黒い呪いと天使の笛の音(後日談)
投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 5/31)
ピラ・・・
「これがー・・・その仮面の幽霊?」
「うむ! 散歩中、偶然マリアの目が捉えとったんじゃ! で、この写真が欲しければ・・・」
ゴシャ!
「ふーん・・・確かにうさんくさいわね、片目からは血の涙、か・・・いい趣味なワケ」
神父が鷹揚に頷き、口を開く。
「私もあの時にもっと注意深く判断すべきだった。 まさかGSの現役、候補が首を揃える場でこんな暴挙を企てる者がいるとはね・・・」
「犯人見つけんのには賛成だけどー・・・」
バンッ!
「何でいちいち! あんたらここに集まんの!?」
ー黒い呪いと天使の笛の音(後日談)ー
騒動終わってー・・・ここは美神令子除霊事務所の一室。
今この事務所の客間には、一流のGS達が集まっていた。
「ま、とにかく呪いのプロとして把握している事は、今話した事で全てなワケ」
「中世から生き続ける凄腕の魔術師・・・にわかには信じ難いが・・・」
皆でのびているカオスに目を向ける。
「生きた証拠がいますしねー・・・」
そう呟いた金髪の青年に、菓子を片手にした青年が口を挟む。
「ふぉふぁえはひふぉふぉほほひへぇふはふぉ!」
『お前は人の事言えんだろ!』
全く進展しない議論に、美神がキレた。
「あーもー! 結局犯人もその目的も! 具体的には何も解らないんでしょ!?」
やや控えめに、神父が答える。
「そ、それはそうだが・・・」
「ならもう解散! 今度喧嘩売ってきた時にまたぶちのめせばいーでしょ!」
「待ちたまえ美神君! 今度はもっとやばい術を繰り出してくるかもしれないんだぞ! 落ち着いてちゃんと対策を・・・」
当然ー美神は待たなかった。
「とっとと帰れーーーーーーーーーー!!!!!」
抗う術も無く、唐巣達は事務所から追い出された。
「やれやれ・・・」
「相当カリカリしてますね・・・美神さん・・・」
ため息をついて、頷く。
「そうだね何しろ・・・」
ドルン! ドルン!
「・・・手ぇ出されたのが身内な上に、黒幕は別にいる。 あの女がこんなスッキリしない状況に耐えられる筈ないワケ!」
「エミさん・・・」
「・・・ま、三日立てば頭冷えるでしょ! じゃーねピート! 今度遊びに来てね!」
そう言い残して、エミは爆音と共に消えた。
「先生・・・」
「我々も行くか」
「はい!」
「ドクター・カオス・・・帰還シマス」
「うーん・・・きょうのばんめしわ・・・」
皆が帰路につくのを、美神は窓から眺めていた。
(・・・ったく! 余計なお節介なのよ・・・!)
ほんの少し微笑みを浮かべる美神に声がかかる。
「あのー・・・美神さん、一言でいーすから俺の話を聞いてくれませんか?」
「あ、ちょうど良かった。 よっと」
ズン!
美神は棒きれを壁に突き立てた。
「ちょ、ちょっとそれはーー!!?」
言い終わらぬ内に、横島だけが下がって来た天井に圧し潰された。
「さて、山彦・・・ってなーに?」
数分後・・・横島はずたぼろになっていた。
「よ、横島さん!」
駆け寄るおキヌ。 すると。
『5メートル以内に接近! 天使汚染の恐れあり! 標的を排除する!』
「な、何だこい・・・」
『ファイアー!』
ドガアァァ!!
吹き飛ばされる横島。 美神がニッコリと話かける。
「いろんなアイテムと交換でね、あの子にとびきり強力な守護精霊の扱いを書いた本をあげたの」
横島は拳を握りしめた。
(泣かす! ぜーったい泣かして解除させたる!」
その声を別の精霊の力で、少年は聞きとった。
『ふん! これだけはどんな事があっても解くもんか!」
横島と少年を結ぶ『確執』という名の呪いは・・・まだまだ続きそうだった。
今までの
コメント:
- 「これで本当におしまい。 また同じ事を書きますが、読んで下さった方、有難うございます」 (AS)
- 補足、です。<守護精霊はおキヌとタマモの5メートル以上に近寄ると姿を現す横島限定のガードマンです。 条件つきだから能力高くて、両肩に大砲つけてて鎧を着てます。 あくまで自分の設定です> (AS)
- また、この少年を出してください
お疲れさま (トビ)
- 補足、二です。<おキヌの資格と少年の沙汰についてはいずれ、です> (AS)
- おつかれさんでした。
守護聖霊、恐ろしいぞ。
でも、横島だけってのが、救いか? (トンプソン)
- ←わすれもの (トンプソン)
- 美神が受けた精神的苦痛の全てが横島の肉体的苦痛に、横島の受けた肉体的苦痛に対する恨みが全て少年に転嫁されるのが、いやはや何とも(笑)。
結局黒幕は捕まりませんでしたが、こうなったらこの黒幕でまたまた続編を書くしか!(我侭) でも笑える短編の方も楽しみにしていますよ。ともかくも連載お疲れ様でした! (Iholi)
- Iholiさん、感想・・・それも改めて書いた32のところから、ここまで全て・・・そこまで手間暇かけて拙いのを読んで下さって、有難いなどという水準を越えてます・・・本来こちらも全てに返事をしなければいけないんですが、自分の事では上手い言葉が浮かばないので、ここで本当に感謝を込めて一言、です。
有難うございました。 (AS)
- ASさん、こちらこそ毎度の事ながら僕の遅〜いコメントに対してお返事を下さって嬉しいです。でも、なるべく丁寧な言葉を選ばれているのはとても結構な事なのですが、余りご自分で稚拙だとか仰らない方が宜しいかと思いますよ……そうすればこちらも無用に恐縮せずに済みますからね。ほら、もっと肩の力を抜いて。 (Iholi)
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