ザ・グレート・展開予測ショー

へっぽこ大作戦


投稿者名:TAK・A
投稿日時:(01/ 5/ 9)

  今日の教訓
   人をのろわば穴二つ
   壁に耳あり障子に目あり

「えー!お札つかっちゃったのー!経費浮かそうと思ったのにー!」
 気絶からさめた七篠の第一声である。文珠を使ったなどといえば、一発で正体分かりそうなので十万円のお札を使ったとうそをついた。
(俺の初仕事と同じこといってるよ、この人本当にプロか?)
 しかし無理もないことである。あの悪魔、飲んだくれといっても魔族の端くれ。並のGSが除霊するなら百万円単位の破魔符が必要だ。(自力だけで倒せる唐巣と横島、実はすごいのだ。)仕事もなく金もない七篠に出せる出費ではない。それでも実力以上の仕事を受けたことは攻められてしかりだろう。
 絶句している横島、いや「小島」を見て、しかられて落ち込んだと勘違いしたのかあわてて声をかける七篠。
「あ、ごめん、そうじゃないのよ、怒ってるんじゃなくて、そうよねちょっとあたしが失敗したのをフォローしてくれたんだモンね、ありがとね」
 ちょっとか?
 なぜか後ずさる横島。
「どしたの?」
「い、いえ別に」
「そ、じゃ帰るわよ」
 なぜ自分は動揺したのか。横島は考えていた。答えはすぐにでた。美神の元で仕事していて、面と向かって礼を言われたことなど数えるほどしかないのだ。そのためなれていないのだ、そういうことに。
(この仕事結構おいしいかも。どじでも美人な女性GSを陰から守る男、いい、いいぞーー!)
 「横島な」妄想に身もだえする横島。不気味である。

 オカルトGメンは一般に公共の除霊サービスをする機関と見られている。しかしその本来の目的は魔女狩の再発防止である。すなわち、霊能者たちの信用と安全を脅かす事態の解決や人物の逮捕が目的である。そのため今回のような各国の警察どころか政府にすら圧力をかける巨大な敵からも引くことはない。だが今の西条にとってそんなことはどうでもいいことだった。
「以上で報告を終わります」
「ご苦労だった、引き続き頼む」
 思惑通りだ。笑いがこみ上げてくる。祝杯を挙げたいところだが、勤務中だ。代わりにコーヒーにする。むろん豆は最上級、引き立てだ。
 香りを楽しんでから宙に向かい乾杯する。
「そうだ、そのまま深みにはまってしまえ。横島君。ふふふふふ、はーははははっは!」

 壁の向こう、六道女学院の制服を着た少女たちが目を丸くしている、
「なにあれ?」
「やだ、幻滅」
 この日、六女西条ファンクラブから数人の脱会者が出たという。


 ひさびさのへっぽこです、覚えておいていただけたでしょうか?

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