ザ・グレート・展開予測ショー

スレイヤーズVS美神(プロローグ)


投稿者名:富士見と美神のファン
投稿日時:(01/ 5/28)

闇色に塗られた夜の空。その中で星と満月の明かりだけが燦然と輝いている。闇の海にぽつんと取り残された空の孤島ように。
月や星の光がどこか物悲しいものに見える、そんなことを考えてしまう私はいつもと違うのだろうか?彼女はそう自問する。答えの出るはずのない問いだった。
そう考えてみると、いつもは夜道をやわらかな光で照らしてくれるはずの月の光さえ、今日はどこかまがまがしいものに見え、ロマンチックな星の明かりさえ、今にも流星となって自分の頭上に降り注いで来るような脅迫感が生まれる。
本能的に、彼女は破れた窓から見える夜の空から視線を逸らした。逸らしてしまってから彼女はハッとなった。そんな自分にちっ、と舌打ちを一つしてから、誰に向かって言うでもなく、
「・・・バカね。そんなことありえないのに。」
彼女はそう思わず口に出してしまった。出してしまってからまたハッとなる。
―口に出すことで自らの潜在的恐怖をやわらげようとする―正体不明の不安に駆られた人間がよくやることだ。彼女は、そんな自分がそんな初歩的な失態をやらかしたことを呪った。別に誰かが見ているわけじではない。ここは古びた廃ビル―バブル時代の悪夢の残滓―の一角だ。だが、人一倍プライドが高く、己の実力に絶対の自信を持つ彼女はそんな自分を呪った。
―もうっ!どうにかしてるわ。今日の私―
だが、プロのゴーストスイーパーである彼女をしてここまで緊張させるほど、今晩相対した敵は強敵だったのだ―

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