ザ・グレート・展開予測ショー

誤解(6)


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 4/23)

「第一うちの事務所なんぞ時給安いわ、昼夜関係ないわ、キツイわ下手したら命なんぞいくらあっても足りねえって」
悪い事いわねえから働くなら他の所にしとけ。
びしっと人差し指を和馬の目の前に突きつけ横島。
その顔は真剣である。
と言っていることはもっともで正しいことなのだろうが和馬はうさんくさそうに目を細めて横島を見ていた。
ついさっきまでのこれでもかというほどの嫌そうなというか顔一杯に「不機嫌」とでかでかと書かれた表情が消えうせてどこか必死なものへと変化しているのだ。
今横島がいった事は多分嘘ではないだろう。
なにしろ「GSのなりかた」(著書厄珍・推薦人ドクターカオス)にも美人率は高いがそれ以上にきつさには定評があると書いていた。
と、いうことは。
それを補ってあまりある(そうか?)なにかがあるのだ。
しかもこの従兄弟の必死な表情からそれはかなり重要な部分を占めているらしい。
そしてこの年頃の重要なことと言えば・・いわずもがなであろう
(仕方ないなあ)
と顔をほかろばせ和馬。
そんなに嫌なら他のところをあたろう・・・・・と思うほどこ男は人は良くなかった。
(是が非でも入ってやろうじゃないか)
それどころか何がなんでも入ろうというきになったらしい。
まあこの性根がくさったあげくにねじくれており修復不可能なあたりが横島の血縁といえば血縁らしいのだが。
そして和馬は満面の笑顔をつくりー
「大丈夫大丈夫っ♪俺が丈夫なんも体力あるんも知ってるだろ?ちっとやそっとじゃ音なんぞあげねえって」
といいながら右手をひらひらと左右に振った。

・・・・・・そのうえ筋金入りのドスケベで運がよくて天性のたらしっちゅーこともなあああ
自分のことはおもいっきり棚にあげて横島。
やばい
やばいと頭のなかで警報がなりひびいていた。
このままほおっておけばもしかしたらこの男は事務所に入るかもしれない!
筋金いりのスケベ男が美神さんのあのちちやふとともそれにおきぬちゃんのまた違った魅力のすれんだーなばでぃにシロやタマモのマニアックな・・さしずめ紫の上のような気分にさせられるようなもの惹かれないはずは無い。
そうなったが最期。
この男はなにがあろうともここでの仕事をやめないだろう。
他人事ながら断言してもよいくらいだ。
(自分がそうだった)
しかも美神さんに言い寄られたりした日には・・・・・・・いやあの美神さんが簡単におちるとは思えないが・・・この馬鹿従兄弟は妙にもてるのだ・・・。
その上驚くほど手が早いうえに持っていき方が自然なのだ。
自分なんぞ未だにちゅーのひとつもできてない。
・・・・・・・・・・・いやしよーとはすんだけど鉄拳がとんでくるんだって
とそんなことがぐるぐると頭の中を回っていると

「何だまってるんだ?」
と和馬の声が耳に入った。
その言葉にはたと我に返る。
「い・・・いや」
そんなこと言える筈もない。
するとにやりと和馬は口元を歪ませ
「忠夫お前誰か事務所のなかに惚れてるおんながいるだろ?」
と言った。
横島の顔が瞬間真っ赤になったのはいうまでもない
つづく

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