず、夜叉丸 がぶっ潰れて合体が解けてしまった。こうなったらもうどうしようもない。
『ひぇーー!!』
もう高島の原型をとどめてなんかいない。もうかんぜんに粉々である。
横島「は、早めに逃げといてよかったですねー。」
美神「ええ、・・でもチャンスだわ。」
吸魔護符を持ってるだけ取り出して投げつけた。近づくなんて無理だからである。
『何だこの札は!』
「吸印!!」
複数の札に体をバラバラに封印したのだ。
美神「人類の技術は日々進歩してるのよ。これであんたももう復活できないわ。」
横島「み、美神さん。あれ、あれっ!」
式神の暴走が未だ止まらずこっちに向かってきた。
「キャーッ!!!!!!」
後日 東京 美神事務所
美神とルシオラが朝食をとりながらこの間の事件の話をしている。
ルシオラ「そう、ヨコシマの前世の因縁だったの・・。」
なんか暗い顔をしている。「前世」の話になるとたいがいこうなってしまう。そこにおキヌちゃんが顔を出してきて、
キヌ「美神さん、学校いってきます。」
おキヌちゃんが出かけて、美神は紅茶を一口飲む。
美神「あんたが落ち込むことなんかないわよ。今回はアシュタロスとは何の関係もないんだから。それに、」
また一口飲んで、
美神「そんなことばっか気にしてると、他のコに取られても知らないわよ。」
ルシオラ「ちょ、ちょっとそれどういう意味よ!」
美神「さーねー。」
美神には事件の後、おキヌちゃんの顔に充実感やすっきりしたみたいなものが感じられた。(あの子ここんとこ、ずっとおいてきぼりくってたもんねえ。)そんなことを考えながらまた一口紅茶を飲む。
THE END
**********************************
どうにか書き終えることができました。初めて創作をして、絵がないといかに表現が難しいか思い知りました。何気なく血管が浮き出てたとしても表現のしようがないんです。
今回の話の発端は、おキヌちゃんを第一線に復帰させる話はないだろうかってことから始まったんです。横島と美神を結ぶ理由の一つは「前世からの縁」だから、「横島の前世にとって人生のすべては美神の前世がすべてだったわけじゃない」ってことを示してみたらどうだろうと思って前世の話をつかったんです。
惜しむらくはただ働きだったこととおキヌちゃんの清涼剤的ボケっぷりのノウハウがつかめずカットしてしまったことです。誰か教えていただけないでしょうか?
今までの 賛成:8 反対:1
コメント:
- 連載終了お疲れ様でした。冥子のプッツンについての分類は盲点だったなー、と特に感心しています。勿論作品自体もとっても面白かったですよ。ただ、一つだけ疑問なのは高島が文珠を使えたことです。横島の前世ですし使えても不思議じゃないのですが・・・おキヌのキャラの使い方ですがこれでも十分だと思いますよ。それでもあえて、とお考えでしたら本編のおキヌのボケ「だけ」何度も読み返してあらゆるシュチュエーションに対して「おキヌちゃんならどうボケる?」と考えたらなんとかなるんじゃないかな・・・とおもいます。いい作品でした。次回を楽しみにしています。 (メカ音痴)
- 月並みではありますが、とても面白かったです。最後にルオシラが出てきたのは以外でした(笑)
- またがんばってください。(上のコメントの続きです。間違って送信してしまった;^^)) (Kei)
- しまいに恐竜まで出てきてこのハチャメチャぶり。冥子のまさかの活躍ぶり。キヌも要処々々しっかり押さえていましたし。とってもおもしろかったです!それはそうと、高島の身体をバラバラにして封印する必要はあるのでしょうか?封印すべきは白カラス[の魂?]一鬼だけですよね?仮に憑依する為の依代に霊能力の高い人間が必要(有用)だったのなら周りに沢山いますし。もしくは白カラスの憑依能力が死体に限定されているとか? (Ihori)
- 絵が無くたって、バッチリ表現出来てるじゃないですか。話としては、オリジナリティー溢れる素晴らしい作品だと思います!これからも頑張って下さいね(^_^)。 (CSU)
- Ihoriさんのご質問ですが、白カラスの霊体は高島の隅々にまで染みわたっていたんです。別に高島をバラバラにしたわけじゃなく、妖怪の方をバラバラにするのが目的だったんです。それにこいつは、自分で生き返らせたものにしか憑依できないってことにしといてください。それからメカ音痴さんの言うとおり、高島が文珠出せていいんだろうかと思ったんですが、文珠の能力は横島の潜在能力にあったものだから、前世で使ってたと見ていいんじゃないでしょうか。 (DIO)
- いやーこんなに興奮したアクションストーリーは久しぶりです。次々と展開して行くストーリーには脱帽です。設定も椎名先生の世界そのままなので違和感も感じませんでしたし、特大ホームラン!って感じです。これからも素敵な物語を創って下さい。 (Chon)
- いやぁ、何でもありの椎名ワールドそのまんまってかんじで、椎名先生の崇拝する某巨匠の魂がのりうつったようなアイデアの量ですね。そのパワーをこれからも見せて下さい。 (コーディ)
- 賛成に入れるつもりだったんですが、賛成6の反対0という状況にへそを曲げて、あえて反対に入れます。と、ゆー訳で、あら探しとゆー形になるんですが、、亜図は、やっぱり高島の体を使い、文珠まで操る必要性がなかったように思います(あえてけちをつけているんです。忘れないで下さい。まあ、そこまでクリアできるなら原作の椎名さんにも意見できるでしょうけどね)。高島の体を完全に破壊することに美神が何も反応しないことがちょっと考えにくいんですよ。前世で自分の存在をかけて愛した男なんですから。そこをうまく描けておられたら文句なく賛成でしたです、はい(美神がプロだ、とか言うのは言いっこなしですよ。なんと言ってもプロになる前の話なんですから)。 (ホーエンハイム)
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa