ザ・グレート・展開予測ショー

星影〜第二章


投稿者名:氷魚
投稿日時:(01/ 3/26)

星影〜第二章〜

 朝だというのに曇っていて太陽が見えない…。
「おはよう横島君。よく眠れたかな。」
窓の近くに立っていた飛野は、振り返って言った。
「あ、はい。…で」
「解った解った。君を呼んだ理由が聞きたいんだろう?」
飛野は部屋の周りを歩きながら喋り始めた。
「横島君。君は…ここがどんな場所だか知っているかね?」
「…?」
「ここに霊は入れない。魔族も入れない。神獣も入れない。そして神──上級、下級にかかわらず──さえもここには入れないのだ。…ま、入れるお方もいないわけではない。だが、一般的にここに入ることができるのはこの土地と契約をしたものだ。契約はな、その前の持ち主を殺せば自動的に成立する。あるいは死の間際に遺言によって譲り受けてもいいことになっている。ちなみに私は後者だったな。」
「…それと俺を呼んだのと、なんの関係があるんすか?」
横島の問いに、飛野はつと振り返って言った。
「一部の魔族がここを狙っている。」
「え…。こんなとこ狙ってどうする気なんすか。」
「解らんかね。ここは魔族はおろか上級神ですら入れない土地なのだよ。基地としては最高の場所じゃあないか。そこでやつらは私にこの土地の明け渡しを要求している。拒否すれば強制契約──つまり殺される──すると言いおってな。」
「…で俺は何をすればいいんすか?」
「君は単にそいつらの所に断りに行ってくれればいい。」
「ヘ?」
「そいつらの所にいって飛野は土地を明け渡す気など毛頭ありませんと言ってきてくれればいい。」
「そんなんだったら他のGS、いや、そのへんの霊能者でも出来るじゃないすか。」
「…あそこは…地獄だ。普通の者が行く所じゃあない。だからある程度強くなくてはならない。そしてなによりも──」
「なによりも?」
「私には金がない。」
コケる横島。
「よって安上がりに済みそうな者を探していたら…。」
飛野は横島の肩にぽんと手を置いた。
「時給255円だもんな、君。」



“全員配置ニツイタカ?合図ガアリ次第アノ家ニ砲撃ヲ仕掛ケル。全員ソノ場デ待機セヨ。繰リ返ス…”



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