ザ・グレート・展開予測ショー

近未来シーズン!(11)  ー夏6ー


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 4/13)

{8月2日}
その日私は浜辺にいた。
空から容赦なく日差しが降り注ぐ。・・・・私は麦わら帽子を深くかぶって横になった。

・・・・・ヒュウウウウ・・・・・

海から風が吹いてきた。・・・・この広い海をなぞってきた風は心地よかった。

「・・・・・・・・なにされてるんですかー?」
少女の声が聞こえた。私が目を開けると、そこにはさかさまに少女の顔が見えた。
「・・・・・・・・・・」
私はゆっくりと身体を起こす。
「なにされてるんですかー?」
また少女が聞いてくる。・・・・・・だいたい高校生くらいだろうか。
「・・・・・・・・・・・・別に・・・・・・・・・・・・・・」
私は適当な返事をする。
「・・・・・となりよろしいですか?」
私がなにも言わないと、少女は私のとなりに腰を落とした。
「暑いですねー」
少女はそう言って額の汗をぬぐった。
「貴方の名前は何て言うんですか?」
・・・・・・・・しょうがない、答えるか。
「・・・・・・・・・・・・・・タマモ・・・・・・・・・・・・・・・」
「へえーっ。いい名前ですねー。私の名前は紫音といいます」
少女はそう言って軽く頭を下げた。
「で、なにされてたんですか?」
・・・・・・・・・・・・・しつこい・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・別に。昼ご飯を食べようとしてただけだが」
そういって私は袋から「どろり濃厚きつねうどん」というのを取出した。
・・・・・・・・・・・この頃この味が好きな自分が恐い・・・・・・・・・・・
「?・・・・・・お湯はそうされるんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・しまった。・・・・・私としたことがこの暑さで頭がもうろうとしてしまったらしい・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・で、なにされてたんですか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・探し物か・・・・・・・・・・?」
「探し物ですか?」
「・・・・・・・・・・まあ、あるいみな」
仕事だが。
「あんたは何しに来たんだ?」
私はさっきから気になってたことを聞く。
「・・・・・・・私も探し物ですよ」
そう言って少女は空を指さした。
「・・・・・・・・さて、貴方に質問です」
「?」
「・・・・・・鳥は、何故この果てしなく広く、終わりのない空に羽ばたいていくのでしょうか?」
「・・・・・・・・・・?」
「答えは・・・・・・・・・・この景色。鳥さん達はこの美しい町並みを、自然を見るために空に羽ばたくのです。・・・・・・・・そして終わりのない旅を続けるのです」
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・・えへへ。変な人だと思いました?・・・・・・実は昔、私鳥を飼っていたんですよ。1週間もない短いつきあいだったんですけど、最後にこの大空に羽ばたいたあの姿は今でも覚えているんですよ」
そういって少女は少し恥ずかしそうに微笑んだ。
「・・・・・・・・・すいません、変なこと言ってしまって。じゃ、私そろそろ行くので・・・・・」
そう言うと少女は立ち上がった。
・・・・・・・・・雲が流れていく・・・・・・・・。この少女の探し物とはなんなのだろうか?
「・・・・・・・・では、また今度」
少女はそう言うと向こうに歩いていった・・・・・。
・・・・・・・・・・今度?
面白い少女に出会ったもんだ。

     


            ・・・・・・私は明日ここに来てもいいなあと少しだけ思った・・・・・・


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