ザ・グレート・展開予測ショー

初恋・・?


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 4/26)

シロはただただ呆然と目の前で繰り広げられる光景を何も言えず見ていた。
いや、言うべき言葉が無かったという方が正しいだろう。
夏子にすがりつき涙を流す横島。
あんなに弱弱しい横島は知らない。
シロが知っている横島はいつも生命力に溢れていて前向きで怒って笑って鼻の下を伸ばして・・・・・・
なのにこんな苦しいものを隠していたなんて。
知らなかった。
傍にいたのに。
気付けなかった。
誰より好きなのに。
シロの前ではいつも横島は「先生」だったのだ。
(知らなかったで・・・・ござる)
痛すぎる「こころ」
一番大切ななにかを失う。
分からないわけが無い。
自分も失ったのだ。
かつて誰よりも大切だだった。
優しくて大きくて唯一の存在を。
(ちち・・・・・・・うえ)
ずきりと心臓が痛む。
ぐっと拳をにぎる。
敵は取った。それに父上は武士だ。
己の死に様に後悔は無いだろう。
それは確かだ。
だけどもそことは別に確かに痛むこころがある。
逢いたいと願うこころが。
それを横島も抱えているのだろう。
自分よりもっと生生しい感情を。

自分には夏子のようにいうことは出来ない。
苦しさを知っているから。
そんなふうに横島に気付けないから。
だけど
傍にはいる事はできる。
いっしょにいて笑うこともできる。
怒られる事なにもかも全部。
そうやって
癒される何かがあるのを自分は知っている。
忘れるではない。
過去になるというわけでもない。
だけど時間によって癒されるなにかがあるのだ。
その時間を自分と過ごせるなのならば。
いいと思う。
そして知っていきたいのだ。
知らない先生を。




・・・・・・・・・・・ま・・まあそれはそうとして。
(なんで夏子どのに抱きつくでござるか?)
つづく

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