ザ・グレート・展開予測ショー

present for you!    


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 4/30)



         ・・・・・・・・・・パピリオの家出から、二日がたった・・・・・・・・・・





「・・・・・・・・・・おそい・・・・・・・・」
俺は時計を見る。針はたしかに8時20分を指している。・・・・・・・・・・約束の時間は、8時のはずだが・・・・・・・・・・・・・
「ヨコシマ〜っ!」
俺が声の方に振り向くと、そこにはルシオラ、パピリオ、シロ、タマモ(・・・・・・・・・・・お守りじゃないよなあ・・・・・・・・・・多分)の四人がこちらにむかって浴衣姿で歩いてくる姿があった。
「ごめんごめん、着付けできる人が、おキヌちゃんと美神さんだけでさー・・・」
「うう・・・・・・それじゃ、仕方ないか・・・・・・・・」
でも、楽しみにしてた時間が削られるのは、男としてちょっとつらいぞ・・・・(泣)


ドンドンドンドンピ〜ヒャラ〜・・・・・

俺たちはにぎやかな祭りの中に入っていく。そう、今日は近くの神社で祭りがあったので、だりぃと言ってこない美神さんと、何でかわからないけど「遠慮しといてあげます」といったおキヌちゃん以外の人で、祭りにきているのだ。
「もぐもぐ・・・・・・・・・・おいしいでござるな!」
「・・・・・・・ほんとバカ騒ぎね〜・・・・・・・・」
「あ、ポチ、あれはなんでちゅか!?」
みんな結構楽しそうだ。・・・・・・・・・シロなんか、フランクフルトを5本も抱えて・・・・・・・・・・・・・・・(か・・・・金が・・・・・・・)

「ね、ヨコシマ・・・・・・」
「うん?」
突然、ルシオラが俺に話し掛けてきた。
「・・・・・・・・時間・・・・・・」
「あ!」
俺が時計を見ると、もう8時55分を回っていた。
「早く行かないとと・・・・・」
「ああ、分かってる。こいつらは・・・・・・・・・・・・・・ほっぽっててよさそうだな・・・・・・・・・・・・・・」
そう言って俺は「もう食えん」のかっこで寝てる三人を見る。
「じゃ、とっておきの場所につれてってやるよ」
「・・・・・・・・・・うん!」
俺たちは店の並んでいるところを少しそれて、丘に登っていく。

「ここや」
俺たちが林を抜けてついたのは、小さな草むらだった。
「じゃ、後は待つだけね」
「ああ」

ヒュウウウウウ・・・・・・・・

やわらかい風が、俺たちを包み込む。
「なあ、ちょっと食いすぎじゃねえか?」
俺はルシオラの方を見ながら言う。
「ほえ?」
・・・・・・・・・・・キャラちがう・・・・・・・・・
「おまえ、さっき大量に食ってなかったか?」
「しょうがないでしょ。わたがしだって、りんご飴だって、フランクフルトだって、チョコバナナだって、食べるのは初めてなんだから・・・・・・・・・」
「だからってなあ・・・・・・・・・」
「ぶう。分かったわよ。ジャガバタにわたパチ(?)は持ち帰るわよ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・まだ食うつもりだったんかい・・・・・・・・・・・・」
そんな会話をしてる時・・・



ドーンドーン

・・・・・・・・・・・・と、
花火が目の前の空ではじけた。
「わあ・・・・・・・・・・・」
ルシオラは、食い入るように花火を見る。
「・・・・・・・・・・・・・・・きれい・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・ああ・・・・・・・・・・・・」
実は今日、祭りのイベントで、花火を某川の河原でやる予定だったのだ。で、まあルシオラは見るの初めてだからな。すっごい楽しみにしてたみたいだし。

そして俺たちは時がたつのも忘れ花火を見る・・・・・・・。

「私ね・・・・・・・・・」
突然、ルシオラが口を開く。
「ん?」
「分からないことがあったんだ・・・・・・・・・・・」

ドーンドーン・・・・・

打ち上がった花火で、ルシオラの顔が七色に光る。
「なんで私はあんなに必死になって闘ったのかなって・・・・・・」
「え・・・・・・・・・・?」
「たしかに、おまえにとことんついてこうとしたってのは、たしか。だけど・・・・・・・・・・ほかにもあったんだ。それがこの何日か、美神さんたちと暮らして、おまえといてわかったんだ・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・それはね・・・・・・・・・・・・・・
        

        みんながいて・・・・・・・おまえと微笑みあえる、この日常を守りたかったからなんだって・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・そして・・・・・・・・・・・・・・・・」

           ・・・・・・・その日常に、私もずっといられたらな・・・・・・


ヒュウウウウ・・・・・・・・・

また、風が吹いた。ルシオラの髪を優しくなでて・・・・・・・・

・・・・・・・・なんで?なんでそんなこと言うの?
・・・・・・・いや・・・・・・・理由はわかっているんだ・・・・・・・。俺にだって・・・・・・・・・・・。
だけど・・・・・・・・・・力のない俺には、彼女の不安をすべて取り除いてあげることなんてできない・・・・・・・・・・・
俺の目の前の、この悲しそうに微笑んでいる瞳に全て答えてあげることはできない。
・・・・・・・・・・・・・・・だけど・・・・・・・・・・・・・・
だけど・・・・・・・・
俺にだって・・・・・・・・・・・・


ぐいっ

おれは、ルシオラを腕で引き寄せる。
「わっ」
ルシオラの少し驚いた声が聞こえる。
「・・・・・・・・・・・そんな心配する、恋人たちはいないぜ。幸せは、それを求める者を、決して見捨てねーからな・・・・・・・・・・・・・・」
そう言って俺はちらりとルシオラの顔を見下ろす。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん、そうだね・・・・・・・・・・」
そう言うと、ルシオラはおれにさらに寄ってきた。
「・・・・・・・・・・・・しばらく・・・・・・・・こうしてても、いいよね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




                      いつだって、優しいね・・・




                         おまえは




ドーンドーン・・・・・・

一人の魔物の少女が、俺の腕の中にいた。
絶対に無理だと思っていたこの日常。
魔物と、人間のココロ。
結ばれるなんて、思っていなかった。
花火の光がやわらかく俺たちを包む。
・・・・・・・・・・・・・・・・幻にも見える、きれいな一画面。
だけどこの腕の中のぬくもりは・・・・・・・・・・・・・・・・
人間を一瞬で消せるのに、すごく弱々しい細い体は・・・・・・・・・・・・・
              真実なんだって・・・・・・・

ドーンドーンパーン

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・色とりどりの花火が、闇夜を静かに照らし出す・・・・・・・・・・・・・・・・・・




                             








                                ずっといられたらな・・・・・・・














                         ・・・一筋の幸せをこの少女へ・・・



























                         ・・・・・・・・・・・・・・・


























                              ・・・・・・・・・































                                  ・・・・






























































                       







            

















                                   さようなら




























































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