ザ・グレート・展開予測ショー

近未来シーズン!(10)  −春U−


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 4/10)

その日も彼女はそこにいた。ベンチに座ってまた子供たちを眺めていた。
こんなに心地よい風が吹いているのに・・・・・・・・・・・・彼女の心は?
「ねえねえ」
声が聞こえる。気が付くと、あの少女の目の前にもう一人の少女が立っていた。
「なにしてんの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
その質問にあの子は答えようとしなかった。
「・・・・・・・・・・ひまならさ、一緒に遊ばない?」
「・・・・・・・・・・・・・」
俺には人間の言葉はほとんど分からない。・・・・・・・・・・・だが、一瞬だけあの子が嬉しそうな顔をしたような気がした。
「・・・・・・・・・・だめだよ・・・・・・・・・・・・・・・」
あの子は浮かぬ顔でそう答えた。
「・・・・・・・・・・・・?今暇なんでしょ?なら一緒に遊んでよ?」
「?わっ!」
そう言ってもう一人の少女はあの子の腕を引っ張った。
「ちょ・・・・・・ちょっと・・・・・」
「あなた、名前はなんて言うの?」
少女が話し掛ける。
「・・・・・・・・・・・めいこ・・・・・・・・・ろくどうめいこ・・・・・・・・」
「ふ〜ん。私はね、みかみれいこって言うの。よろしくね!」
それでもめいこという名の少女は浮かぬ顔をしている。
・・・・・・・・・・・・・なにが君をそうさせるの?

ヒュウウウウウウウ・・・・・・・・

風が二人を包み込む。何があの子の不安なの?なにがあの子をあんなふうに暗くさせるの?
・・・・・・・・・・・・・俺はそのことを知りたくてめいこについていくことにした・・・・・・・・・・・・・



「じゃあさ、すべり台すべろっ!」
れいこと呼ばれた少女がめいこに提案する。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
めいこは何も語らずただただ、下を向いていた。
「・・・・・・・・?すべれないの?じゃあさ、私が見本を見せるから後で一緒にすべろっ!」
相変わらず元気に言うれいこ。何故彼女はめいこに何も聞かないんだ?だまっていることが不思議ではないの?
・・・・・・・・・・・・・・・・・人間という生き物はわからないものだな・・・・・・・・・・・・

タタタターっ

れいこが滑り台を登っていく。
「じゃ、今からすべるから見ててね!」
れいこが一番上に着いてそう言った。・・・・・・・・・だが、めいこの返事はない・・・・・・・・。その時だった。
「どけ、ここは私達のだ」
さっきまで砂場で亜産でいた少女たちが気が付くと滑り台の上にいた。
・・・・・・・・・・一瞬の・・・・・・・・・・出来事だった・・・・・・・・
「え?きゃっ!」
れいこはそのまま突き飛ばされて宙に舞った。
「れいこちゃんっ!?」









                      助けなきゃっ!











会ってまだ十分程度しかたっていない少女。だけど彼女は・・・・・・・・・・・・



      私に話し掛けてくれて・・・・・・・・



私が何も言わなかったのに・・・・・・・・・



      私と一緒に遊ぼうとしてくれて・・・・・・・・



今私が助けなきゃ・・・・・・・・・



      だけど・・・・・・・・私には・・・・・・・・・・・・・


















「出てきて〜、インダラちゃん〜!」
バシュッ!影の中からウマのようなものが飛び出すた!

・・・・・・・・俺が目を開けると、無事立っているれいこの姿があった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
れいこは何をされたのか分からないといった表情できょとんとしている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
めいこはさびしそうな顔をすると、一言・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・じゃあね・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう言って去ろうとしたが・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・?!ちょっと待ってよ。今から遊ぶんじゃないの?」
「・・・・・・・・・・今の・・・・・・・・・・見たでしょ?・・・・・・・・私・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」






                     バケモノだから


最後は声にならなかった・・・・・・・・・・。
だが・・・・・・・・・・・
「何いってんの?すっごいじゃない!私あこがれちゃうなあ、そういうの!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
不思議そうな顔をしているめいこにれいこが答える。
「だってさ、その力で私を助けてくれたんでしょ?すごいじゃない!私なんかにはとてもできないけど、うれやましいなあ、そういう能力」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」



うらやましい・・・・・・・・・・・・・?



私の・・・・・・・・・この能力が・・・・・・・・・・・?



私の中で・・・・・・・・・・・なにかが・・・・・・・・・・・・・









生まれた。










       

































                「ねえ、次、なにしようか?」

            「う〜ん・・・・・。れいこちゃんに任せるよ」

              「じゃあね・・・・・・砂場で遊ぼ!」




               












                 手をつないで歩こう

                  二人で行こう

                  二人はもう友達

                この手はもう離さないよ

                    ほらね

                  仲間がいれば

               この世界はこんなに楽しい














二人の少女は俺に背を向けて走っていった・・・・・・・・。
世界中あふれる思いを・・・・・・・・
一筋の風が運んでいく。
足元で桜が舞った。
輝かしい二人を祝福するかのように・・・・・・
いつか願いはかなう日が来る
みんなの楽しい笑い声が聞こえる
二人は今度は・・・・・
さよならのない旅をする












                   またな





俺は静かに二人に背を向けた。
人間という生き物は面白いものだ。
・・・・・・・・・・俺は空に向かって羽ばたいた・・・・・・・・・・・






































                     「ねえママ?」

                      「なあに?」

                  「どうして人は飛べないの?」

                    「それはね・・・」


















































            
                        大切な仲間がこの地上にいるから







また・・・・・・・・・・・・・桜が舞った・・・・・・・・・・・・・・・






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