ザ・グレート・展開予測ショー

極楽大作戦 de 時代劇 第弐幕 巻之伍


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 4/12)

敵陣に乗り込むのは令子姫、和宏和尚、同心筆頭の関俊介、祈祷師エミ、それに黙認であるが西欧に詳しいめぐみが連なる。
当初入っていたおしろ(シロ)は城代に向かうことになった。仕事の為である。
「拙者も行きたいので御座るが、ご城代(御城)に戻らぬと行かぬ故、失礼するで御座る」
この判断が後に正しかった事が証明される。
「時にめぐみ殿はどのような獲物(武器)を?」
これです、と照れながら見せるのは箒である。
さて、昨日までは秋といえど真夏日さながらであったが、
「今日は妙に冷えますね。和尚」
「だから、息を吹きかけないでくれ。同心殿」
この行為が場を和ませるにはもってこいではあるが、やられる本人は気味が悪い。
「あの男は念者(ホモ)なワケ?」
「違いますよ。エミさん。僕には許婚がいますよ」
「苦労するワケね。嫁さんは」
よめさんと言えばと関、
「貴方がお気に入りの比延蕩にも熱を入れてる娘がいましてな」
「ふ、ふーん」
明らかに動揺するエミだ。関のささやかな仕返しであろう。
どこか野遊び(ピクニック)の雰囲気を持つ4人であるが、一里塚を示す松の木を過ぎると邪悪な気配が増した。
「これから先が敵陣のようね」
令子姫、剣の柄に手を添える。いつでも抜けるようにする配慮だ。
和尚、関、めぐみ、それにエミもそれぞれの方法で気合を入れなおす。
皆一流の霊能者だ。その仲でも察知の能力に優れているのは祈祷師であるエミだ。
「松の上何か有るワケ!」
言葉に反応したのは令子姫だ。
「斬!」
気合と共に霊力を剣から鞭に変換して攻撃を加える。
ぎゃ、と断末魔が聞こえた後に筋肉達磨のような悪鬼が一匹落ちてくる。
経文攻撃を試みる和宏和尚なので、質問は同心筆頭の関である。
「何者なの?貴様は」
「やるなぁ・・。俺の名は・・」
原作では、美神令子を狙うもワルキューレさんに殺されたあいつだ。
名前は無い。しょうがないので見たまんまの詑亜実寧他(ターミネーター)としよう。
「俺の名は詑亜実寧他だ」
「ふーん。悪鬼の筋肉達磨ってはじめてみたよ」
確かに体力はありそうだ。だが霊力となると、ワケが違う。
「みんな臥せるワケ」
呪詛を唱えていた祈祷師エミの霊体消滅波と和宏和尚の聖属性の呪文だ。
更に勢いを増すためにめぐみも箒から純粋な魔力を放出する。
「聖魔合同覇動!!」
すさまじい光が詑亜実寧他に直撃する。
「なんのこれしきぃ!」
ふんばろうとするが単なる攻撃ではない。物体の大小に関わらず性質上物体を消滅出来る技だ。
「フンガ、ギャラーー」
お空の星になる事も無くそやつは消えていった。
「雑魚は雑魚なワケ」
あまりにも不憫な終りであった。と、風に紛れて妙な日本語が聞こえる。
「サッスガですねぇー」
「真打登場ってトコかな?」
皆先ずは霊力を使って防御に廻す。風の音に不気味な音楽が混ざる。
「この音をマトモに聞くと子供になっちゃうのね」
念で防御壁をつくりながら関が分析をすると、
「はい、そうで御座います。同心様」
めぐみは箒に魔力を込めて防御壁にしている。
「あら、ワタシに詳しいのがイルの?」
馬醫羽が驚くのも無理は無い。
「ねぇ、そろそろ姿を現したらどうなのよ、それとも見せられないぐらい酷いツラなの?」
姫の言いぐさに怒りを覚えたのであろう。
「ナニよ!じゃあワタシの姿をみせるわ!」
顔ピエロに手足が浮いているという姿を見た時に日本人はどう思うであろうか。
「ぷっ!」
あまり笑わない和尚がである。笑いを堪えている。
「な、なんちゅー姿なワケっ!」
「わははあははははは!傑作な顔ねぇ。わははははっは」
令子姫は腹を抱えて笑っている。
「おまえら〜ナニがおかしいんだぁ!」
それは顔だと関も苦笑を隠していない。そんななかでも、
「皆様、御気を!こんなツラ構えで、能力はあなどれません」
怒りに任せて霊気で攻撃をするが、物の数ではない。
「そうね。でも子供にする以外はたいして力はないみたいね」
だが、この子供化をするというセコイ能力はあなどれないのも事実だ。
更にだ。
「ふふふ。こいつの恐さが解ってるとは以外だわぁ」
何も無い場所から親玉である芽道邪が登場する。
「なんと!」
敵も然る者と驚くは和尚の和宏である。
「だってあんた達は今のところ防御のみでしょ?私も血しぶきは大好きよ」
これは不味い状況だ。
「どうするワケ?みんなでアイツをやっちゃう?」
そうすると子供化になるのは目に見えている。
「二兎追う物はですが、今はどっちを狙うべきで?」
和尚の疑問は関が解く。
「強い奴よりも今は弱い方が優先です、一気に馬醫羽を狙いましょう!」
相談は決まったが、
「でも失敗すると全滅ね」
脂汗がにじみ出る令子姫だ。芽道邪とて無能ではない、人間の結界内に入る真似はしない。
崩壊は若者の暴走であった。
「関様、此方でしたか!助太刀致します!!」
関所で救護の任にあたってるはずの武等都(ピート)がやってきた時であった。
「武等都君、来てはならない!」
和宏和尚が嗜めるが勢いの攻撃が増している。
「芽道邪か!!覚悟」
「御待ち下さい!武等都様、そやつを殺しても子供化された者は治りません」
えっと、振りかえるのが不味かった。
「ばーかめ!」
目一杯子供化する魔力をぶつけたと思ったその時、
「皆逃げろ!」
剣を抜刀して馬醫羽に向かったのは関である。頭に向かって一直線にである。
継いで出たのはエミである。捨て身での芽道邪攻撃だ。
「痺れをきらしたか!」
馬醫羽への頭攻撃は思った以上に効果があった。
しかし、芽道邪への攻撃はまったくの意味はなかった。
「ぎゃ!」
目玉を突き破られて子供化する力が弱くなったのに大して、
「くく。自ら結界を崩すとわね!」
祈祷師エミを足蹴にして満面の邪悪の悦びを顔に出す。
「さぁ、今度は誰だい?」
「逃げましょう、この二人を相手するには準備が足りません!」
「そ、そんな!めぐみさん」
「くやしいけど、その通りね」
有無を言わさず箒にまたがり武等都の首根っこを捕まえる。
「聖霊石、煙幕を!」
廻りを霊的に加工した煙を出してエミを助けると逃げ出す。
「しまったわ、でもあの祈祷師とやらあんたの魔力を浴びたわね」
片目を潰されても尚、少しだけ魔法を出しつづけていたらしい。
「えぇ。芽道邪様、でもこいつは」
関はどのような呪文を使ったのであろうか。自らを石化したのだ。
「敵ながらあっぱれね。首でももぎとろうかしら?」
いくつかの攻撃を加えたが、傷一つ付かなかった関の石仏であった。
「ふふ、まぁいいわ。近いうちに美神藩に乗りこむわよ、それまでに怪我をなおせよ」
「おおせのままに」
この戦い、分は芽道邪にあったようだ。

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