星影〜第六章〜
投稿者名:氷魚
投稿日時:(01/ 5/16)
星影〜第六章〜
魔界から、地下室から戻ってきた横島はまず飛野を探した。
「おーい、じー…」
言いかけた横島は後ろを振り向いた。
強烈な霊気を家の外から感じる。強大で、なおかつ殺意と恨みに満ちた霊気を。
横島はゆっくりとドアを開けて外に出た。ドアにかけた手が僅かに震えている。
そこは地獄だった。血まみれの地面のためそばを流れる川までもが赤く染まっている。そしてその血の海の中に龍の頭やガーゴイルの頭、腹部に大きな風穴を開けられたキメラなどが所狭しと転がっていた。死体はほとんどの者が頭部を失っていた。
…吐き気を催す。
横島はよろよろと死体を踏まないように霊気がする方に歩いていく。
死体は全員同じ方法で殺されている。頭や手足をもぎ取るか腹部を手で突刺して殺すか…。
…明らかに相手は一人だ。そして、その一人とは…
「………だな………野よ…」
いきなり前方で声がした。どうやらこの殺戮を行った本人が家の裏側にいて、その本人と話しているのがいるようだ。
横島はそおっと近くまで近付き、そばに転がっている木箱の影に隠れた。
「だいたい100年ぶりだな。お前が“門”から追放されてから。あの時は生きてお前に会うことは再びないだろうとは思ったがな。こうして会う羽目になるとは。世の中不思議なものだ。」
声の主はどうやらあの“長”らしかった。
「…それはこっちも同じだ。」
…飛野の声のようだ。だが、ずいぶん若返ったようだし、声に凄まじい殺気がこもっている。
「しかし……よくもまあこれだけやってくれたもんだ。だが少々数が足りないな。フィール!」
…フィール?あのねーちゃんここにいるのか?
「ハイ、なんでしょう?」
…彼女の声だ。
「魔物どもの数が足りんぞ。」
「…皆、逃亡しました。」
「フン…。まあ、こいつには勝てまいとは思っていたがな。帰ったら少々きつめの仕置きでもするか。」
“長”の声はゆったりとしている。だがその口調とは裏腹に微妙な殺意がこもっていた。「『帰ったら』だと?…貴様、今さら何を言っている。ここから生きて帰れるとでも思っているのか?」
横島が横から顔を出してみると、声がした場所にはすでに飛野の姿はなかった。言い終えると同時に“長”に飛びかかっていったのである。
飛野の手が“長”にかかった…と横島が思った瞬間、“長”の姿が視界から消えた。同時にフィールも消えている。しばらくして、どこからか声が聞こえた。
「まあ、そう焦るな…。時間はまだ、いくらでもある…。」
「………影になったか………下らん」
飛野は辺りを見渡してから言い放ち、懐からなにか取り出した。
「これでどうだ?」
キンッ
…キンッて………?
横島が思った時、それはもう爆発していた。
強烈な光の爆発。光、光、光。あわてて目をつぶった横島のまぶたの上からも赤く黄色く光る。
…ス…スタングレネードォ?なぜこげなじーさんがあ?
横島がうっすらと目を開けた時に彼が見たものは、“長”の右肩を飛野の手がぶち抜いている姿だった。
今までの
コメント:
- 突然ですが質問です。
「黙れ小僧。お前にサンが救えるか!」
↓
「黙れ小僧。お前に算数理科社会!」と変える僕の悪友についてどう思われますか?
すみません。ゴメンナサイ。氷魚です。
それにしてもやっぱり来栖川のえるさんの“パソゲネタ”が解りません。何なんでせうか?
とりあえず第六章です。コメントを入れてくださっている皆様に感謝。 (氷魚)
- 悪友さんは素敵だと思います(笑)。
なんかこーゆうシリアスなのかける人って尊敬ですねえ(うっとり)
巧いやもう。 (hazuki)
- とは言え、小前荷山が巣食えるか?
あの山は丸坊主なんだぞ!
おそまつ!昏無鈴(グレムリン)亭遁譜村 (トンプソン)
- 横島に妙な訛りが有るのはともかく(イヤな奴)、セリヌンティウス……もといヂヂイがまたトンでもない事を……うーん、ますます謎は深まるばかり。
その悪友さんは大事にしましょう。きっと一生の友と成ってくれる事でしょう。僕の周りにもそう云う芸風の友人がいるので(笑)。 (Iholi)
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