ザ・グレート・展開予測ショー

近未来シーズン!(1)  −春T−


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 3/26)

「・・・・・・・・・・・・・」
私は、ただただベンチに座っていた。コートの肩の上には雪がたんまり積もっている。まあ、これにはちょっとしたわけがあるのだが・・・。
先日、私はゴーストスイーパーの資格取得試験で、まあ当然のごとく合格して(私が妖狐だという情報はいつのまにやらもみ消さえれていた)ついに自分の事務所も持ったんだが・・・・。
「・・・・・・うぐぅ・・・・」
その後がいけなかった・・・。今や元のかねより利子の方が多いわよ・・・・・。
っというわけで、仕事もそうそうこないし、自分で探すためにこんな寒い中外に出たんだが・・・・
「はあ〜あ・・・」
ま、そうそう見つからんわ。
「・・・・・・・・・」
で、まあぼーっとしていたのである。
そんな時だった。
「わーん、わーん」
子供の泣き声が聞こえる。・・・・・迷子だろうか?・・・・・でもまあ私が悪いわけじゃないし・・・・・がんばれ!少女。
「わーん、わーん!」
「・・・・・・・・」
「びえーん!」
「・・・・・・・どうしたの?」
あああああ。少しでも金かせがなあかんのに。・・・・・まあ、人間には色々貸しがあるからってことで・・・・。
「ひっく・・・ひっく・・・・」
少年は私が話しかけると、やっと泣くのをやめた。
「・・・・・・・あのね、お母さんがね、いないの・・・・・」
(・・・・・・やはり迷子か!)
「おなかすいたよぅ」
(くっ!交番に届ければそこで終わるが、こういうタイプの子は『お姉ちゃん一緒にいてぇ』とだだをこねて時間の無駄遣いをするタイプだ(深読みしすぎ)。ここは自分でこの子のママを探す方がっ!!)
「・・・・・お姉ちゃん?」
「へ?ああ、おなかすいたんだっけ?」
こくん。少女がうなずく。
(・・・・・ここでなにか食べさせないと、泣き出すタイプだな、これは)
だから深読みしすぎだって。
「んじゃま、なにか食べに行こうか」
「・・・・うんっ!」
そう言って私達は雪の上を歩いていった。



私達は今、どっかの屋台にいる。ただよってくるのはおでんのかほり・・・・・・・。
なんでガキ連れてこんなところに来てんだ・・・・・?
「きつねうどん一つと、ラーメンセット一つ」
「へい!」
・・・・・・・・おでんじゃないのか?しかもへい!とかすし屋見みてー。
「・・・・なんでラーメンセットなの・・・・・?」
「まあ、それはおとなの事情ってことで・・・・」
・・・・なるほど。こういうこと言わせるために屋台なのかっ!

「へいお待ちっ!」
・・・・・・だからすし屋じゃないから・・・・・。
そういわれてきつねうどんが私の前に、ラーメンセットが隣の少女の前に置かれる。
「・・・・・・・・どろり濃厚・・・・・・・・?」
・・・・・・・・・。そういえば前にも同じネタが・・・・・・

ズルズルズル・・・・

となりで少女がおいしそうにラーメンを食べている。・・・・・あっちもどろり濃厚っぽそうだが・・・・・。
「・・・・・おいしいか?」
「・・・・・痺れる味がするの」
なんて食感だ!
「・・・・それってうまいの・・・・?」
「うん!」
うまいのか・・・・。


結局その後私達は屋台で一時間くらいくっちゃべった(そんなにいたら屋台に迷惑です)
。・・・・・うどんは放置されたが・・・・・・。
「さてと・・・・・んじゃ、ぼちぼちあんたの母さん探すか」
・・・・・・一時間たってから探せるのか・・・・・・・?
とりあえず、少女が眠そうな顔なので、私はおんぶしてあげることにした。・・・・・輝いてる!今私はかがやいてるわっ!
「すいませーん」
少女にお母さんの特徴を聞いて聞き込み調査をするが・・・・・
「・・・・・見つかんないね・・・・・」
「・・・・うん・・・・・」
そりゃそうだろ・・・・。某ゲームじゃあるまいし、探して見つかるなら苦労せぬわ。


「・・・・・・・・」
結局私はベンチに座る。・・・・振り出しだ。
「・・・・・お姉ちゃん」
少女が控えめに話しかけてくる。
「なに?」
私は疲れきった声で返す。
「・・・・・眠い」
・・・・・・・・・・・なんてやろうだっ!
「・・・分かった、分かった。今夜はうちにとめてやるよ・・・・」
とことん親切だな、私。まあ、客商売の練習として・・・
「ほんと!?」
少女が目を輝かせて聞き返す。
「・・・・・うそ言ってどうする?」
「ありがとっ!お姉ちゃん!」



・・・・・その日からうちにへんな少女が住み着くことになった・・・・・


{変なのはタマモの方だ・・・・・てのは言わないように}

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