ザ・グレート・展開予測ショー

ゲゲゲの森の手前まで来たぞ!!(3)


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 5/ 9)

具体的な地名は筆者と親父殿の約束があるので述べられないのだが、都内から二時間で付く有名なスキー場の麓とだけ先に書いておこう。
車窓からは、高い山脈に雪が残っているのが其処かしかに見うけられる。
「ほら、向こうの山にも雪が残っているわ」
「本当だね。オキヌちゃん」
今回、車に酔いやすいという体質のタマモが助手席に座っているのだ。
車を運転する美神としても、心中複雑といった所か。
「この席に座るのは不味かったかな?」
かも、しれない。だが彼女の顔が真っ青になっているので、誰も文句は言えないだろう。
そして、
「ここいらで、少しやすもうかのぉ。皆の衆」
「そうですわね。親父殿。私としても情報が欲しいところですからね」
パーキングエリアに似たところへ車を止めると、最初に出るのは、タマモである。
「あ、あたしトイレ」
「はいはい、タマモには私がついていくわ」
「だ、大丈夫よ、・・オキヌ・・うっぷ」
「はいはい、強がり言わないの」
オキヌちゃんも昔は、人間に戻った直ぐには車酔いを経験しているので苦しみが理解出来るのであろう。
「弱い奴でござるなぁ〜」
そういいながら、出店のフランクフルトをせびるシロである。
「これが、欲しいでござる!」
「武士は食わねど高楊枝じゃないの?」
あきれて、美神が言うと、
「それは違うで御座る、腹が減っては戦は出来ぬ、で御座るよ」
「あ、それに賛成っす、俺も朝食ってないから」
ケチでしられる美神、自分の興味の無い品にはびた一文だす事はない。
「食事の為に停まったわけじゃないわ。情報収集よ!」
おこられて、シュンとする一人と一匹に、
「しょうがないのぉ。ワシがだしてやろう」
と、何処から出すのか、細かいお金で5千円分、横島に渡す。
「どしたんっすか?このお金」
「なーに、落っこちているのを拾えば、三日にはこれぐらいになるじゃて」
そう言うと
「親父様が出す事は無いですわ、まったくしょうがない。一人一品だからね」
財布をだすから驚くは横島である。それから、美神と親父は近くの交番に向かう。
「美神殿、親父殿に何か弱みでも握られているので御座ろうか?」
「そおかな?その割りには目玉の親父さんに会えてうれしそうだけどな」
「たしかに・・モグモグ・・で御座るな・・パクパク」
「あ!俺の買った饅頭まで!」
と、じゃれあいしているところにオキヌが戻ってくる。
「オキヌちゃん。タマモの様子はどぉ?」
「うん、吐き終わって少しは楽になったらしいんだけど」
オキヌの肩に寄り添うようにして、未だに真っ青な顔をしている。
「大丈夫で御座るか?何か飲んだ方がいいのでは無いで御座るか?」
しかし、何も答えずにある方向を指先で示す。
自縛霊がいた。
「あぁ、たしか美神さんが言ってたな。幽霊は妖怪がって」
説得は無理だという事で横島の出番である。
「文殊『浄』だな」
まったくの問題は無かった。タマモに少し、顔に赤みが戻ったか。
「そうか。東京なんかよりも霊気そのものが強い山あいだから、副作用もデカイのか」
「そうかもね。あー苦しかったわ」
「しかし、それなら拙者にも影響が出で無いのは・・?」
「おそらくだけど、シロちゃんは、人の血もある程度混ざってるからじゃないかな?」
なかなかの着眼店というべきだろうか。
「と。言うよりもなタマモは完全な妖怪じゃからな」
親父殿が戻ってくる。
「解ったわ、ここから近くのスキー場で雪崩れによる負傷者が出てね」
その中には未だに遺体の見つからないのが一つあるのだと言う。
「先ず間違い無く、こいつが霊化した所為ね」
「ワシと美神殿の意見に賛成じゃよ」
「じゃあ、この遺体を見つけに行けば!」
「そうね。さて目的地まであと少し、タマモ大丈夫?」
「ええ」
少し、顔付きが引き攣ったか。
「我慢しましょ」
と、オキヌが言った時。あの!音が響いてきた。
《カラ〜ン・コロ〜ン・カランカラン・コロ〜ン》
「父さん!ゲゲゲの森が大変だ!」
「おお、鬼太郎、どうしたのじゃ、あまりこのような場所に来でないといったであろうが」
「森が、ゲゲゲの森がとうとう」
「どうしたのよ!鬼太ちゃん」
「あれ?・・もしかして令子ちゃん!大きくなって」
「うふ、人間だからね。鬼太ちゃんは、全く変ってないわね」
「うん、僕は妖怪だからね。それより父さん、大変なんだ、とうとう森が凍ってしまって」
「なんじゃと!いくらなんでもあの森が霊的障害に屈したのか」
「不味いわね。急いで対策をしないと」
と少し考え込むと、
「うん、近くにいるよ。ここに出て来ると騒ぎになるから隠れてるけど」
それを聞くと、
「オキヌちゃん、シロ、タマモ、あんたたちは急いでスキー場へ!鬼見君を持っていって」
一反木綿がすいと降りてくる。
「お久しゅう、美神はん。おいどんは、こちらの3人を乗せてスキー場じゃな。ばってん少々重量が」
「大丈夫よ一反ちゃん、みんな軽いわよ」
そう言うと3人が一反木綿に乗る。問題は無かったようだ。
「一応ワシも付いていこかの?美神殿は申し訳ないが鬼太郎と森へ向かって」
そう言うとすぐさま、目的地のスキー場へ向かう。
「横島は私と一緒に来てくれる?」
「でも令子ちゃん、森に近付くと」
「大丈夫よ。こう見えても横島クン。以外とやるからね」
「こいつは・・けっこう大変な事になりそうですね」
車でもう直ぐがゲゲゲの森である。

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