紅空 ー蛍の輝きー
投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 4/17)
「すまんすまん、先生に呼び出されちゃって・・・・・・」
俺は走りながら、とりあえず遅れた言い訳をする。
「ふふふ。べつにいいわよ」
彼女は笑顔で俺にそう言ってくれる。くー!なんてかわいいんだ!
「じゃ、行こっか」
ルシオラと共に俺は学校を出た。
「ねえ、その公園寄らない?」
ルシオラが指を差す方向には、ちっちゃな公園があった。
「ん?いいけど、どうして?」
「・・・・・・・んん。別に用はないんだけどね・・・」
おれたちはそんな会話を交わすと、その公園のベンチに二人腰掛けた。
・・・・・・・・空を見上げると、そこはすでに赤みがかってきていて、俺達の頬を赤く染めていた・・・・・・・・・
「あのさあ、ヨコシマ・・・・・・」
ルシオラが突然、そう俺に語りかけてきた。
「なに?」
「・・・・・・・・・・・・私ね・・・・・・・・まだ信じられないんだ・・・・・・・」
そう言って、ルシオラは一呼吸置く。
「だってさ・・・・・・・・ついこの間まで私は敵で・・・・・・・・・・・・・・・ううん、被害にあった人達からすれば今でも私は敵・・・・・・・。
それに私がその気になれば、人なんてすぐ消すことができちゃう・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・なのに・・・・・・・・・・・・・・・・
私は当然のようにあなたのそばにいた
今もまだ人間達全員が好きなわけじゃないのに・・・・・・・・・・・・
私は事務所に住まわせてもらっている
・・・・・・・・・・・正直言って・・・・・・・・・・・・まだ、信じられない。今の、この現状が・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか・・・・・・・・・・・・・・。
そうだったんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・。
俺はやっと分かった。
・・・・・・・・・・・・・・彼女は、「不安」なんだ・・・・・・・・・・・・・・
いつ、アシュタロスが復活するか分からない。
復活したらどうなるのかも分からない。
分からないことだらけで押しつぶされそうなんだ・・・・・・・・。
だから、この現状が分からない。
だから、まだ信じることができない。
・・・・・・・・・・・・・だって・・・・・・・・・・・・・・
いつこの現状が壊れるか分からないから
俺は彼女が幸せだと思っていた。
俺と彼女は共に分かち合えて・・・・・・・
俺が彼女を幸せにしている、彼女が俺を幸せにしている・・・・・・・
正直、そう思っていた。
・・・・・・・・・・・・だけど・・・・・・・・・・・・・・
たしかに幸せなのかもしれない。
彼女は幸せなのかもしれない。
だが、彼女には大きな不安があったんだ・・・・・・・
彼女は優しいから、そのことを俺に言おうとしなかっただけなんだ・・・・・・・・
俺に心配掛けたくないと思っていただけなんだ・・・・・・・・・・・・
「・・・・・シマ・・・・・・、ヨコシマ?」
「ん?」
「冷えてきたし、そろそろ帰ろ」
周りを見渡すと、いつのまにか暗くなっていて、冷たい風が俺のとなりを吹いていた。
・・・・・・・・・・・・俺は立ち上がって彼女を抱きしめる。
「え?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彼女の不安を全て消すことなんて、俺にはできない・・・・・・・・。だけど、俺はできる限り彼女の不安を和らげてあげたい。彼女の力になってあげたいから・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・ずっと・・・・・・・・・・・」
言いたかった言葉を
「一緒にいような」
言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
昼と夜の一瞬のすきま・・・・・・・
短い間しか見れないから・・・・
きれい
今までの
コメント:
- こにゃにゃちわー。のえるでふ。なんかねえ、俺の作品は心にくるものが一個もないんだよね。これも含めて。だからね、これからは勝手ながら短編ばかり書いて修業していきたいと思うんですよ。だから、今までの連載は一時中止。修業が終わったら書きます。(まあ、たまにゃ書くとおもうが・・・・・)。すいません。
で、この作品。これはなんだっけ・・・・・ええっと・・・・・・俺が前に書いたやつ(名前忘れた)のリニューアル版です。この作品はもう一回リニューアルするかも。・・・・・・・・・・・・・甘いできとなってしまったので。 (来栖川のえる)
- 続き。最後の三行は、言わずとしれたあの名言ですが、この三行をよんで、「なんでこんなとこに出すんだ?おかしくねえか?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。だけどですね、これ書くことによりまじで色んな深い効果を表すことができました。ここでそれ書くとネタバレするんで書きませんが、かなり使えます、あれ。いいねえ〜(ばいけん風に) (将来海賊王になる来栖川のえる)
- すきっす!!!
えっと自分的に解釈していいんなら、一瞬かもしれないと彼女が感じていたのかな?一瞬かもしれないけどでも嬉しくてこんな嬉しい事が自分のなかでありえるとは思えなくてでもしあわせだからしあわせだからこそ不安もある・・・?
あれ変になっちゃった(自爆 (hazuki)
- まあ、いつか「初恋」とか「別れの前に」みたいな名作書いてみたいけどね・・・・・・・・(ちとむりか) (来栖川のえる)
- あぁぁ〜〜〜。
やっぱルシオラはええなぁ〜(TT)
何でこんな良い子がコミックでは死んでしまったんだろう・・・(涙)
これだけ出来が良いのに更にリニューアルですか。
今から楽しみです(^^)
この作品もすでに名作だと私は思いますよ。 (かいぜる)
- ちょっと妙な方向に深読み……最後三行がこの時点で語られた、と仮定して。
このお話でルシオラは「このささやかな日常がすぐに崩壊してしまうのではないか」と云う不安感を通り越して、「この日常は遠からず崩壊する」と云う確信めいた想像を得ているのではないか?
彼女自身は運命論者と云うより現実主義者の面の方が強いので、その確信を導いたのは魔族の超感覚か、女性の勘か?(結局形而上学的に結論)。 (Iholi)
- 更に妙な方向に深読み……条件は上と同じ。
否、それ処か寧ろルシオラは「日常の崩壊」を自覚せぬままに、心密かに熱望しているのではないか? 何故ならその日常の存在が危うければ危うい程、束の間であればある程その日常は「きれい」に輝くのであるから。
その願望を喚起するのはアシュ専属魔族の本能的欲求か、感傷や死に憧れる思春期的衝動か?(これまた形而上学的結論)
総論。初期条件が間違っていた場合、議論はその全ての意義を失う(涙)。 (Iholi)
- この空きがいいっすね
凄い雰囲気がでてる
ルシオラも可愛すぎ・・・・・・
・・・・・・と、いうわけで大賛成 (トシ)
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