ザ・グレート・展開予測ショー

ニューシネマパラダイス!!後編


投稿者名:kata
投稿日時:(97/ 9/12)

今になってみれば、別れの日、
徹が何を自分に期待していたかが分かる。
「徹さん、俺には無理だよ。映画なんて、
 そんなに好きだったわけじゃないし」
話かける横島だったが、徹の幽霊は気づかない。
えんえんと映写機を回しているだけである。
ずっとこの調子だということだ。横島が
どんなに話しかけても、徹の幽霊は答えない。
「待てよ。徹さんにとって、俺は今でも小学生の頃のままなのかも・・・」
さあ、ここまで分かれば話は早い。苦しい時の文珠頼み。ああ、こりゃこりゃ。


「徹さん!」
小学生の姿に戻った横島が呼びかける。
「おお、タダ。学校は終わったんだろうな?
 ちょうど今日から新しい映画だぞ。何度も言うようだけどな、
 おまえも女優ばっかり見ずに、もっと他の・・・
 へへ、おまえにゃいくら言っても無駄かな」
ようやく気づいてもらえたものの、徹の幽霊は、昔と同じ調子で
話が通じそうにもない。文珠の効果持続時間を考え、焦る横島。
と、その時・・・
「そうそう、おまえに渡さなきゃならないものがあったんだ。
 郵便で送ろうと思ってたんだけどな・・・
 あれ、何で送れなくなっちまったんだっけかな?
 まあ、いいや。ほら、これだ」
差し出された物は、1巻の映画フィルム。
「おまえはあっちの映画なら、間違いなく名監督になれる。
 これは俺がそのために、あっちの映画の名シーンだけ
 集めた特製フィルムだ。大きくなったら、これ見て勉強しろよ」
「徹さん・・・」
「ほら見ろタダ。ちょうどここからが良いシーンだぞ・・・」

スクリーンの方を向き、満足げに微笑みながら消えていく徹の幽霊。
それとほぼ同時に、大人の姿に戻る横島。

東京、美神令子除霊事務所。
今回の件の報告を終えると、さすがの美神も
少ししんみりしている。そればかりか、
徹の幽霊から手渡されたフィルムを写すために
映写機のある施設まで用意してくれた。
美神、おキヌと共に座席に座る横島。
次の瞬間、スクリーンに映し出されたものは・・・

うごめく裸体、ひびき渡るよがり声。
そう、ポルノ映画の名場面の連続攻撃であった。
あぜんとする横島。
「ほ〜、あんたのセクハラも手がこんできたじゃないの」
「横島さん、さいっ低!」
「い、いえ、これはですね、何かの間違いで。あの、その・・・」
うなる美神の神通棍。
己の流した血溜りの中に沈み、薄れゆく意識の中で、
横島はようやく徹の言っていた「あっちの映画」の意味が
痛いほど分かったのでした。ちゃんちゃん。

(ま、最後の方の展開はバレバレでしたかね)


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