ザ・グレート・展開予測ショー

幸せの足音   ーハジマリノオワリー


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 4/18)


パンッ!

私は洗濯物を勢いよく干す。
「ふう。洗濯、終わりっと!」
私はそう言うと、ベランダから飛んで屋根の上に行く。この頃は、屋根の上で寝転がるのが自分の中ではやっていた。
ごろん・・・・・と、私は横になる。
ギラギラ輝く太陽。そして青く澄み渡る空。雲が沢山の思いを乗せてその中を泳いでいる・・・・・・・・・
「ああー。あったかくてきもっちいい!」
そう言って私は「伸び」をする。

ヒラヒラヒラヒラ・・・・・・・・

「ん?」
目をこらして見てみると、白い蝶が私の上を飛んでいた。
「・・・・・・・・・・・蝶・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・それはパピリオの眷族・・・・・・・・・
私は静かに目をつぶる。
閉じた目が見るのは、三つの影・・・・
パピリオ、ベスパ、私・・・・・・・・・・
いつもいつも一緒だった。
いろんなことを話した。
いろんなことで笑って、
泣いたら一緒に慰めあった・・・・・・

            ・・・・・・・・・・・でも・・・・・・・・・・・

もう、ベスパはこの世には・・・・・・・・・・



                            いない



あの語らいも、あの笑顔も、もう見ることはない・・・・・・
ヨコシマについていくと決めたときから、覚悟はしていた。
私にだって分かっていた。
闘えば、どちらかが必ずいなくなってしまうことを・・・・・・・・・・

    ・・・・・・・・・・・だけど・・・・・・・・・・・・





             





                            何で涙が出てくるの?

                             ヨコシマと一緒になれたのに・・・

                            ・・・どうして・・・



             涙が流れてきちゃうよお・・・・・






涙がほほを伝って・・・・・・・・・・・・とめどなく流れていくよ・・・・・・














「なんだ、こんなとこにいたのか」
突然聞こえたのは、ヨコシマの声。・・・私はあわてて涙をぬぐって、立ち上がる。
「ど、どうしたの?」
私は泣いていたことをできるだけ悟られないように、平静を装う。
「いや、そろそろ飯にすっから、おりてこいって言おうと思ったんだけど・・・・・」
・・・・よく見ると、いつの間にか空は赤く染まっている・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・泣いてたのか?」
ヨコシマが私の方を見て言う。
「え?」
私は思わず目の辺りに手を持って行く。・・・・・・・・・・心なしか、少し腫れていた・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・そ、そんなことないわよ・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・心配は、かけたくないよ。だって・・・・・・・・



                   私の大切な人だから



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか・・・・・・・・・・じゃ、飯にすっか・・・・・・・」
ヨコシマは少し不信そうな顔をしたが、そのまま何も言わなかった。
「え?」
・・・私がほっと胸をなで下ろしたとき、私の手が温かいぬくもりに包まれる。
・・・・・・・・・・・・・そして・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・安心しろ・・・・・・・・。俺はずっと離れねーから・・・・・・・・・・・・」
そう言って私に優しく微笑んでくれた。
「・・・・・・・・・・・・・・ありがと・・・・・・・・・・・・・・・・」
私は小さく一つ返事を返す。
「・・・・・・・・じゃ、早く行こう。みんなが・・・・・・・・・待ってるよ」
「うんっ!」



・・・・・・・・・・・・不思議だね、おまえは・・・・・・・・・・・・・・

おまえの微笑みは、泣き顔を、笑顔にしてしまう・・・・・・・・・

おまえの手のぬくもりは、悲しい気持ちを吹き飛ばしちゃうよ・・・・・・・・

お前がいると、胸がドキドキするよ・・・・・・・・・・・

もっとお前を感じたいよ

おまえのこのぬくもりを・・・・・・・・・・・・・・・・










                               







                            赤い光が、二つの影を優しく包みこんだ・・・・・・・・















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