星影〜第五章〜“表面:前半”
投稿者名:氷魚
投稿日時:(01/ 4/13)
星影〜第五章〜“表面:前半”
「ふ…ふふふ…で…でけた…」
他人が見たら即警察に通報しそうな笑い顔を浮かべて横島は呟いた。眼が異常に光り輝いている。
彼の前にはいつか香港へ行った時のような魔方陣がでかでかと広がっていた。
「できたのはいいんだが…、君、死にたくなければフィールにイタズラせん様にな。」
飛野は言った。そして小声で
「…聞いてないか…」
と呟いた。
「じゃあ行ってきまあす!」
遠足に行く子供の様にうれしそうに横島は魔方陣の中へ消えていった。
一人残された飛野は呟いた。
「若いという事は…良いな。」
“表面“
魔方陣ごと横島は魔界に沈んできたのだが、
「ここはいったいどこなんじゃあ―!」
…迷っていた。
辺りは薄暗い。全身を嘗め回すような風が時折吹き、いたる所に有る沼ではマカイコザメとおぼしき魚が跳ね回っている。
「そりゃー覚悟はしてたけどよー。ねーちゃんも何もおらんやないかー!」
と横島が暗い空に叫んだ直後。
「あら。」
と声がして女が一人現れた。見ればものすごい美人である。
「飛野のおじいちゃん、今日は来な──」
みなまで言わさずに横島が飛びかかって言った。
「ずっと前から愛してまし──ぐふっ」
その言葉は途中で途切れ、横島は血まみれで半分地面にめり込んでいた。
「また元気いいのが来たわねえ。ちょっと元気良過ぎるかも知れないけど。」
彼女は少しばかり呆れた顔で鉄ハリセンを腰に当てて呟いた。
彼女が、フィールだった。
横島は3〜4回ほど地面にめり込み、でもめげずに口説きつつ歩いていった。
「君のよーな美しい人に巡り会えて、ぼかーも──」
「あら上手。でも──」
「あなたが行くのはあそこよ?」
フィールの白く細い指が指す先には、洞穴があった。今までによくあった洞穴ではない。洞穴の周りに大蛇が彫りつけてあり、入り口が3つ4つある。
「あなたは、右から二つ目に行くといいわね。」
フィールはそう言って始めて、にこりと笑い、
「“生きてたら”また会いましょうね?」
そう言った。
今までの
コメント:
- 逝ってました…。
どうも、氷魚です。なんかここだけ前後分かれてしもうて、すまんコトです。ハイ。 (氷魚)
- がんばれ横島!ふぁいと、だよ(氷魚さんにネタは分かるのか・・・・・)。 (来栖川のえる)
- おねえさん(うっとり)←あほっ!! (hazuki)
- お姉さんの外見的特徴も気に成ります(笑)。でも、もうお別れなんて(嘆)。 (Iholi)
- さすが横島。ここまでされてもめげずに口説きつづけるとは・・・ (かいぜる)
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa