ザ・グレート・展開予測ショー

ミットナイト・ダンディ(その8.5)


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(01/ 4/15)

 河童たちは水野とおキヌを取り囲むように集まってきた。
 水野は河童たちを一様に見回す。
「ひさしぶりっぱ、といっても誰だか分からないだろうけど」
 真中に立つ細目の河童が人懐っこそうに挨拶する。
「4年前、おねぇちゃんを助けたのはおいらっぱ」
「本当は皆助けたかったっぱ・・・。しかし我らには奴の念に縛られた者を触れることはかなわなかったっぱ」
「・・・ありがとう、河童さん」
「しかしその顔、かわいそうっぱ。せっかくきれいなお顔しているのに・・・」
「・・・心配してくれるの?」
「おねぇちゃんの心は病んでるっぱ・・・。おねぇちゃんは何も悪くないっぱに・・・」
「己を責めるあまり、か。我らが一族の血を引くゆえか、余りある力を負の方向に向けてしまっているようっぱ。惜しい、実に惜しいっぱ」
腕を組んだつり目の河童が頷きながら言う。
「親族の者としては黙って入られんっぱ。ちなみに明日美よ。私とおまえは24親等に当たるっぱ」
「・・・遠い親戚って奴か。で、河童さんたち、ひとつ聞きたいんだけど?」
復活した横島が上半身を起こしながら河童に話し掛ける。
「なんだ、煩悩の権化たる者よ」
「なんだよそれ!」
「おまえの呼び名っぱ。ちなみにそっちの男は闇と光の混ざりし魂、その巫女殿は陽だまりのごとき安らぎ、っぱ。おまえたちの霊波を読んでそう名づけたっぱ」
「・・・なんだかな・・・とにかく、さっきの落石はどこのどいつが落としたんだよ」
「動物たちっぱ。やつめ、動物すら操れるっぱ」
「奴?」
「地蔵の影にいる外道っぱ。我らをこの地に封じ、あまたの人間を殺し、あまたの魂を食らった腐れ外道っぱ!!!!」
「そいつは魔の類か?」
「元は人魂っぱ。しかし多くの穢れた魂の集合体と化した奴は大悪魔にも匹敵するっぱ!」
怒りをはらんだ声で力説する河童。その目が横島をにらみつける。
「・・・何逃げているっぱ、煩悩の権化たる者?」
河童の腕が伸び、横島の上着のすそをつかんでいる。
「いやぁ、唐巣のおっさんとピートに任せよっかなと・・・」
「こいつ、根性なしっぱ・・・」
子供(?)にすらあきれられる横島。情けない限りである。

続く

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