ザ・グレート・展開予測ショー

ライヴY  〜ルシオラ成長日記Y〜


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 3/14)

「うそ・・・・でしょ?」
予想通りの答え。私には分かっていた。彼女にこれを話せば、彼女に苦しみをあたえることを・・・。だが、私は話さなくてはならなかった・・・。真実を・・・。
「・・・ほんと。これがあなたとの前世と、私達との間にあった事件。そしてこれが貴方の真実・・・」
言葉が重い・・・。この子に語るのがつらい・・・・。
「じゃあ、なに・・?私に対して今まで妙に優しかったのは、そのせいだったの?」
「それは・・・」
私は、言葉につまる。否定ができない自分が悲しくなった。
「じゃあ、ママの中では私はいつも他人で、優しくしてたのは、ただの同情だったってこと!?」
「それはちがう!!」
私には、否定することしかできなかった。だが、彼女は私の言葉をさえぎって怒鳴った。
「じゃあ・・・じゃあ・・・私はなんなのよ!?いつもいつも受けてた優しさは、そのルシオラってやつのためだったわけ!?ママとしての愛情なんか・・・・!なんか・・・!」

バシーン!!

大きな音が部屋に響いたと思うと、部屋は静かになった。
「・・・・ママ?」
突然、思い切りぶたれた彼女は、ただ呆然と自分の頬をおさえていた。
「言っていいことと悪いことがあるでしょ!?」
それでも私は止まらない・・・。感情だけが暴走していく・・・。
「出て行きなさい!!」
「・・・・・言われなくてもそうするわっ!!ママなんか・・・ママなんか、大っ嫌い!!」
そう叫ぶと、彼女は外に飛び出していった。

ドサッ

私は目の前が真っ暗になる気持ちで、いすに倒れこんだ。
(なにやってんだろ、私・・・・)
その時だった。
「・・・失礼します」
そう言って入って来たのは、今はもう独立したGSのおキヌちゃんだった。
「用事があって、きたんですが・・・・。すいません、聞いてしまいました・・」
そう言っておキヌちゃんは申し訳なさそうな顔をすると、悲しそうな表情になってこうきりだした。
「・・・彼女は・・・おそらく本心であんなこと言ってないと思うんですが・・・・」
そして、一呼吸おいて、こう言った。
「彼女を幸せにしてあげられるのは、あなただけです。そのあなたが娘さんを追いかけなくてどうするんですか!?」
おキヌちゃんとは思えない声の大きさだった。
それで私ははっとした。そうだった。彼女を幸せにできるのは私だけ。そして、私には彼女を幸せにしてあげなくてはならないということを・・・・。
私は一言礼を言うと、外に飛び出していった。


「ママは、私のこと嫌いなのよ」
紫音は、話を、そうしめくくった。
「・・・・で、ここに来たってわけね」
相手をしているのは、いまや髪も白くなってきた、美神のお母さんである。
「うん・・」
ちなみに、ここは美神のお母さんが隠居(?)して、新しく持った住まいである。
「・・・ふ〜ん。・・・・でもね、紫音ちゃん・・・」
ふうっとため息をついて、美神のお母さんは編物をしていた手を休めた。
「・・・あの子にはね、きっと考えがあってあなたに言ったんだとおもうの。昔からぶきっちょだから、ちょっと伝わんないことも多いけど、あの子があなたを大事にしてるって
ことは確かよ」
「・・・・どうして?」
「だって、そうじゃなきゃそんな前世のことなんてわざわざ言う必要ないでしょ?あなた
とより交流を深めたいから・・・・あなたを幸せにしてやりたいからあなたにそのことを
話したんだと思うわ」
「・・・・」
美神のお母さんが、ここまで言った時、ちょうどドアが開いた。
「やっぱり、ここにいたの・・・」
そこには息をきらして立っている美神の姿があった。
「ほら、おむかえだよ。行ってあげて?」
そう言って、彼女は紫音をうながす。
「・・・・・」
紫音は、一歩、一歩ゆっくりと美神のほうへ向かって歩いた。・・・そして・・・
「・・・・・・・ただいまっ!」
「・・・・・・・お帰りなさいっ!」
謝れなかったけど、これでいいの。だって、お互いすべて分かったから。分かってるから・・・・・・。



  ・・・・・・・・私はママの腕の中で静かに泣いた・・・・・・・・・・・・・





{あとがき。どうでふ?ルシオラ話を書こうと決めた時から、これだけは書こうとした話です。っていうかこれなかったら今までのものがすべて無意味になるんで・・・・結構力
入れたつもりですが・・・?}

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa