星影〜第七章〜
投稿者名:氷魚
投稿日時:(01/ 6/ 3)
星影〜第七章〜
「…何処でそんなものを…」
顔をわずかに歪めながら“長”は尋ねた。
「スタングレネードのことか?」
右肩から手を引き抜いて飛野は言い捨てた。
「横須賀の米軍基地に少し『提供』してもらってな。自衛隊のは俺はあまり好かん。」
…先程からフィールの姿が消えていて、ただ気配だけがする。それもわずかなもので、場所までは解らない。
そう横島が思っていた矢先の出来事だった。彼が隠れているダンボールの上に彼女がふわりと降りてきたのだ。当然の事ながら彼女は後ろの足もとに隠れている男を発見した。
「! あら。こんな所に隠れちゃって。確か…横島…とか言ったわね?」
彼女が木箱の上に立っているので必然的に横島は彼女を下から見上げることになる。
すらりと伸びた長い肢体。腰の肉の付き具合もまた大きすぎず小さすぎず。胸はあまりないが、きりりと引き締まった顔つき。
「フィ──」
哀れな横島は半言も言えぬままに地面にめりこんだ。
「まあったく、人をなんだと思ってるのかしら?足から顔までじろじろなめ回すみたいに…。」
「…」
横島はかえせない。まあ地面にめり込んだまま喋る人間もそうそうめったにいないが。
突然なにかが吹き飛んだような音がした。飛野が“長”に吹き飛ばされたのだ。
「所詮はあの程度か?お前も老いたものだ。つい100年ほど前なら私の体の再生力を無くす位のダメージなら軽く与えきれたのにな。」
ふっ飛ばされて家の壁にぶち当たった飛野に“長”は目にも止まらぬ早さで飛び掛った。なるほど肩が回復している。
「ふんっ」
“長”は飛野を引き裂こうとして手を一気に振り上げて鎌の如く切り裂いた。だがその手は空しく空を切った。飛野が辛うじて避けたのである。
“長”は動じる様子もない。さっと身を引くと、突然自らの手を刎ねた。
「あ、」
フィールが言った。
「そこの下衆、下がっといた方がいいと思うわよ。」
「…げ…ゲス…」
“長”は自ら切った手の方の肩にもう片方の手を置いた。すると──
「ウ…オオオオオッ!」
“長”は咆哮した。それと同時に彼の手首からは妙なものが生えてきた。形からすると横島の『栄光の手』に似ているが、それを更に巨大にして、つめももっと伸ばした感じだ。「さあて、そろそろだ。覚悟しろよ」
“長”は言った…
「Heaven・Griffon。」
「あ…あの手って…タイラ○トU?バ○オの…」
どっかで横島がネタばれ発言をしている。
今までの
コメント:
- 周りの人はあまり評価してくれないけど、『烈火の炎』もなかなか面白いと思うんだけどな。
適当なことを言いつつ、こんばんは。氷魚です。
………もうあまりにも眠いので今日はこれだけにしてもう寝ます。
…コメントをいれてくださってる皆さん、心のそこから感謝しております。 (氷魚)
- うう、『烈火〜』は余り熱心には読んでいません。安西氏の目次のコメントは結構好きなんですが。いつぞやの質問(内容は忘れた)で安西氏がいつものように「皆川先生と同じ。」とコメントしたのに対し、皆川氏は「安西くんとは違う。」と言っていたり(笑)。
以前の食料と云い今回の得物と云い、飛野老がどんどん火薬臭くなってきました。
それはそうと、ありがとう横島。君の犠牲のお蔭でフィール嬢の詳細なプロポーションが明らかに成ったよ(笑)。 (Iholi)
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