ザ・グレート・展開予測ショー

ライヴ  −約束ー


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 4/ 9)

           彼女にあいたい?
       
        彼女のぬくもりを感じたい?

         彼女と一緒になりたい?


















その日俺は待ち合わせをしていた。俺は制服を着替えると急いで待ち合わせ場所へと向かった。
「・・・・・・・・う〜む」
時計を見ると12時55分。今日は午前授業だったのでこんなに早いのだが・・・・・
「待ち合わせの35分前に来てしまった・・・・・・」
気合が入りすぎたのだろうか?
俺はとにかく時間をつぶそうと近くのコンビニに入ろうとした。
・・・・・・が、その時、
「ヨコシマ〜っ!」
聞き覚えのある声。愛しい声。絶対に忘れない声。
「ルシオラ!」
俺は返事をすると手を振った。
「ごめんごめん、待った?」
「待つわけないだろ?第一まだ約束の30分、前じゃないか?」
「てへへ。ほんとはヨコシマより早く来て隠れてようとしたんだけど」
そう言って彼女は舌をぺロっとだした。
彼女のその仕草一つ一つが・・・・・俺の心に染み渡る・・・・・。
「で?今日はどこに行くんだ?」
「ふふ。実はもう決めてあんのよ」
「ふ〜ん。で?どこにするんだ?」
「ずばり!今日は動物園に行きましょう!」
「動物園〜?」
どういう風の吹き回しだ?ルシオラは実は動物好きだったのか?
「・・・・・・・だめ?」
ルシオラが俺の腕にからみついてくる。・・・こうなっちゃ男(漢)として断れないだろ。
「ああ、別にいいんだが・・・・」
「ほんと?実は前から行きたかったのよね〜」
本当にうれしそうな笑顔をこちらに向けてくる。

俺は彼女と腕を組んで歩いている。道行く人は俺たちの横を通るたびにちらりと俺たちを見てくる。・・・・・フッフッフ。当然だろう。サラサラとした髪に目鼻だちの整った顔。そしてお似合いの白のワンピース。ずばり「かわいい」のである。ついこの間までは立場が逆だったような気がするが、今の俺は過去の俺とはちがうのさっ!

「わ〜、かわいい!」
となりでルシオラがアシカを見ながら歓喜の声をあげる。俺はふと隣を見る。・・・・・・・・・・どこからどう見ても隣にいるのはただの「女性」にしか見えない。・・・・・・・俺は彼女が喜んでくれたので来てよかったなあと素直に思った。

「ねえねえ、ここに入ろうよ〜」
日も沈みかかってきたころ、一通り全部を見終わった俺たちは、最後に「小動物園」というのに入ることにした。
俺たちが中に入ると、中のうさぎたちは一瞬硬直したが、そのまま何も気にせず自分のしたいことをやっていた。
「ねえ、抱いてもいいかな?」
ルシオラが俺に聞いてくる。
「いいんじゃねえのか?っていうかそういう所だと思うし」
と言って俺はあいまいな返事を返す。
「うふふ。かわいいねえ」
俺の目の前にいる少女はなにも不安がないような笑顔をしている。彼女の幸せが俺の幸せ。このまま時が止まればいいのに・・・・・・。ありきたりな言葉。だけどそれが俺の願い。彼女と一緒に本当の幸せを見つけたい。・・・・・・・・・・本当の・・・・・・・・・幸せを・・・・・・・・・・・。
俺が気が付くと、彼女は二匹のうさぎのまえで座っていた。・・・・・・・なにしてるんだろう?俺が近づこうとすると・・・・・・・
「・・・・・・・・・いいねえ、あなたたちは・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・寂しそうな声?・・・・・・・・・・どうして・・・・・・・・・?
「・・・・・・・・・・・・・・・ずっと・・・・・・・・・・・・・・・・・」







             二人で幸せでいれて






・・・・・・・・・・・・・・わかった。俺には、なにもかも・・・・・・・・・・・。
彼女の心。彼女の不安。すべてがわかった。彼女と俺の間の壁、「アシュタロス」・・・・・・・・。まだ生きているのかも分からない。もしかしたらもういないのかも知れない。・・・・・・・・・・・・・・だけど二人の幸せは・・・・・・・・・・・・・決して楽にはつかめない・・・・・・・・・・・・・・。
俺はこんな時になにをしていいのか・・・・・・・・・結局一つしか思い浮かばなかった・・・・・・・・・・・・・。
夕焼けに染まった少女を、背中から優しく抱きしめて・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・また、来ような・・・・・・・・・・・・・・・・・」























              彼女に会いたい?
           
           彼女のぬくもりを感じたい?

            彼女と一緒になりたい?









答えは・・・・・・・・・・・・・・「はい」・・・・・・・・・・・・・・・・
彼女に会いたい。彼女のぬくもりをこの腕に感じたい。
・・・・・・・・・彼女と・・・・・・・・一緒になりたい・・・・・・・・・・

「好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ・・・・・・・・・・・・・・好きなんだ・・・・・・・・・・・・・・」

だけど壊れた古時計は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こんな時もただ信じるしかないんだ














           彼女と約束を果たす日がいつか来るのを

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