横島夜行 AlienB
投稿者名:TAK・A
投稿日時:(01/ 4/ 5)
あまり知られてはいないが、吸血鬼は水が苦手である。ひどいものになると浅い小川も渡れない。古代ギリシャでは吸血鬼退治の方法として、血の吸えない無人島に島流しして、飢え死にさせる、といった方法が採られていた。中には、その島で地脈から霊力を吸い取り力を増し、水を克服し、世界征服をたくらむ変態もいるが、あくまで一部の変態のみである。
閑話休題。
ピートは人間との混血なので、水が致命的弱点ということはないが、それでも吸血鬼の力は抑えられる。最初から霧になって敵に接近しなかったのもそのためである水の上でもこうなのだから、況や水の中では、吸血鬼の能力は全く使えない。
敵はピートの首をとらんと、小刀を抜こうとするが、全力でそれを押しとどめる。しかし、呼吸の必要のあるものと、そうでないものとの戦いでは長引けば不利だ。
(くそ、どうすればいい)
ふと、彼女の言葉が浮かんだ。
(先生から教わったことがあなたのすべてではないでしょ)
この言葉でかつて救われた。しかし、今はあのときとは逆だ。
(逆?そうだ、逆も又真なりだ)
吸血鬼の力は抑えられていても、聖なる力まで抑えられているわけではない。いやむしろ、相反する力が弱まっている分強くなっているはずだ。
(ミカ・レイさん、ありがとう)
未だ彼女の正体を知らないピートであった。知ったらどうなるのだろう?
「殺戮の王子よ、キリストに道をゆずれ!」
聖なる力が敵をおそう。
『うおおおおおおお!』
しかし、敵は気合いでそれを押し返そうとする。
「なに!」
必殺の自信があった。それに耐えている。
(こいつ、強い!)
戦慄するピート。しかしいきなり敵が飛び退いた。
(なんだ?)
見ればやっと雪之上が救援に駆けつけたらしく、自らはなった霊波をかいくぐり拳を打ち込んだところだった。
(何か変だ?)
違和感を感じた。雪之上の拳は確かに強いが、自分の放った力の方が戦力的には脅威のはずだ。なのになぜ威力の弱い攻撃の方をわざわざよけた?なぜ、より強い攻撃に耐えた?
雪之上も違和感を感じていた。なぜ、こいつは最初の霊波をよけずに受けて、今の拳をよけた?あの一撃は牽制のためのものではなかった。むしろ、本命の奇襲のつもりだった。
考えをまとめる暇もなく、「声」がきこえた。
『おのおの方、お出会い召され!怨敵くろうめが、単身御所に潜入いたしましたぞ!お出会い召され!』
敵はその「声」に反応した。そして砂浜を見て吐き捨てる。
『あれはおとりか!』
そのまま、馬に飛び乗り部下に命令を下す。
『儂は御所に戻る!おまえたちはこ奴らを皆殺しにしろ!』
そのまま単騎で走り去った。
「ナンなんだ一体」
「そんなのんきに構えている暇はないぜ。」
そう彼らは敵中に孤立していた。
後一回でやっと序章が終わります。我ながらなんと構成力のないことか。本編と序章がほぼ同じ分量になってしまった。
今までの
コメント:
- いまだにミカ・レイさんの事が忘れられないピートに一票(苦笑)
こ、これって序章だったんですか(汗)
ますます続きが気になりますねぇ。 (かいぜる)
- ダンピールの特性(?)を活かした面白い作戦です。それだけに効果が薄かったのは残念でしたね。
敵軍の奇妙な動きも気になる処。序章残り一回は勿論、本編にも期待しています。 (Iholi)
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa