ザ・グレート・展開予測ショー

【リレー小説】『極楽大作戦・タダオの結婚前夜』(13)


投稿者名:桜華
投稿日時:(01/ 5/19)

 それは閃きだった。
 なんの前触れもなく、唐突に頭に沸いた、とある考え。突然よぎった、ある可能性。第六感、虫の知らせ、etcetc……
 とにかく、彼女――美神令子は、その考えを持ったとき、慄然とした。
「ヒャクメ……」
 自分と同じく過去からやってきた神族に、声をかける。
「今、この時間軸のおキヌちゃんはどこにいるの?」
「おキヌちゃん?
 えっと……ああ、いたいた、武道館ねー。女の人と一緒だけど……」
 聞いた瞬間、男の尾行を破棄し、美神は脱兎の如く走り出す。
「え? あ、ちょっと、美神さん!」
 慌てて後を追う、ヒャクメとキヌ。
「ど、どこに行くんです? 私達の任務は、横島さんの護衛……」
「根本を見失ってはだめよ、おキヌちゃん!」
 自分と同じ、過去から来たキヌに、美神は言う。
「私達の任務は、横島クンの護衛じゃない。横島クンを魔族の手から守ること。そうでしょ!?」
「そうですよ! だからこうして後をつけて……」
「それが間違いだって言うのよ!」
 キヌの言葉を否定し、美神はヒャクメに向き直る。
「ヒャクメ。あんた、ハーピーと戦ったときの横島クンを見て、どう思った? どのくらい強くなってる?」
「そうねえ、魔族因子を取りこんでからは能力が飛躍的に上がったみたいなのねー。ハーピー相手じゃ実力の一割も出してなかったんじゃないかしら」
「つまり、単純計算であれの十倍以上ってワケね」
「そうなるのねー」
 再び、キヌに視線を戻す。
「いい、おキヌちゃん。『敵の立場になって考える』。これは重要な事よ、もし私が敵ならばどうするか、それを予想するの」
「そ、それでどうするんです?」
「私が横島クンにちょっかいかけるとして、まず実力では到底及ばないわ。正面から行くってことは、殺してくださいって言ってるようなもの。ましてや目的は戦いではない。横島クンの中にある魔族因子と、そこから生まれてくる未来の娘の制御よ。リスクは可能な限り減らすべきだわ。
 となると当然、搦め手を使うわね」
「搦め手……って、まさか!?」
 ヒャクメが言う。どうやら、気付いたらしかった。
「さしずめ、明日の花嫁さんのお身柄確保ってトコかしら?」
 武道館に、衝撃が走ったのは、呟きから少し後のことだった。










 同じ頃、妙神山では――
「そうですか、山を追われて――あ、御茶菓子、どうぞ」
「どうもご丁寧に――その時に、横島さんに助けていただきまして」
「アタシも二度も命を救われたからねぇ――お、これ美味しいじゃん」
「こっちもいけるよね――これ、兄ちゃんが作ってくれたんだよ、竹とんぼ」
「ピピピー――!」×24
 至って平和でほのぼのとした雰囲気であった。

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