ザ・グレート・展開予測ショー

除霊刑事ヨコジパン! (3、「恥ず恋・・!?(後編)」)


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(01/ 6/ 7)

「ぎゅがぁぁぁ・・・」

エミの生み出した怨念体から、断末の悲鳴があがる。
同じ横島の学校の女生徒たちを目の前にして。
我らが叙霊刑事ヨコジパンの超必殺技「ヨコジパンブレード・千の太刀」が早々と決まって、
怨念体は現世から薄れていくのである。
それは一瞬の如しである。

「・・・・・・ヨコジパンの前には、悪霊如きは即地獄に消えて行け・・・・・!!」

そう言葉が言い残されていく。
ヨコジパンはサッと窓から消えていったのである。
相手が倒された直後に、変身が解けてしまうため。

見られてはいけない。
特に、横島と同じ学校の人間の前では。

小鳩は、ヨコジパンの格好に惚れていた。惹かれていた。
一瞬見せた、あの美しい瞳・勇ましい姿。
そして、たまらなく凛々しい顔。
小鳩の心には、その顔が焼きついて離れない。

「小鳩!?」

小鳩の同級生は駆け寄る。
体に異常はないかと、小鳩のことを心配しているのだ。
でも・・・。
ヨコジパンの格好は、まさにピートを超えるほどの美形キャラであった。
初めは気障なポーズに女生徒は反抗していたものの、惚れ惚れとしていた。

だが、あれが横島だとは誰も気がついていない。
ヨコジパン自体が特異体質に過ぎず、あれが今の格好悪い横島になっているとは知る由もない。
こうして、学校に新たな伝説が生まれたのだが・・・・。

      ☆          ☆          ☆

「ペルシャさん、いいのですか?」

ピートは、ペルシャに近づいていた。
ペルシャの正体は、実はルシオラである。
それも、イメージキャプチュアー
     (参照:http://www10.pos.to/~cwww/cgi-bin/tenkai/old20/987056057.html)
により、妄想世界より具現化されて甦って来たルシオラ。
だが、ルシオラはまだ、横島に会いに行っていない。
恥ずかしい片思い・・・
恋・・・
そう考えて、ルシオラは言葉をはさむ。

「・・・いいのよ、ヨコシマに気づかれないようにするためには・・・・」

ペルシャに変身しているルシオラ。
少なくとも、横島と対峙することが嫌だったピートにしては、まずはその横島を好きだったルシオラを保護しなくちゃならない。
そう考え抜いて、SAIJHONEから脱退するとともに、カオスに相談を持ちかけたのである。
すると、いとも簡単に、カオスはそのキャプチュアーを貸してくれたのだ。

「こうして、また横島とあえただけ・・・でも・・・・・」

ルシオラは顔を赤らめていた。
まだ、この復活はピートとカオスとの秘密であり、

      ☆          ☆          ☆

一方、エミは職員室をのっとり、学校の配管図と設計図を奪おうとしていた。
だが、それも無残に終わった。
今まさに、横島が職員室に殴りこみにきたからだ。

「・・・エミさん・・・・・・。」

横島は、真剣な顔でエミと見合わせる。
エミの凄まじく異様な気配。
ゴキブリのように塗りたくった化粧が、横島の鼻をツンと匂わせる。
だがそれでも、平然と強烈で見つめる横島。

「・・・アンタ、誰に言われてそんなことをするんだ!?」

この一言が、エミの心を打ち抜こうとする。
それでも、エミは何も言わない。
教師たちは、その言葉に対して口々に叫ぶ。

「横島ぁ、これは貴様の関係かああーーーっっ!」

普段なら言い訳する横島だが、今は何も言わない。
エミの返事を待つばかり。
すると、観念してか、

「・・・確かに・・・・アタシは西條の片腕なワケ。
 でも・・・でも今、憎いのは、ピート。ピート一筋なワケ。
 それなのに・・・・それなのにぃーーーっ!」

エミは興奮し始める。
無論、ピートのとった行動の真意を、お互い知っていない。

「だから、学校ごと襲おうってのか!?」

横島はきりっとした顔でエミをたしなめる。
顔色をうかがうまでもなく、ピートに対する心に憎悪が見え隠れする。
その苦しみは、何かわからずに遣っているとしか。

「・・・なら、俺も明かすぜ。フラッシュ・チェインジッッッ!!」

そういうなり、横島は学校の天井を頭突きで破り、10メートル近くジャンプして行く。
その天井に近い位置から、何回転もするのだから、勢いづいてさらに上の階の天井近くまで上がるのは当然である。
・・・・そして、

「とうっ!」

と、エミに蹴りを浴びせるが如くヨコジパンが現れる。
教師たちはともかく、驚くのはエミである。
横島とヨコジパンが同一人物であることに今まで気が付かなかったのだ。

「・・・・横島!?」

ガラリ!
と、そこへタイミングよくピートも現れる。
職員室へ報告すると同時、教師たちを呼びにきたのである。
しかし、その現場を目の当たりにするピートであった。

「エミさんっ!!」

そのピートの行動にぎくりとするエミは、思わずたじろぐ。
後ずさりする。
そこへ、ヨコジパンに変身した横島が言う。

「・・・・そこまで言うのなら、相手にしてやる。
 だが、見くびるなよ。俺の・・・」
「やっぱり、横島さん、あなたがヨコジパンだったんですね・・・!!」
「・・・え!?」

ピートには初めから推測がついていた。
何しろ、西條と同じく『女好き』。
そして、西條に対抗するとしたら・・・・・。
ICPOに入りたかっただけなのに、西條にアルバイトであんな事されるのはご免だった。
そんな理由もあってか、少なくとも、手先になりたくない・・・・。

その意思が通じてか・・・・エミの顔からは涙があふれる。

「わかったわ。
 あたしの思いよがりだったのね、ピート・・・・」

このことに気づいた途端、SAIJHONE(サイジョーネ)の砦は自然と崩れ始める・・・。
そして、暖かい光が差し始め、ついに最後の砦が開く。
ピートのおかげだ。

そして今、ピートの口から新たなる事実が告げられる・・・・。
ピートとカオスとの機密事項が。

「あの、横島さん。実はですね、ルシオラさんを・・・・」
「え?ルシオラが・・・・!?」

ペルシャが、ルシオラの化身であったことにも知らされて、ますますパワーアップする横島。
このまま、西條の野望を滅ぼしていけ、ヨコジパン!
明日の太陽は、ヨコジパンのために昇るのだ!

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