ザ・グレート・展開予測ショー

新怪談 「トイレの花夫くん」


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(01/ 4/17)

「別の『宇宙の卵』という設定ならこんな世界ができているのだろーな・・・」という空想過程で、
超超珍篇のこんなモノを書いてみました。

           ☆               ☆               ☆

横島の学校では、妙な怪談話が流れていた。
「変な泣き声のする花子さんがトイレに出没するんだけど、それがまたおかしな話なのよ」
という横島の学校の葉月(仮名)さんが、生中継でテレビリポートされていたのだ。
しかも、フジテレビ某番組「レズビアンビリブァボー」の全国ネットである。

           ☆               ☆               ☆

・・・実は、これが放送される前から、学校内ではその手の噂があった。
『除霊委員会』の目安箱に、この謎を解明してほしいという旨の投書が大量に寄せられていた。
だがその放送直後の実態の調査では・・・・

           ☆               ☆               ☆

時間は、25時近くで、その時間学校に除霊委員の4人が集合していた。
ピートの主導権で、横島、机妖怪の愛子とタイガーの順で後ろを歩くことになる。
ひたひたひた・・・・
電気の消された夜中の学校に、4人の足跡が・・・いや、2人の足跡が聞こえる。
愛子ちゃんの机を引きずる音が、タイガーののっしのっしと歩く音を打ち消しているのである。

まずは、1階の男子トイレと女子トイレを手分けして覗く。
無論、愛子ちゃんとピートが女子トイレ、タイガーと横島で男子トイレを見ることになる。
むさい男なんかに乙女の香りをかがせてたまるかという、作者の陰謀である (当たり前だ!) 。
やはり、1階には異常は無かった。
横島の聞いた話によると、
「大震災の際に (シャレではない!) 逃げ遅れていると仮定した場合、上の階層であること」
という条件が付加されるというのである。

次に、2階のトイレだが、男子・女子とも2つのトイレがある。
こちらも異常は無いので、3階に上がった。
そのとき、ごそごそっっ、がたん!・・・と、何者かがトイレに進入したような音が聞こえた。

「しっ!静かに!」
ピートは右手中指・・・・もとい人差し指を唇に当てて縦に立てる (シャレでは無い!) 。
タイガーも、愛子ちゃんを精神幻惑感応で気配を消したあとで、自分の気配を消す。
そして、視力2.0の両目でピートは物音のしたほうを見つめる。

4人は気配を立ちながらも、その音のしたほうに向かって詰め寄っていく。
するり、するり と 「女子W・C」 とかかれている掛け看板の方に近づく。
机妖怪の愛子も、その気配をヒクヒクと鼻でその芳香・・・もとい方向に感じ取っていたから間違いないだろう。

ピートの合図で、4人一斉にドカドカドカ・・・・と、殴りこんで行くよう、なだれ込む。
が、「俺は、テレビスタッフ側から直接、依頼されて来てんだよっっ!」
と取材人らしい声と、その持ち込まれた機材のすれる音が聞こえる。

『ソノトキ』
と、 時ブタ がしゃしゃり出る。
確かに、時ブタ は、フジテレビ系列 「タイムボカンシリーズイタダキマン」 に出てきた一発ギャグメカだ。
フジテレビ上層部が依頼しているというのは、これで4人とも納得した。

『・・・除霊・・・・・して・・・・・!』

花子という幽霊はびくびくしながら、そうも恐れながらいきなり語りかけてくる。
何かにおびえているのは確かだ。これが本当の「言う例」(笑)

『・・・お願い・・・・話・・・だけ・・・・・でも・・・・・・!』
「話ってなんだよ。」

横島は突っ込むのだが、なかなか花子は話を聞かせてくれない。
記憶が停止したままなのだ。
ここに、丁度タイガーがいるので、幻惑精神感応を利用して記憶を読ませてもらう。
幽霊には、プライバシーは無い。
そのところ、間違いなく、阪神大震災で逃げ遅れた女子高生であることは判明した。
しかも、本名が、山村志津子の隠し子・山村貞子を親戚に持つ山村花子という。
それにしても、色っぽくて可愛らしい、花の女子高生だ。


ここで懸命な読者ならわかるであろう。
横島は、真っ先に「除」「霊」と発動するつもりだったのだが、見とれて
「押し倒してみたかったなぁ・・・」と甘い考えを出してしまい、「押」「倒」と文殊を発動させてしまった。
この後・・・文殊の絶対能力の前に、横島が花子を押し倒したというのは言うまでも無い。
3人は目をモノクロ・・・いや、白黒にして驚いている。

「よ・・・・横島さんっ!?」
「すごい度胸ですカイノー。」
「・・・どうでもいーから早く離してくれぇー!」

取材人のテレビカメラが、ドヤドヤしはじめるスタッフを傍らに、これぞとばかりに回されている。
ここで愛子の 「青春だわー・・・」 という決め台詞も聞こえる。

「こ、こうなったら・・・・」

そう横島は言い残し、今度は4つの文殊を出す。
「逃」「避」「行」「動」とするつもりだったのだろうが・・・・押し倒した花子の泣き顔の可愛さの前に言葉を間違って、
心の中で 「か、かわいい・・・・ここここ、この後あの行為に進んじまわねえだろうなぁ・・・」
と自分の衝動的行動の自信の無さに思ってるつもりが、口から台詞として出てしまっていた。

ここまで読んだ人ならもう既にお分かりであろう。
横島は文殊に「避」「妊」「行」「為」と発動させてしまったのだ(笑)。
しかも丁度よく、その横にトイレットペーパーが無かったがために、「紙をくれ」という手が丁度出ていた。
(↑何の紙じゃいぃ!!)
この光景はこれ以上、この私・ささやきリポーターには言い表せませんが、しかも、
この映像が生中継のフジテレビ某番組「レズビアンビリブァボー」という全国ネットに流れてしまったのです。
なおも、モザイクの類は一切なしでね☆

           ☆               ☆               ☆

それ以降、全国各地に花子が出現するたび、大半の人は
「あれは横島忠夫という人の手なんだから、恐れるまでもないや」 という認識が出来上がったのである。
「変な泣き声」というのは、おそらく行為中の声だったのだろう。

・・・・それ以後のことだが、横島が高校に通うたび、新たなる怪談(?)を作った男として
 「花夫 (=花子 + 忠夫)」 と言われるようになったという。

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