ザ・グレート・展開予測ショー

吸血奇談 幸森(こうもり)の復讐(2)


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(01/ 3/23)

「見鬼君の反応はこっちです。西条さん!」
ピートが操る見鬼君はICPO所有の物は市販品と比べ物にならない。
西条の車を走らせると郊外に導いていた。後でずっと黙っている唐巣が口を開いた。
「この際です。私と幸森の関係を話しておきましょう・・・・」
彼は私と一緒で破門されたクリスチャンでした。そして恋人がいました。
時々一緒に仕事をしていました。
その日、仕事から帰ったらその恋人が吸血鬼化されていたそうです。
誰がやったのかは、未だに解りません。
そして私はその幸森の恋人を私が退治しました。しかたの無い事です。ですが、
「唐巣、お前がやったのか?どうしてだよ」
「吸血鬼と暮らすのつもりだったのか?目を覚ませ、おまえのあいつはもう」
「だが、なんだ!あいつは大人しくしていた。誰も襲わなかった、あいつは、あいつは」
確かにそうでした。でも彼女は日に日に弱まっていて、理性が無くなっていきました。
その後、あいつが吸血鬼専門のGSになったと風の噂にきいていました。
そして、風の噂が途絶えた時、幸森も命を落した物と思っていましたが。
・・・・・
「幸森って奴の気持ちがわかったよ。何故美神君をねらったのだ?」
「おそらくは、私には現在特定の愛する人はいませんでも、もし挙げるなら弟子だった
 美神君に目をつけたのでしょう。実際、私を狙ってくれたほうが、幾分も楽です」
体をかすかに震わせて言った。
「気持ちはわかるがよ、許せねえじゃないか!この面子なら即、けちょんけちょんに」
横島が場を盛り上げようとするがかえって逆効果である。
「・・すいません。俺」
「気にしなくていい。君はまだ子供だからな」
西条が答えると何本目になるのだろうか、赤信号の間にタバコを咥えた。
この中で最年少の横島にはたまらなく辛い雰囲気である。
「横島さん、貴方だけが辛いわけじゃないですよ」
童顔ながら最年長のピートがそっと声をかけた。
信号は青になった。ギアをトップに入れてフルスピードで車は移動した。
寺院内では、
「熱はどうじゃ?もしも上がったら氷の風呂にいれるがええ」
「ちょっとー高めねー、オキヌちゃん、手伝ってー」
「はい、冥子さん」
どちらかと言えば肉体労働は免除される二人だが、この時なかりは致し方あるまい。
「だから、カオスさんは私に残れっていったんですね?」
まぁな。と言ってから、
「それだけではない。この氷風呂が終わった後、お主美神に乗移れ」
「え?」
「・・精神、体、そして司る脳をはっきりさせるためじゃ」
「解りました」
「たった5分でええ。だが、つらいぞ」
「美神さんの為です!」
しばらくした後、美神の体に乗移ったオキヌは、
「ぐっ、がは!」
七転八倒の苦しみを味わっていた。怪我はショウトラにまかせている。
唐巣神父等は見鬼君の示した郊外の外人墓地でエンジンを止めた。
「幸森はここか」
最後に出た唐巣の言葉であった。
月も雲に隠れた夜だった。

-(3)に続く-

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