ザ・グレート・展開予測ショー

『東都大学物語』


投稿者名:まきしゃ
投稿日時:(01/ 4/11)

4月… 東都大学
(ああ…、おらもとうとう、東都大学に入学できたんだなぁ〜
三浪もしちゃって、親には迷惑かけたども、これで胸はって田舎さ帰れるだよ。)
三浪の末、ようやく東都大学に入学した木下秀人。
浪人中は横島のアパートの隣室に住んでいたのだが、合格後は学生寮に引っ越していた。

(さあて、勉強に明け暮れた3年間だったで、少しは羽根を伸ばしてもいいだべな?
おらも、サークルさ入って、学生生活をエンジョイするだよ。
ま、おらの趣味から言ったら、入るサークルは一つしかないけんどな。)

木下が訪れたのは、昆虫研究会の部室…
「あの〜、失礼しますだ…。 おら、このサークルに入りたいんだども…」
「ん? 新入生かい? おっけい〜 こっちに来て、名前とか書いてくれる?」
「わかりましただ。」

部員の前田に差し出された紙に、名前や出身校を書き込む木下
「でも、新入生の割には、見た目がずいぶん老けてるなぁ〜。 やっぱ浪人したの?」
「んだ。 おら、三浪してようやく合格しただよ。」
「三浪かぁ〜 まあ、うちの大学はそんなに浪人生は珍しくないけどね。
ってことは、俺より1こ年上になるんだなぁ〜
俺、3年の前田っていうんだ。 よろしくなっ!」
「おら、木下といいます。 こちらこそ、よろしくお願いしますだ。 これ、書けましたども。」

「ふ〜ん、木下くんは、F県出身なんだ〜」
「んだ。 先輩にF県出身の人がいれば、心強いんだども…。」
「お〜い、丹羽〜。 うちにF県出身の奴って、いたっけ〜?」
「ん〜、F県出身〜? 誰かいたような気はするんだが…」

「あっ! おい、4年の織田さんってF県出身だったんじゃね〜のか?」
「うっ…! そ、そうだ…。 織田さんだ…。」
「織田さんって… もすかして、織田信子のことだか…?」

「な、なに〜? おまえ、織田さんのこと、知ってるのかぁ〜っ!?」
「やっぱり、そだったか。 知ってるもなにも、高校時代の同級生だっただよ。
部活も同じ生物部で、彼女が部長で、おらが副部長だったんだぁ。
あ〜、のぶっちがサークルの先輩だったなんて、おら、ついてるだなぁ〜」

「の、のぶっちっ!?」
サァー… 顔面蒼白になる、研究会の部員たち…
「ん…? どうしただか…?」

噂をすれば影。 のぶっち、こと織田信子と、同じ4年の斎藤道子が部室にやってくる…
「どお〜、みんな〜。 新入生の勧誘はうまくいってる〜?」
「あっ… はい… 織田さん…」

「えっ? 織田さん? おめさ、のぶっちだかっ!?」
「えっ!? き、木下くん…?」
「やぁ〜、やっぱ、のぶっちだっただか〜 あんまりにも綺麗になってたで、
すぐには、わからなかっただよ。 いんや〜、久しぶりだな〜」

「うっ…!!  イ、イヤァ〜〜〜〜っ!!」
ドタドタドタァ〜〜〜ッ!! 入ったばかりの部室から、飛び出していった織田信子…

「な…、なして…? おら、何か気に障ること言っただか…?」
「いや…、そうじゃない…」
「まあ、君が悪いわけじゃないんだけどね…」
言いにくそうにしている、前田と丹羽…
苦笑していた斎藤道子が口を開く…

「君は、信子のことを知ってるの?」
「お、おらだか? んだ、高校時代の同級生だ…」
「そっかぁ〜、それならなおさらだわね〜 (くすくすっ)」
「ど、どういうことだべ…?」

「信子はね〜、大学入学当時は、すっごくなまりがあったのよ…。 今の君みたいにねっ!」
「ま、まあ、方言だで、しかたねだが…」
「その方言のせいで、彼女、いろいろと苦労したのよ。
特に、彼女の憧れの先輩に方言のことでからかわれて、ずいぶん傷ついていたわ。
あと、服装や化粧なんかも地味だったんで、田舎モノ扱いされちゃって…
それで、ある日突然、都会人になるんだっ!なんて宣言しちゃって、自分の周りにいる人間に、
方言禁止、野暮な服装禁止を押し付けるようになっちゃったの…」

「そ、そうだったんだべか…」
「俺たちも、入部したてのときは苦労したよな〜?」
「うんうん…」
「俺と丹羽とは、同じ愛知県出身なんだけど、二人でいると、つい方言が出ちゃってなぁ〜」
「前田に、『おみゃ〜、今夜は、どないするが〜? 飲みに行けせん〜?』
と言っちゃったときの、織田さんの鬼のような形相、忘れられんがや…」
「うんうん。 どえりゃ〜、おそがいかったにゃ〜…」
名古屋弁がついつい出てしまう前田と丹羽…

ズンズンズンズンズンッ!!  ドギャンッ!!
鬼の形相をした織田信子が、乱暴にドアを開け、再び部室にやってくるっ!!
「前田っ!! 丹羽っ!!」
「わっ!? 織田さんに聞かれちゃったっ!?
す、すいませんっ! も、もう、方言は使いませんので許してくださいっ!!」

「なに〜っ!? 方言をまた使ったのかっ!? そのお仕置きは、あとでするっ!
それより、貴様ら二人には、別の仕事を与えるっ!
木下くんの方言を矯正することと、田舎臭さを取り去ることだっ! いいなっ!?」
「ははぁ〜〜っ!!」

「のぶっち… 話は聞いただが… でも、おめさ、それはないでねの?
おらの知ってるのぶっちは、もっと、こう、にこにこして明るかっただが…」
「き、木下くんっ! わ、私に、話しかけないでくれるっ!?
わ、私は、もう都会の人間なのっ! 田舎モノではないのよっ!?
あ、あなたに話しかけられると、おらまで方言さ出ちまうで…
うきゃぁ〜〜〜っ!? おら、方言使っちゃっただかぁ〜〜〜っ!?」
「あああ…、信子…」


なにやら、賑やかな学生生活を送れそうな木下であった…。

---end--------


こちらでは、おひさです。
マイナーキャラ列伝シリーズ(他称)で、浪人さんに挑戦してみたんですが見事撃沈。
キャラ名を「木下」にしたせいで、話が暴走してしまい収束できなくなっちゃいまして。
で、未完作品をゴミ箱に捨てる前に、冒頭部分だけは救っておこうと思った次第。
ま、時期的にはぴったりのネタかなぁ〜と。

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