ザ・グレート・展開予測ショー

黒い呪いと天使の笛の音(32)前編


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 5/18)

「あーイライラする! いつまでこんなせこい事やってなきゃーいけねーんだ!?」
 スコーン!
 怒鳴り散らした男の後頭部に古びた拡声器がヒットした。
 その突然の衝撃に背中・・・もとい、頭を押されて、前のめりに倒れこむ青年。 もっとも鎧のようなものを身に纏っている為か、大したダメージは受けていない様だ。 それを裏づけるかの如く、勢いよく立ち上がる。
「何しやがる!? びっくりするじゃねぇか!!」
 立ち上がるや否や、拡声器を投げつけた色黒の女性に詰めよ・・・ったところで、今度は横から伸びてきた手によって投げ飛ばされる。
「ごちゃごちゃ喋っとらんで・・・とっとと足止めせんかーーーー!!!」

 いつもながら疑問に思うが、あの細い身体のどこにあんなパワーがあるんだ・・・? 

 宙を舞いながらそんな事を考える青年を見、足止めを続けている金髪の青年が、呆れ半分のため息をついた。 そして、呟く。

「触らぬ『美』神『さん』にたたりなし・・・」



ー黒い呪いと天使の笛の音(32)前編ー



「ちょっとエミ! この霊薬ほんとに効くんでしょーね!?」
 青年を投げ飛ばして・・・やや息を荒くした女性、美神は横で成り行きを見守る商売仇に乱暴な口調で声をかけた。
 商売仇・・・小笠原エミは、若干こめかみをひくつかせて、答える。
 「さーね! あたしはタイガーに厄珍堂で、値段は問わずに、一番安心出来そうな霊力を回復させる薬を買ってこい・・・って言っただけなワケ! だいたいおたくだって承知の上で飲んだんでしょーが!」
「・・・・・・」
 黙り込む美神を横目にし・・・エミは胸中でひとりごちた。
(だいたいこの女がキレて見境なく霊力使い出すから、後の事考えて対処したってのに・・・ま、いくらか料金増しで薬とアイテム代請求するからいーけどね)
 不機嫌そうな美神を更に不機嫌にさせる様な事を考えているとー・・・声が響いた。

「ただいまでござるーっ!!」
「ただいまー」

 快活な声と、やや控えめな声。 そして・・・

「・・・へっ! 俺はどんなに頑張っても汚れ役なのさ・・・」

 これぞ陰気の象徴! と言うべき声。 それらの声の持ち主が会場に姿を現す。

 そして・・・

「ーーー!!!」

 無言で現れた、『そいつ』の姿に、美神の理性の鎖は再び断ちきられた。






AS「一度チャットに書きましたけど・・・風邪ひいてこじらせました・・・ので、今はこれが精いっぱい・・・次はかなり遅れるかも・・・忘れないでほしいです・・・それでは・・・」


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