ザ・グレート・展開予測ショー

【リレー小説】『極楽大作戦忠夫の結婚前夜』(10) マリア海を渡って


投稿者名:遁譜村
投稿日時:(01/ 3/18)

「ミギャー!こわいよぉ!」
大空をかなりのスピードで飛ぶグーラー一行とすれ違った飛行物体があった。
「あれ?飛行機か?にしては小さいし・・?明日の関係者かな?まぁいっか」
その飛行物体は太平洋を驚くほどのスピードを出していた。
「ま、マリア。少しスピードを落とさんか!」
『No! Drカオス、時間が・ありません』
美衣ちゃん程ではないが、悲鳴を挙げていたDrカオスであった。
太平洋を横断するとアメリカにつく。
「マリア、アメリカから国籍判別及び空領侵犯で攻撃がくるのではないかな?」
『ノープロブレム・マリア・レーダーに映らない』
一応念の為、本土に入ると低空飛行に切り替えた。
「マリア、前前、エンパイヤ、ステートビルじゃおや?妖怪変化がおるわ」
サルのような妖怪はビルの天辺に抱きかかえている。おそれ慄く米国市民の目に、
『みんな、アレを見ろ?』
『鳥か?』
『飛行機か?』
マリアは当然機関車より強い。
「マリア、どうするんじゃ?」
『攻撃・します』
そのエンパイヤビルにいたサルのような妖怪変化をクレイモアキックで打ち落とした。
それから米国市民から拍手喝采が沸き起こるが、二人は既に大西洋に出ていた。
余談だが、次の日、ワシントンポスト(米国の有力な新聞)の一面には、
「スーパーマンの親戚か?空とぶレディ、エンパイアステートビルのキングコング退治」
となっていたとか。
さて、地中海はクルージングのメッカである。
「ヘィ、ボーイ。ワンモア グラス プリーズ」
「ウィ、マドモワゼル美神」
豪奢なホテルが用意した地中海の遊覧船の人な美神令子である。水着姿だ。
日本人ながら抜群のプロローズを誇る彼女にナンパ男、一部女性は後を絶たなかった。
昨日まで何人の男を囲んでバーにいたが、皆二日酔で倒れていたとか。今は一人だ。
「もう少し、肌をやこっかな?」
うつぶせになってから、水着焼けを防ぐために後ろのホックをはずす。
「日本時間だと・・ううん、いっか。ここは地中海、日本なんてカンケー無いもん!」
彼女の目の回りには幾筋もの濡れた後が残っている。
「ヨコシマ君・・」
そう呟いてから少し身を乗り出してから、ブンブンと首を振る。
「な、なによぉ私ったら!」
その上空では、
『Drカオス・目的発見・降下します』
と、マリアはその遊覧船に着地する。
『誰だ?お前達、テロリストか!」
警備兵がワラワラと集まる。
何事かと、皆が集まる。当然令子も来る。
「マリア!、ドクターカオス!」
驚きを隠せない令子である。
「いや、知人に用事があってな、あぁ、私はDr・カオスと言う者じゃ」
警備主任はこのドクターカオスの名を聞いてから、
「あ!オジさんじゃないですか。今は日本にいると聞いていましたが!」
どうやらカオスの知人がいるようだ、その証拠に、
「はて、どっかで会ったかな・・おぉ、お主はフランスで!ほぉでかくなったな」
「オジさんも相変わらずで、時に知人に御用とは?あの日本人ですかな?」
手で指定する先に美神令子の姿があった。
「よぉ、美神の。ここにおったか。って何か着たらどうじゃ?」
「何か着たらって・・?あ!」
欧州のクルージングではトップレスは然程珍しい光景ではないが、日本人とは珍しい。
いそいで、その辺にあったタオルで胸元を隠してから、
「カオス、見たわね!」
「まぁな。そんなに堂々としていたらな、日本人離れしたでかい乳じゃのぉ!」
顔を真赤にしてから拳骨をカオスに食らわしてから、
「何しにきたのよ!」
照れの残る剣幕で有る。
「何しに来たの?じゃと、明日はおぬしがお気に入りだった小僧の晴の日じゃないか」
「ヨコシマ君の結婚式?だからなんなのよ」
「旅行して帰れないというから態々迎えに来てやたんじゃないか」
と言うと倒れてしまう。
『Drカオス・地中海でコートにマフラーではそうなります』
突っ込みをいれたマリアであった。
「オジさん!」
カオスと顔見知りの警備主任は急いで医務室へ連れていった。
「で、私を迎えに来たって言うの?とんだ御節介ね、カオスも」
「・・・・」
マリア、何も答えず。
「あんたも大変ね。あんなのが主人で。しかもここへ来て倒れるなんて」
『ミス・美神、本当に・これでいいのですか?』
「何よ?マリア」
「・・・・・・・」
又答えず。
医務室では、
「オジさん、しかし何の為に地中海まで?」
「ワシじゃない、マリアが来たいといったのじゃ。珍しい事に感情を出したのさ」
「マリアが?どうして?」
「さっきの日本人の客がいたじゃろ、彼女の為にだとさ」
「ロボットが感情ですか。流石ですね」
「ま、ワシはこれから面白いことが起こるとなると心がウキウキするわい」
再び、甲板。
「マリア、横島君達の結婚式の準備、すすんでるの?」
『今なら・間に合います・ミス美神』
「これ以上どうしろって言うのよ!だってヨコシマ君は」
強がった笑顔もここまでたっだ。
「そりゃ、オキヌちゃんが横島君に惚れてたのはしってたけど、だからって!」
『それで・逃げていた・ですね・ミス美神』
「なによアンタに何が解るって・・・・・・・そうよ!怖かったのよ私は!」
強がりの化粧がはがれると、涙が溢れ出す。
『一緒に・日本へ・戻る・OK? ミス美神』
「でも今帰っても遅いわよぉ」
マリア、美神玲子の肩を持ち顔を近づけてから、
『遅い・違う・まだ・間に合う』
と、言った。
マリアのベースは中世の姫である。あの姫は見方をすれば、勇気が足りなかった、
若しくは愛しすぎたので、遂げられなかった思いがあったのだ。
そのコードにひっかかったマリアの行動が地中海行きを決定したのだ。
「さて、どっちの転ぶか、まワシには関係無い事じゃがな。女二人で話すがええ」
何処までものんびりなカオスであった。

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