ザ・グレート・展開予測ショー

ライヴ


投稿者名:来栖川のえる
投稿日時:(01/ 3/13)

「おやすみなさい」
可愛い声が部屋の中で響く。
「うん、おやすみ」
カチッ。美神が電気を消すと、部屋は真っ暗になった。
(さて・・・と)
美神は残った書類を片付けるため、部屋を後にした。

(ふう・・・)
美神はため息をつくと、今まで書類を書いていた手を休めた。
(あ〜あ。今日みたいに夕焼けが綺麗だった日は思い出しちゃうな〜)
そう思って、美神はもう一回ため息をついた。
(あの子が、横島クンをかばってくれたおかげで、今の幸せな生活はあるのよね・・・)
・・優しいあの娘は、自分の幸せよりも、他人の幸せを願って犠牲になった・・。
そして今、その幸せに乗っかってる自分がひどく情けなく思える。
今、自分にしてあげられることは、あの子を幸せにすることだけ・・。今度こそ、本当
の「幸せ」を彼女に味わってもらいたい・・・。優しい彼女なら、自分よりも幸せになる
権利はあるんだから・・。

「ママ」
ふと声がしたので部屋のドアを見てみると、そこには目をこすって立っている娘の姿があった。
「なあに?」
美神はいつになくやさしい言葉遣いで聞いた。
「えほん・・・よんでほしいの」
「眠れないの?」
「・・・うん」
「・・分かったわ。じゃ、さきに布団入ってて。本、選んでくるから」
「うん!」
娘は元気よく答えると、部屋の中へと戻っていった。
(今日は何読んであげようかな〜)
いまや、こういうふうに本を選んであげるのも楽しく思える。
「よしっ。これにしよう!」
美神は「人魚姫」をとった。
  「ヒト」と、「ヒトにあらざるもの」の恋の話・・。どことなく彼らに似ているような気がするのだろうか・・。

「昔々、人魚という・・・・・」
    
   ・・・・このシアワセが、いつまでも続きますように・・・・

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