黒い呪いと天使の笛の音(9)
投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 4/ 4)
「そう言われてもねー・・・」
そこはGSになるのを目指す者が集う、とある会場。
その会場の正面出口で、眼鏡をかけた、一人の神父が何やらたくさんの人達に囲まれている。
「だから! いきなり怪しい奴が光って! そしたら仮面が・・・!」
「笑い声を上げて、消滅した・・・だね?」
神父は既に聞き飽きた・・・といった感じで、若者が言葉を言い切る前に、神父が口を挟んだ。
「そっ! そ、そそそそ・・・!」
神父の言葉を受け、若者の一人が更に喋ろうとするが、動転してまともに言葉が出ない。
「そ、そそそ、そ・・・」
放っておくと、いつまでも『そ』の発音を続けそうな若い男を見て、神父はため息をついた。
「ふぅ・・・『その通りです』、かい?」
神父の言葉に、若者は今度は何度も首をたてに振る。
「うーん・・・だからー、さっきも言った様に、君達に何の危害も加えずにいたのなら・・・」
「で、ででででも! あれは絶対幽霊か何かですよ!」
(君らは『ソレ』と戦う職業目指してるんじゃ無いのかい?)
喉の奥を通り過ぎ、もうほんの少しで、口に出してしまう所だった言葉を飲み込み、神父は別の事を口にした。
「いや、だからね・・・」
(主よ・・・これも貴方が与えたもうた試練なのですか?)
動揺している者達を落ち着かせようと、別の事を口にしながら、胸中ではただひたすら嘆き続ける神父。
この後に起こる騒動から、今度は自分が積極的に、仮面の幽霊の事を聞く事になるとも知らず・・・
<唐巣様、至急こちらへいらして下さい・・・>
「おっ! (よしっ!) 君達・・・本当にすまないが! 僕はこれでっ!」
「あー! ま、待って下さい!」
神父は背中に聞こえる声に、少々の罪悪感を覚えつつも、足を止めずにその場を後にした。
ー黒い呪いと天使の笛の音(9)ー
所変わり、試合を行う結界の中、他とはランクの違う霊力の持ち主が二人、向き合っている。
(おキヌちゃんサンキュ! 更に気合いが入ったぜ!)
(くそー・・・あいつら俺の応援に来たんじゃないのかよ・・・やる気無くすぜ・・・)
試合前の心境、応援では、一方がかなりリードしている。
(雪之丞さん、良い事!? 顔は攻撃しないでよ! 無様なのも駄目! 一文字さんの顔を傷つけるのはもっと駄目!!)
「あー、ちきしょ、顔ねらうなだぁ・・・? 顔・・・」
気だるげな表情のまま・・・ふと一文字と目が合う。
「ーーー!」
一文字の目に込められた、『自信』とも取れる輝きに気づき、雪之丞の眼が一気に鋭くなる。
(おもしれぇ・・・エリート校の出だろうと、実戦数える程しかこなしてねぇのに勝てるつもりかよ・・・!)
一方、雪之丞の変化に、一文字も気を引き締める。
(このプレッシャー・・・! やっぱ昨日の40%とか何とかの筋肉ダルマとはケタが違う!)
やや呑まれはじめている自分に気づき、一文字は首を振りたくった。
(落ち着け! 実力に差があるなんて判ってる! とにかく先手を打って、主導権を握る!)
双方とも、戦闘準備が整った瞬間、声が響いた。
「では・・・始めっ!」
試合開始を告げる声が終わらぬ内に、一文字は駆け出した。
(得意の接近戦に持ち込んで、魔装術を使わせなければ!)
雪之丞の肉体が、魔装術に覆われる前なら・・・と、考え、一気に距離を縮めて行く。
(よし! もう魔装術は・・・!)
一文字は既に雪之丞に肉薄し、霊力の拳を叩き込もうとする。
「もらったぁ!」
しかし次の瞬間、一文字は自分が甘かった事を思い知らされた。
ギイィンッ!
「ーーー!?」
自分の拳が、ガードごとでもぶち破って、相手を飛ばせる・・・そう確信する程の一撃が受け止められた!?
ドガァッ!
驚く間も無く、雪之丞の蹴りに吹き飛ばされる。
「ぐうっ! ・・・ゲホ、ゲホッ!」
痛みと衝撃に、ややむせながら、雪之丞の方に向かって、顔を上げる。
見ると、雪之丞の右手に、霊力の盾が生まれていた。
「サイキック・ソーサー・・・だったか?」
何やら複雑そうに、盾を見ながらつぶやく。
「さて・・・今度はこっちの番だな!!?」
バシュウゥゥッ!!
雪之丞の体が、霊力の鎧に包まれる。
魔装術。
攻撃、防御、どちらも補う雪之丞の得意技・・・
いや、それ以上に、深い思い入れのある術・・・
「くっ!」
一文字は、先と同じく、雪之丞に向かって駆け出した。
「・・・・・・」
こちらに向かって、駆けて来る一文字を見ながら。
「魔装術使ってる俺に接近戦・・・買い被ってたな・・・」
少し残念そうに、雪之丞は構えた。
(一発受け止めて、みぞおちに・・・)
そう考えて、一文字の拳を待ち構える。
「ウ・・・オオオォッッ!!!」
「勝負あったわね。」
「ああーーー! 俺の一文字さ・・・」
「駄目ー! 一文字さーん!」
観客席や、結界のそばから、声が上がる。
(終わりだ。)
雪之丞だけで無く、誰もがそう思った、次の瞬間。
ドガアアァッ!!!
「グハアッ!!」
「ーーーーーー!!?」
一瞬にして、予想が覆された。
「ぐ・・・!」
何とか起き上がる雪之丞。
「な、何しやがった・・・!?」
先程の構図を逆にしたかの様に、一文字の方に向かい、顔を上げる雪之丞。
「! あ、あれは!?」
見ると、一文字の右手にも、霊力の盾が・・・
「違う! あれは・・・!」
「へへ・・・驚いた? あたしの『切り札』だよ。」
一文字の右手にあったのは盾ではなく、霊力のグローブだった。
そのグローブを、ポンと叩き、構える。
「さ、仕切り直しだ。 ・・・行くよっっ!!!」
「くっ!」
そして、その頃。
「だから言ったでしょ? 心を殺せる忍びに精神感応なんて意味無いのよ・・・」
「タイガー!」
「く・・・!」
遅れて始まっていたタイガーの試合・・・
「さあて・・・鍛え直したこのヒトキリ丸で・・・うふふふ・・・」
「タイガー! もし負けたらおたくなます斬りにするわよー!」
タイガーは目の前にくの一を、後ろには、物騒な応援? をする
色黒の女性に挟まれ・・・ピンチを迎えていた。
AS「遅れましたけど、続きです・・・今回も良い所、悪い所を教えて貰えたら、助かります。」
今までの
コメント:
- 謎の仮面幽霊の陰謀が渦巻く中、遂に試合が始まりましたね。
魔理がいきなり「切り札」を……これがフカシで無い場合、逆に言えばもう手が無いと云う事ですから、背水の陣を敷いて雪之丞に挑んでいかなくてはいけませんね。頑張れ!
あー、雪之丞も、それなりに応援しているぞ(笑)。
タイガーは……考えてみたのですが、一応勝機は有りますね。でも頑張れ氷牙さん!(笑) (Iholi)
- さすがの神父も逃げ出しましたか。
ふぃふぃふぉんふぃふぁんの奥の手はもしかして横島の栄光の手の応用版かな?
だとしたら、ふぃふぃふぉんふぃふぁん(もう良いって?)は横島の力を認めてるって事かな?
タイガーよ、がんばって氷牙さんを肉体的格闘モード(だっけ?)にしてくれ。
それまでは君を応援しよう。(笑)
今回の良い所・悪い所特集〜〜 どんどんぱふぱふぱふ
今回は忙しいので簡単にしかかけませんが、間の取り方といい、表現の仕方といい、
すっごく良いと思いますよ。まじでケチのつけようが無いぐらいに。
(時間かけて読めばあらは見つかるかもしれないけど、逆にそうしないと見つからないです) (かいぜる)
- あ、氷牙さんじゃなくて、氷雅さんでしたね。
かいぜるさん、すまんでしたノー(何故かタイガー風)。 (Iholi)
- タイガーに頑張ってほしいです!マジで。 (トンプソン)
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