ザ・グレート・展開予測ショー

誤解(7)


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 5/16)

「なななななな・・・・・・・・・なあ?・・にいってるんだよかずにいそんな事あるわけないやろ?」
と顔中真っ赤にしてなおかつ語尾を震えさせ横島。
そして若干の恐怖が含まれている。
こんな状態の男を見て一体何人の人間が今和馬が言った言葉に動揺していないと言えるだろうか?
100人に聞いたとしても100人が動揺していると答えるだろう。
(楽しい)
と和馬。
ここまで楽しいリアクションを返してもらえるとは思ってなかった和馬はにっこしと笑う
ぞくり
とその笑顔に横島は寒気を感じた。
頭の中でがんがん危険信号が鳴っている。
だが何をいえばいいのか分からない。
頭の中が真っ白で何も思い浮かばない。
惚れている。
いやまあその通りなのだが(思わず自分の趣味を疑いたくなる)
なぜかそのことを肯定するのは違うと思った。
(ちなみにおれの女じゃと宣言する分にはなんの躊躇も無い)
ふと自分の前に影が落ちる。

ぽん
と肩に置かれる手。
目前に迫った和馬の顔。
「おわあああ!!!!!!!」
と横島。
きがついたら目前に野郎のアップ
横島にとって最も嫌う状況の一つであろう。
そして
ずさささああああああああ!!!!
もの凄いスピードで後ろに下がる
どおおおん!!
とすると当然狭い室内直ぐに壁にぶつかる事になる。
「・・・・いてて」
と壁にぶつかった背中をさすりつつ横島。
「そりゃ痛いだろうな」
といくぶん呆れたように和馬。
そして口を笑みの形に歪ませ
「美神令子」
と言った。
ぴくり
と横島肩が震える
もちろん顔は赤い。
「そおおかあああオマエ惚れてるのは美神令子って言う人か」
「うっ!!」
と右腕で顔を隠し横島。
だらり
と背中を冷たい汗が一筋流れた

「美神令子」
・・・うん?なんで私の名前が出てくるの?
とドアの前で美神。
ちょうどノックをしようとしたところである。
木製の少しばかり古びたドアの前で拳を上に上げた所である。
突然の物音(というべきか轟音というべきか)の後に自分の名前である。
そわそわと何度も鞄の中にある給料袋と明日ー二月十四日分のディナーチケットを二枚確認してやっとノックをしようとしていたところである。
頭の中ではなんどもなんども誘い文句というか言い訳というか連れて「行かなければならない」理由を繰り返し思い返してやっとノックしようとした所である。

そしてぼそぼそと呟くここから聞こえない言葉
どうやら誰かいるらしい。
誰か他に人間がいるところで・・・・言えるはずも無い・・・・
明日仕事場で言おう
と思い拳を下げた時
「俺と美神さんは付き合ってねえよっ」
という横島の怒鳴り声が聞こえた
つづく

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