ザ・グレート・展開予測ショー

魔剣(9)


投稿者名:トシ
投稿日時:(01/ 4/10)

シーンとした空気が・・
雰囲気が流れる
「・・・・・・・・・・」
観客はスタンの剛技に声も出ない
「横島さん!!横島さん!!」
鬼娘はひたすら名前を叫びつづける
ちょうど下には横島がいるから生きていれば聞こえているはずだが
「・・・・くっ・・・・・・・・・」
とスタンはよろめき・・・・
ドボドボ!!
と嫌な音を立て内蔵が吹っ飛んだ腹から流れ出てくる
「うあっ!!」
地面に倒れこむ
「ぐっ!!・・・・・・・うううう・・・・・・」
ひたすらもがく
「・・・・・・・」
横島は相変わらず死んでるのか死んでいないのか解らない
ただ黙っている
「・・・・・・・・・・・・ぐはっ!!」
とスタンは最後に吐血をし、動きを止めた
力が抜け手は地面にもたれかかる
「え・・・・・・えー・・・・・・・・・・・・・」
我龍鬼は少し間をおいて
「引き分け!!」
の一言
会場はブーイングで一杯になる
そりゃあ観客からすれば引き分けなんて面白くない話だ
だが・・・・・
「!!」
会場の全員の目線が1人の男に集中した
なんと壁の穴から横島が出てきている
「・・・・・・・・う・・・・・・・・」
よろめいているがきちんと立ち上がっている
「・・・・・・・・ゴホ!!」
血を吐きつつも歩く
目標はなかったが歩いた
観客の先ほどまでのブーイングが喜びの声に変わる
ワーワーワーとうるさいほど
「この場合は・・・・どうなるのでしょうか・・・・・・」
と我龍鬼
「アイツの勝ちに決まってんだろーがよお!!」
と観客
「う・・・・・・・そうですね、勝者横島!!」
この一言で観客の声がさらに大きくなる
「・・・・・・・く・・・・文殊・・・・・・・・」
横島は文殊に「大回復」と念を込める
「・・・・・・うぅ・・・・・・・・・・大分・・・マシ・・・だな・・・・・・・・・・」
文殊をさらに発動させた
スタンに文殊を当てる
すると内臓がスタンの体の中で作られていくのが解った
見えるからだが、それにしてもなんという効力だ、横島の技は・・・
スタンの回復力もあったのだが
「・・・・・・う・・・・・・・」
スタンの目が開けられた
「はっ!!俺は・・・・・・・・・う!?」
少し起き上がったものの完全に治ったわけじゃない為激痛は感じる
「・・・・・・・・・・大丈夫か?」
「ああ・・・・・・・・・・だがいいのか?俺のために力を消費して・・・・」
「俺は人を殺したくはないって言ったはずだぞ?」
「・・・・・・・・・そうか・・・・・・」
とスタンはうっすら笑い体を反転させ仰向けになった
「・・・・・・まだ動けそうにないな・・・・」
と赤色の空を眺めながら
「・・・・・・そうだな・・・・・・・・・・・・・くっ!!」
横島は倒れかけ、手で地面を抑える
「・・・・・・俺もちょいと限界かな?」
意識が朦朧とし、倒れそうになるが
「?」
誰かが支えてくれた
「・・・・・・・誰だ・・・・・?」
「あ、私です、横島さん」
鬼娘だ
「大丈夫ですか?って大丈夫じゃないですね、」
と横島の肩に手を回す
「この先に治療室があります、そこでゆっくりしましょう」
「・・・・・・・・・すまん・・・・・・」
横島は鬼娘に体重をかけ、歩行の手助けをしてもらう
「・・・・・・・・俺はどうしようかな・・・・・・・」
動けぬままのスタン
誰か助けてやれ・・・・・・・・
横島と鬼娘はワープの穴に入りホールに出た
「ん?どこに治療室が?」
「あ、ちょっと待ってください」
と鬼娘横島を壁にもたれさせてから受け付け場で何かゴソゴソと探し出した
「あ、あった!!」
とカギを見て笑う
「・・・・・・?」
「すいません、さ、行きましょう」
「・・・・・・・何処に?」
「とにかく!」
と鬼娘は横島を再び担ぎ、トーナメント表行きの穴まで歩く
そしてその穴の横の壁をじーっと見始めた
「あったあった、ここだ」
先ほどの鍵を密かにあった鍵穴に差し込みひねる
するとガチャという音が鳴りゴゴゴと思い音を立て壁がずれていき、同じようなワープの穴が出てきた
「私ここあけて仕事終わりなのに忘れてた♪」
と高く、可愛らしい声で横島に笑いかける
「おいおい・・・・・・・・・忘れてたってなあ・・・・・」
と横島も笑ってみせる
今はケガをしているためこんな反応しかできない
「さ、中に入りましょうか」
「ああ・・・・・・そうしてくれ・・・・・・」
と2人は穴の中に入る
着いたのは見るからに治療室といった感じだ
ベッドが三つおいてあり、リンゲル液や包帯やガーゼや消毒液やらが入っている棚
そして妙な形をした機械がふたつ見える
相当大きい部屋だった
「えーっと・・・・・・・・」
と鬼娘は辺りを探し始める
「あ、俺そんなたいそうな治療しなくても良いから・・・・・・」
「え?だって横島さんの力でさっき治療しててもまだ重傷じゃないですか」
「だったらまた文殊を使えばいいさ」
「文殊?ああ、それ文殊っていうんですか、今作れるんですか?」
「今は文殊作れないけど、時間がたてば作れるようになるさ」
「じゃあその時間を早める為にちょっとした治療でも・・・・・・・」
「ああ・・・・・それを頼んでいいか?」
「もちろん!!」
と鬼娘は横島を椅子に座らし、自分も近くにあった椅子を持ってきて横島の側で座る
「で?どうするんだ?」
「私がヒーリングしますので・・・・・・・・・」
「え!?君ヒーリングできるの!?」
「はい、そんなに強いヒールじゃないですけどね」
「へえ・・・・・・凄いなあ・・・・」
「いえいえ・・・・・・・・」
と鬼娘は一瞬照れ隠しのようなしぐさをしヒーリングを始めた
「・・・・・おおおおお・・・・・・・効く効く!!」
「良かった・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・なあ・・・・・・・」
「あ、はい!?」
「君始め凄く俺のこと避けてたように思えたんだけどどうしてそんなに優しくしてくれるんだ?」
「え・・・・・・・いや・・・・・・・最初会った時はいきなりあんな事されて嫌だったんですけど・・・・・・・・でも段々いい人だなーって思うようになってきて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そっかー・・・・・・・・・でもなんでいい人と?」
「・・・・・・・わからないです・・・・・・・なんとなく」
「・・・・・・・・」
横島はその時
俺ってモノノケの類いに好かれる体質なんだよなあ・・・・・
と思いだした
「ま、まあいいや・・・・・・・・・・・・・・・それにしても嬉しいなあ、君みたいな可愛い子が優しくしてくれるなんて・・・・・・・・・・・」
「え・・・・・・・・・い、いやですわ!!そんな事!!あはは!!ははははは!!」
明らかに様子がおかしい
でも横島はこのとき気にもしなかった
そうとうケガで参っているのだろう
「それに君、俺が気失ってる時、必死に名前呼んでくれただろ?」
「え?あ、はい、あの時ですね!」
「俺その声で目覚ましたんだ、だから今の試合で勝てたのは君のおかげでもあるっていうわけ」
「え!?そうなんですか!?・・・・・・・・・・・・・・そっかー」
と嬉しそうな顔で下を見る
「・・・・・・・・・・・・ありがとうな」
と横島
「え!?ああ、はい!!ありがとうございます!!」
「お前がお礼してどうすんだよ」
「あ、そうでしたね」
笑いあう二人
いい光景だ・・・・・・・
「あ、もういいや、大分霊力も回復したし!!」
「え?そうですか?」
「おう、ケガも大分治ったみたいだ!サンキュ!!」
横島は文殊を使いさらに体力を回復させる
「・・・・・・・・・・・ふう・・・・・・・・・・・」
もう全快だ
「でもあんな戦いがずっとつづくのか?・・・・・やれやれ・・・・・・・・・・」
「大丈夫です!!横島さんならできます!!」
と横島の手を握る
「え?そっか?いやー、嬉しいなあ、あははははは!!!!」
横島も体力回復したので発情できるのだが・・・
あえてしなかった
何故か・・・・?
・・・・・雰囲気的には美神っていうよりおキヌっていった感じだからか?(どういうこっちゃ)
横島でも襲いかかれるような雰囲気じゃなかったのだろう(作者もよくわかんねー)
「じゃあ俺部屋に戻るよ」
「そうですか」
横島は治療室を出ようとしたが
「あ、君の名前聞いてなかったね」
「麗鬼です!!」
「・・・れいきちゃん?」
「はい!!」
「また会おうな、麗鬼ちゃん」
「横島さんも、見かけたら呼んでくださいね?」
「ああ、それじゃあ」
と横島は出て行った
「・・・・・・・・・横島さん・・・・・・」
麗鬼
鬼族
当時17歳
初恋の相手・・・・・・・人間・・・
横島忠夫であった・・・・・・

===続きますよー・・・・・・ふぅ===

この話かなり長くなりそう・・・・・・・・・・・・

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