ザ・グレート・展開予測ショー

ニューシネマパラダイス!!前編


投稿者名:kata
投稿日時:(97/ 9/12)

美神令子除霊事務所に、1件の仕事が入る。
なんと今回は、横島忠夫を指名しての依頼である。

仕事場は、大阪近郊のとある古びた(というより崩れかけた)映画館。
その映画館の映写室に足を踏み入れた横島が見たものは・・・
「と、徹さん!?」
そう、この映画館は、かって大阪に住んでいた頃、横島が入り浸っていた場所で、
そこの映写技師をしていた男、猿谷徹(笑)の幽霊が除霊の対象であった。

徹の幽霊は、別に他人に危害を加えるわけでもないが、
どんな霊能者でも除霊できなかった。おかげで、取り壊しが決まった
この映画館もなかなか工事がはかどらない。おまけに、こんなのが
出るままでは、取り壊した後が厄介だ。そこで、何とか彼を成仏させるべく、
色々調査した結果、彼が事あるごとに話題にしていた少年の名前が判明し、
今回の依頼へとつながったわけである。

横島の脳裏を横切る、徹との思い出の数々。


「徹さん、また来たよ」
「ま〜たおまえか、タダ。映写室には入ってくるなって言っただろう。
 ったく。学校は終わったんだろうな?」


「ねえ徹さん。この女優さんだけどさ、前見た映画より、
 この映画の方が色っぽく見えるよね」
「ガキが何生意気な事・・・おまえ、わかるのか?それが」
「うん、化粧が違うせいかな?
 でも、この化粧ってなんか変だよね。目のあたりとかさ」
「・・・その年でそこまで気がつくか・・・おまえ、只のガキじゃねえな」


「ねえ徹さん、俺にも映写機の動かし方教えてよ」
「こらこら、これはガキのおもちゃじゃねえ!」
「この前、只のガキじゃないって言ったじゃないか」
「あれは女優の見方に限っての話だ。
 まったく、もっと映画全体に目が届けば、おまえは、
 とんでもない野郎になるかもしれねえのに」


「うん、どうした?タダ」
「・・・俺、今度東京に引っ越す事になったんだ」
「・・・・・・そうか、東京か」
「徹さん、俺、夏休みに遊びに来るよ」
「いや、もう来るな」
「え?」
「おまえは、こんなチンケな映写技師に関わっているような男じゃねえ。
 おまえには才能がある。どんな場面でも、女優にだけ目がいっちまうのは
 どうしようもねえが・・・いや、あっちの映画なら、それも逆にプラスになるかもな」
「何言ってるんだよ、徹さん」
「いや、何でもねえ。とにかく、いいか。もう二度とここには来るな。
 もう、おまえとは話さねえ。俺は、おまえの噂が聞きたい」

(続く)


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