ザ・グレート・展開予測ショー

横島の自立(6)


投稿者名:ノンチ
投稿日時:(01/ 4/12)

横島は霊服に着替えると、異界空間に足を踏み入れた。
目の前には見渡す限りの地平線と武舞台があるだけだ。
「よう横島待ってたぜ。」
昨日とは打って変わった雪之丞の表情。
どこか寂しげで、それでいて陽気にも見える。
「ああ、待たせたな。だが何だってこの場所を選んだんだ。」
「俺達の戦いを誰かに見届けてほしいからな。それが神様なら
 それ以上ない人物だろ?。」
「まあ、おまえらしいな。」
二人は武舞台の上で対峙し、その間に小竜姫が立つ。
「いいですか、これはあくまで試合形式です。もし万が一、相手の命を
 奪おうとすれば、私が力付くでも戦いを止めます。」
「俺は、それでも構わないぜ。なあ横島。」
「・・・・・そうだな。」
今ある文珠は五つ、多用は出来ない。
「始め!!」
ばッ!!
小竜姫の掛け声がすると共に二人は戦闘態勢に入った。
「おおおおっ!!」
雪之丞はいきなり魔装術を使った。
外見上に変化はないが、霊力は前とは比べ物にならないほど強い。
お互いに戦う手は知り尽くしている分、うかつには攻められないのか
二人の硬直状態が数分続いた。
「行くぜ!!」
じれてきたのか、雪之丞が先手を打ってきた。
ドッ!!
青白い帯状の閃光が横島めがけて放出された。
しかし、たいした威力ではない。
小手調べのつもりか!?
「栄光の手!?」
横島は霊波刀で受け止め、閃光を断ち切った。
そのまま攻撃を仕掛けようとしたが、雪之丞の姿が視界から消えた。
それと同時に、背後から殺気を感じた。
「後ろか!!」
体を反転させ、霊波刀を振った。
ヒュ!!
手応えがない。霊波刀は空を切ったに過ぎなかった。
「甘いんだよ!!」
その声は上空から聞こえた。
雪之丞は着地をするより速く、するどい指先を横島めがけて振り下ろした。
「くっ!!」
ズガシャ!!
身を引いてかわしたかに思えたが次の瞬間、
パサ!
ポタ、ポタ、ポタ!
愛用の赤いバンダナが地面に落ち、変わりに赤い血が額から流れ落ちた。
まともにくらっていたら死なないまでも、致命傷になっていただろう。
・・・・・強い!!
「何、ぼけっとしてやがる!!」
雪之丞は霊波のこもった右の拳をみぞおちに繰り出してきた。
「なめるなあ!!」
横島はそれを左手で受け止め、右手の霊波刀を一閃した。
ズガ!!
「な!?」
驚いたことに雪之丞は避けようとしない。
霊波刀はまともにとらえた。
「それが、おまえの実力か?。」
効いていない。雪之丞は平然とそう言い放った。
鎧には傷一つ付いていない。
「がっかりさせんなよ!!」
雪之丞の霊力が更に上がり、左手で霊波を放った。
この間合いでは避けられない。
「文殊!!」
キン!!
(盾)の念を込めた文殊を一つ使った。
間一髪で防ぐことができたが、雪之丞の強さは予想よりはるかに上回っている。
だが俺は負けない、負けるわけには行かない。

                          ・・・・・・続く

  (次回、激闘偏をお送りします。)

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