ザ・グレート・展開予測ショー

近未来シーズン!(5)  −夏U−


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 3/31)

{7月21日}
紫音は、浜辺を歩いている。小鳥を肩に乗っけて。・・・・・・・普通なら、どっかに行ってしまうのだろうが、この鳥は何故か逃げなかった。
日が照っている。真っ赤に己を燃やして・・・・・。紫音の額からはとめどなく汗が流れる。
「・・・・・・・暑いねえ〜・・・・・・」

チュンチュン・・・・・

紫音の問いかけに鳥も元気なさそうに返事をする。

ワイワイガヤガヤ・・・・・

海は、人でうめつくされている。
「・・・・・・・・・・・・・・帰ろっか・・・・・・」
紫音はそう言うと浜辺を出て行った・・・・・・。



「ただいま〜」
「おかえりなさい」
娘が帰って来たのは、もう6時を回っていたところだった。
・・・・・・・・・・・・・・どこまで行ってたんだか・・・・・・・・・・・・・・・
「ママ〜、今日なあに〜?」
「ん〜?ああ。今日はそばにしようか」



リーンリーンリーン・・・・

外では、虫の鳴き声が聞こえる。もうすっかり外は真っ暗だった。
娘は、私と一緒にトランプで遊んでいる。
月が・・・・・・・・出ている。生暖かい風が私のとなりを通っていった・・・・。
「ねえ・・・・・・・・」
娘が、唐突に私に話し掛けてくる。
「なに?」
「あのさ・・・・・・・・・今日海行ったんだ・・・・・・・・・・・・」
「?・・・・・そう」
いつもと違う様子の娘に少し驚いたが、普通に返した。
「・・・・・・・・・・・・・それでね・・・・・・・・・・・・・・・・人が、たくさんいたんだ・・・・・・・・・・・・いっぱい、いっぱい・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
私は黙って聞く。
「みんな、遊んでた・・・・・・・・。仲間同士で。友達同士で・・・・・・・・・・。
すっごく楽しそうだった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。でもね・・・・・・・・・・・・・」
そう言って一拍おく。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ピー子は・・・・・・・・・・・・・・・・ピー子の仲間は?友達は?・・・・・・・・・・・・・・私にはいるのに・・・・・・・・・・・・・・・私には友達がいるのに、ピー子にはいないよ?もしも私に友達がいなかったら・・・・・・・・・・・・・・・やだよ、そんなの。やだよ。やだよ・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・言い終わると、娘の目から大粒の涙がこぼれた・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なに言ってるのよ・・・・・・・・・・・・」
そう言って私は娘の涙をふいてあげる。
「だってさ・・・・・・・・・あんたが、ピー子の友達でしょ?ピー子はあなたといる時が一番楽しいんだと思うけどな・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・?」
娘は、鳥のほうを向く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・そうなの?」
・・・・・・・・・・・・・・・鳥は、何も言わない。だけど、うなずいたように私には見えた・・・・・・・・・・・。
いつもいつもこの子は相手のことしか考えない。・・・・・・・・・・・・・その優しさを、この子には忘れて欲しくない・・・・・・・・・・・・・・・・・。どんなに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





                          この子が変わっても





リーンリーン・・・・・・・

虫の音が、また聞こえた。

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