ザ・グレート・展開予測ショー

ライヴV  〜ルシオラ成長日記V〜


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 3/14)

別れの時がきた・・・・。私はあの子を産んだときから、このことを一番おそれていた・・・・。
「本当に、このままわかれていいんですね?」
小竜姫が申し訳なさそうな顔でこちらを見る。
「・・・・ええ。ほんとにぐっすり寝てるからね。起こすのは可愛そうだからね」
自分の気持ちを悟られないように、作り笑いをしながら答えた。

このことを言われたのは、一週間前のことだった・・・。
その日小竜姫がきた時は夜11時も過ぎた時だった。
おそらく、あの子が寝るのを待ってきたのだろう。あの子に言うには、つら過ぎることだから・・・・。
「あなたの娘さんは・・・・私達がひきとらなくてはなりません・・・」
全くの突然の発言。私は、恐れていたことをはっきりと言われ、どうすることもできなかった。
しかし小竜姫は、そのまま続けた。
「娘さんは・・・潜在能力が高すぎるんです・・・・。魔族の生まれ変わりだから・・・。いま、われわれの方に預けて、ある程度制御できるようにならないと、霊力が
暴走するか、もしくは霊力が人の体の限界をこえて、命を奪うおそれがあります・・・」
一言、一言言うのも小竜姫はつらそうだった。
「・・・・分かってたわ・・・。うすうすとね。・・・・じゃあ、あと一週間だけ待って
くれる?もうちょっとだけ・・」
私がそう言うと、小竜姫は驚いたような顔をした。
「え・・・?いいんですか?私はてっきりかなり反発されるかと思ったんですが・・・」
「私もおとなだからね・・・。それに、あの子には幸せになってほしいから・・・。このまま命を削ってくよりも、預けたほうが幸せだから・・・・」
「・・・・そうですか・・・・」
美神の中の、ルシオラに対するこころの鎖を感じ取ったのか、その後、長い沈黙が流れた・・・・。
「・・・・横島さんには、そちらから伝えといてください」
長い長い沈黙をやぶって、小竜姫が口を開いた。
「・・・伝えなくてもいいと思うけど・・・・。あいつも分かってたことだろうし・・・。それに・・・・(アイツニハオナジワカレヲニドモアジアワセタクナイカラ・・・)」
「・・・・そう」
また、長い、長い沈黙がながれた・・・・。小竜姫はその後静かに席を立ち、帰っていった・・・。

・・・・小竜姫は、美神が強がっているのが分かったが、これもしょうがないことだと思うしかなかった。
「では、いきますね」
そう言って小竜姫は美神に背をむけて歩いていった。
「これで・・・よかったのよね・・・・」
美神も、小竜姫に背をむけて歩き始めた。一歩、一歩、踏みしめるように・・・・。
「なんか、私まで変な妄想するようになっちゃったのかな・・・?」
私の目の前には、まぎれもない横島くんの姿が見えた。それはなにもしゃべらなかったが、とても悲しそうな顔をしていた。
「・・・・だめね。あんたにはうそつけないわ。・・・あの子にとってどっちが幸せか、
なんて分かるわけないじゃないの・・・・」
そう言うと、美神はひざ立ちで倒れた。
「ねえ・・・・助けて!」
私は、かすれた声でそう言うのが精一杯だった。
「・・・・・・・・」
ふと見ると、横島くんの幻が私の後ろの方をさしている。
「なんなのよ・・・」
そう言って私が後ろを向いた瞬間、

「ママッ・・・・・・・!!」

私は目を疑った。あの子が私に向かって走ってくるといういつものことに・・・。

「紫音っ・・・・・・!!」

・・・私たちが固く、固く抱きあったのを見ると、あの幻は微笑みながら消えていった。
小竜姫も後ろの方で静かに眺めていたが、一礼して、帰っていった・・・。
(また、いつもの幸せが返ってくる!)
私はそう思うと同時に、
「ありがとう・・・・ありがとう・・・・」
涙が止まるまで・・・・・。いつまでも、いつまでも言いつづけた。あの子と、あの子の前世に対して・・・・・・。



{どもどもこんにちは〜。のえるでふ。これは、一応小学4年生あたりのことだろうと思って書いたので、一応「成長日記」の仲間入りを果たしました。どうでしょう?できは。
けっこうまじめに書いたんですが・・・・?}


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