ザ・グレート・展開予測ショー

横島の自立(8)


投稿者名:ノンチ
投稿日時:(01/ 4/24)

・・・・ここは・・・・どこだ!?
辺りは真っ暗で何も見えない。
俺は雪之丞と戦っていたはずじゃ!?
「ヨコシマ!」
不意に背後から俺を呼ぶ声がした。
「だっ誰だ!?」
すぐさま後ろを振り返って見ると、急に辺りが光に包まれた。
その明るさに耐え兼ね反射的に手を額の方にかざす。少しずつ明るさに
慣れ、ゆっくりと前の方を向くと我が目を疑った。
「・・・・ルシ・・・オラ・・・・?」
そこには、俺にとってかけがえのない女性、命をかけて守ろうと誓った
愛すべき女性が目の前にいる。
「クスッ、どうしたのヨコシマ、おかしな顔して?」
ルシオラはとてもかわいらしい笑顔で微笑んだ。
どうやら俺はよほど間抜けな顔をしていたらしい。
信じられない、ルシオラは死んだはずだ。
俺が彼女に会えるとすれば夢を見ているか、死んでしまったのか
どちらかだな。まあ、そんな事はどうでもいい。ルシオラにまた会えたのだから。
「おかしな顔ってことはないだろ。」
しばし考えると俺も笑って返事を返した。
「私が死んで、ヨコシマが寂しい想いをしているんじゃないかと思って
 会いに来ちゃった。」
「俺もおまえに会いたかった。会って謝りたかったんだ。」
「謝る?どうしてヨコシマが私に謝らなくちゃならないの?」
「俺はおまえを守れなかった。約束は果たしたけど、その代償はあまりに大きい。
 謝って済む問題じゃないこともわかっている。」
「馬鹿ね、私はそんな事ちっとも気にしていない。ううん、それどころか
 ヨコシマが私の為に戦ってくれただけでもうれしい。私が死んだのも
 あなたのせいじゃない。それに言ったでしょ、『あなたと、あなたの住む
 世界を守りたい』って、だからあの時、ヨコシマが世界よりも私を選んで
 いたら、きっとあなたを軽蔑してた。」
「だっだけど俺にとっては例え世界を救っても、おまえがいてこそなんだ。」
「もう、あなたは私が見込んだ男なんだからもっとしっかりしなさい。
 私は常にあなたの側にいるから、それを忘れないで。」
ルシオラの気持ちが痛いほど伝わって来る。
そうだよな、いつまでもいじけてる訳には行かない。
「わかったよ、ルシオラ。」
そう言うと俺はルシオラを抱きしめた。
1年ぶりに抱く彼女の感触は、あの頃と変わっていない。
暖かくて、甘いようないい匂いがする。
「ヨコシマ、もっと強く抱きしめて。」
俺達は強く抱きしめ合った、お互いの気持ちを確かめるかのように。
どの位そうしていただろう。気が付くとルシオラはうつむいている。
「私、そろそろ行かなくちゃ。」
「行くってどこに?」
「心配しないで、またすぐに逢えるから。」
「そっか、その時は今度こそおまえを守ってやるからな。」
「約束よ、これは誓いの印。」
ルシオラは顔を上げると口付けを交わして来た。
俺はルシオラと2度目の約束を誓った。
「それじゃ、もう行くね。」
「・・・・またな。」
ルシオラがいなくなると辺りは再び闇に覆われる。






「・・・・さん!!横島さん!!、大丈夫ですか!?」
小竜姫様の声が聞こえる。
この状況から判断すると、俺は雪之丞の攻撃を受けて気を失ってたらしい。
体には、ルシオラを抱きしめた感触がまだ残っている。
夢じゃ・・・・ない。
「もしかして、俺は負けてしまったんですか?」
立ち上がると小竜姫様に尋ねた。
「ええ、残念ながら・・・・・。」
「もう1度、やらせてください。」
小竜姫様が答えるよりも早く、俺は再戦を申し込んだ。

                         ・・・・続く


(今回、思いきってルシオラを登場させて見ました。次回、いよいよ横島の
 本領発揮!!)

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa