横島の自立(2)
投稿者名:ノンチ
投稿日時:(01/ 3/21)
「本気でそう思っているのか、だとしたらルシオラも可哀想に、こんな奴をかばって
死んだんだからな。」
「雪之丞・・・・取り消せ今の言葉。」
横島の感情が戸惑いから怒りへと変わっていった。しかし雪之丞は意に返さず冷静な
口調で、
「本当のことだろ、おまえは何の為にアシュタロスと戦ったんだ。世界を守る為か、
それともルシオラ為か。」
「そっそれは・・・・。」
横島はその問いに答える事が出来なかった。俺はルシオラとの約束を果たす為にアシュタロスに戦いを挑み、その結果、皮肉にも約束を果たす事でルシオラを死なせてしまった。
世界は救われたが、別に世界を守ろうと本気で考えた訳じゃない。あの世界の命運を欠けた選択の時、これが正しいと思ったから・・・・。ルシオラの為に戦ったなんて言える訳
ないし言う資格もない。
「答えられないのなら俺が変わりに答えてやろうか。おまえは人の為にしか戦えない男だ。だから守るべき人がいなくなれば戦う意味を見失ってしまう。違うか?。」
何も言えない。確かに雪之丞の言う通りかも知れない。今だって美神さんの為に悪霊と戦っている。俺は俺自信の為に戦えない。
「黙ったままか。違うと言うなら俺を倒して証明しろ。戦えないと言うなら所詮おまえは
ルシオらが命を欠けて守った程の価値もないってことだ。」
雪之丞は横島を充分過ぎる程に挑発した。
「黙れ!!」
ようやく声を出すことが出来た。心のわだかまりが消えないまま横島は雪之丞と戦う決意をした。
「いいだろう、おまえと戦ってやる。但し俺が勝ったら2度とルシオラのことを悪く言ううな。」
「ああ、わかった。だが勝負をするのは今じゃない。明日の夕方までに妙神山に来い、
そこで決着を付けようぜ。」
そう言うと雪之丞は横島の前から去って行った。横島が美神除霊事務書に着いたのは丁度日が暮れようとする頃だった。
・・・・続く
今までの
コメント:
- 倒したからって証明なんかできるか!?・・・・っと思ったけど、きれいな文章ですな。 (来栖川のえる)
- 倒して証明になるとは思えませんが、
とりあえずどんな理由(横島を怒らせる?)があるにしろ
ルシオラを悪く言うのは許せませんねぇ。
横島君。もしこれが罠だったとしてもちゃんと妙神山に行って雪之丞を半殺し(全殺し可)にしてきてくださいね。 (かいぜる)
- 雪之丞は、戦う理由と云うものを守るべき者の存在に依存し、かの大戦を潜り抜けてきた自身の強さをネガティヴな方向でしか肯定できない横島の事が許せないのではないでしょうか? つまり自分の存在が消滅してもアシュタロス征伐の悲願を達成してくれる程の力が横島には有ると信じていたルシオラの死は、横島が「約束」を果たす事のみに執着(依存)して寧ろ己の実力を否定的に捉えてしまうことで、より虚しいものになってしまうのではないか、と云う事ですかね? こう考えれば、
「横島が何者にも依存しない本物の『強さ』を身に付けた事を証明する」
⇒「命懸けで横島を守ったルシオラの『想い』に無事に応えた事になる」
と云う二重の証明が成り立つと思うのですが、ノンチさん、どうでしょ?(やや弱気) (Iholi)
- あと雪之丞の過激な物言いに関しては、彼と云う人間が思いついた事を正直にしか言えない格闘馬鹿である事を考えれば、そう大した事では有りませんよ、ね(やや弱気)。そんな直球な彼が僕は大好きです(笑)。 (Iholi@深読み大好き)
- そうなるのかなあ・・・?ううむ・・・>いほりん (来栖川のえる)
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