ザ・グレート・展開予測ショー

ライヴZ(前編)   〜ルシオラ恋の予感!?〜


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 3/17)

空は澄み渡り、雲一つない。私はバスを降りる。暑さで頭がもうろうとする。一瞬世界が真っ白になったかと思うと、私はベンチに座っていた。
「ふう・・・・」
私は額の汗をぬぐう。・・・暑い!暑すぎる!何しに来たか忘れるほどに・・・。ほんとになにしにきたんだっけ?え〜っと・・・
「ラーメンセット一つ」
・・・・ちがう。これでは某ゲームのパクリとなってしまう。え〜っと・・・
「そうだ」
大学に行くんだった。今日は初めての授業じゃないか。私は時計を見る。・・・授業時間
まであと二十分。大学まで十分あれば十分だから・・・
「ふう・・・」
私はまたため息をつく。
結局、ここで十分休むことにした。
人が通っていく。私の目の前を数え切れないほど。
「ふう・・・・」
三度目のため息。みんながせわしなく私の前を通過していく。私は上を見上げる。

・・・・ミーン、ミーン、ミーン、ミーン・・・・

心を落ち着けるとせみの鳴き声が聞こえる。真っ青な空。私は手を伸ばしてみた。今にも
つかめそうな空。果てしない空。どこまでも、どこまでも続く空。
私は手をおろす。私はそのまませみの鳴き声を子守唄にしてまぶたを閉じた。


「はあっ、はあっ、はあっ・・・」
私は走っている。ま、当然のむくいやな。時計を見ると、もう二十分の遅刻だ。
(まさか初日から遅刻するとは・・・)
汗が吹き出る。でもそんなこときにしてるひまはなかった。とにかく走る。もうこうなったら意地だ。

・・・ガラッ・・ピッシャーン!

私は思い切り扉を開ける。一瞬、それまで騒がしかった教室中が静まる。
私は先生に自分の名前を言うと一番はしの席に座った。
となりの奴はさえない男子。いや、顔はいいのだがおとなしめ系なのだ。
(あ〜あ)
初日の遅刻は私の中でかなり痛かった。なにせ、まだ遅刻なんてしたことなかったんだから。
(まったく、この暑さがいけないのよ)
もうすでに授業の内容が途中からじゃわけがわからなかったので、私は窓の外を見る。
大量のビル群。こんなんじゃ夕焼けもろくに見えないよ、まったく。
いまやビルは完全に空を支配していた。すきまもほとんどない。ビル、ビル、ビル・・・。いつしか人は夕焼けをきれいに思うことを、空を見上げることを忘れてしまったのだろうか・・・。

つんつん・・・
気が付くと隣の男が私をつついてる。現実世界に戻されてしまった。
(な〜に?)
私はちょっと怒ってるように言った。その時・・・
「美神!!」
先生のどなり声が聞こえる。
「は・・・はいっ!?」
思わず私はすっとんきょうな声をあげる。
「おまえなあ・・・遅刻してきたんだから、さらに集中して聞いてろよ・・」
先生が呆れ顔で言う。てへ。キザなことはこれからやめましょう。


・・・キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン・・・


授業終了のチャイムとともに教室中が騒がしくなった。私は一人で廊下に出る。
「ふう・・・・」
本日四度目。私はいろいろあって疲れているのだろう。前方にはグラウンドが見える。誰かが野球をやってるみたいだ。私はぼーっとそれをながめる。その時だった。
「やあ」
誰かの声がして私はふりむく。するとそこにはさっきの男子が立っていた。
「やあ」
男子はもう一回言う。
「なに?」
私はそっけなく聞き返す。・・・・そもそも私は男子というもの(?)があまり好きではなかった。っていうか男としてみるなら父にまさるやつなんているのか?とか思ってる。
まあ、父を恋愛対象にしてるわけじゃないが。
「あのさ・・・名前、なんていうの?」
男子は少しはにかみながら私に尋ねてきた。・・・・どうも憎めないやつだ。
「紫音・・・美神紫音よ」
ま、とりあえず答えといてやるか。
「ふ〜ん・・・」

・・・その後私達はぽつぽつと会話をしていたが突然、
「危ないっ!!」
という声と同時に五メートルぐらいすっとばされた。

ガシャーン・・・!!

窓ガラスの思い切り割れるおとがする。鮮血があたりに飛び散った・・・。


・・・さいわい、傷は浅く全治一ヶ月の入院ですむようだということを友達から聞いた。どうやら、あの少年は野球ボールが飛んでくるのを見て私をつきとばしたらしい。
私の目に、あの時の光景が浮かぶ。私の視界を支配していく夕焼けのように真っ赤な・・・。
・・・・私にはなにができるんだろう・・・?私は今できる精一杯のことをしなくてはならない・・・・。

      ・・・・時の車輪は、着実に、着実に回っていった・・・・


                                   つづく



{参考文献(?)・・・・AI○、センチメンタル○ラフティ。・・・・え〜っと、今回は
情景描写に力入れるのと同時に幻想的にしました。っていうかしたかった(笑)。ギャグ
もちょっと入れてる。結構力はいってたりして。}

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