ザ・グレート・展開予測ショー

The Ballade of Tadao and Meiko(その2)


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(01/ 3/ 9)

食事し終わる六道夫婦。
冥子はお嬢様育ちのせいか、食器を片付けないのだが、忠夫のほうはしっかりと冥子の分もやってやる。
まあ、おキヌや美神、シロ、小鳩のことをあきらめてまで冥子一人に絞ったわけで、そういう形から入るのは
忠夫らしいと言えるだろう。
しかも以前なら、冥子の胸を想像しながらデヘヘ・・・・と顔をにやけさせているはずなのに、六道家の父親に
認められた後だけであって、きりっとした顔で表情何一つ変えずに、ホテルのオーナーに食べ終わった後の
ディッシュを整理した上で手押しの車に載せて運んでいき、差し出す。

そして、相変わらずの除霊グッズを詰め込んだリュックサックを背負う六道忠夫。
冥子は、出かけることもあり、少しばかり化粧をしている。
もう新婚の夫婦には見えない二人だったが、それはまた幸せな、安心した顔をしている。
これから起こることが、どんなことかも知らずに・・・・・。

「さっ、行こうか、冥子。」
「うん〜〜。」
「うん〜〜じゃなくて、はいっ、だろ?」
「はいっ」

冥子は、いつになく成長している。
言葉を伸ばす癖も、忠夫のおかげで少しは直ってきているのだ。

「でも、場所はどこでしたかしら。」
「ストロベリーフィールズってとこさ。まあ、冥子には横文字向かないからなぁ。」
「そうでもないわよ。えー…と、たしかジョン=レノンの思い出の地でしたよね。」
「さすがは、冥子だ。でも何故、海外からわざわざ俺たちに除霊なんか頼むんだ。」

忠夫は疑問に思っていた。
確かに、イギリスでおきている霊障なら当地の人間に任せたほうがいいはずだ。

「よっぽどのことがない限り、あたしたちに頼むことないのに。」
「そう言われてもなぁー、日本人の事件だったからこそじゃないのか。」
「それもそうね〜。」

てくてくと歩いていく二人。
もう、すぐそこにストロベリーフィールズは見えていた。
そこの土地を管理する者の話によると、もうずーーーっと前から、日本人男性の霊がこの土地を荒らしており、
このまま「ストロベリーフィールズ」をつぶしたくはない様だ。
しかもその霊は、”ハウンドマウター”という能力者の霊らしく、イギリスの霊能力者がもう何百人もやられていて
とても手が負えるレベルじゃないようだ。
そこで、「式神」を使えるタイプの人間が必要なわけだ。

「というわけだ。冥子には分からないかも知れないけど、少なくとも式神の能力が必要だってことはわかるだろ?」
「能力?でもそれなら、この国の・・・・・」
「だが、このイギリスには式神を使えるのがいないんだ。」
「だから、オカルトGメン経由であたしの元に・・・・・」

バウウゥゥ・・・・・・・!!!!
と、その刹那、強大な霊状の狼が襲い掛かってきた。
驚いた忠夫が文殊を出す前に、その忠夫に瞬間移動して来つつ襲い掛かる。
「つっ・・・・・・!」
右腕をかまれた忠夫は一瞬のためらいを見せる。とても文殊を出せる状態ではなくなっていた。

「忠夫くんに何をするのっ!」
と、冥子は声を張り上げるばかりに、アンチラを影の中から召喚させる。
アンチラが、ザシュッ!と一瞬で霊状の狼を引き裂くが、すぐにシュウゥ・…と自動回復していく。
今度は冥子に襲い掛かろうとばかりに態勢を引く。
この隙を見計らって、ショウトラを召喚させて忠夫の腕を直させにかかった。
すると、その狼が消えていく・…。

「消えた!?」
と二人して叫ぶが、それは違った。仲間を何匹も引き連れて現れる。
まるで、バリイドドッグだ。・…というより、デスジャッカルに瓜二つである。
ボスらしき狼が指示を出すと、一斉に二人に飛び掛ってきたッッ!!

「なんて野郎だ。」
「ビカラ、マコラ、ハイラっ!」
3匹の式神が間一髪、影からバシュ・・・・・ッと音を立てて現れるや、全ての狼の霊をハイラが吸い込んでいく。
・・・・加えられかけた忠夫までも、一緒に吸い込まれていくところであった。

「冥子、俺まで吸い込んでどーするっ!」
「ご、御免なさい〜〜。」

謝るところは、どうやら口癖が直りきらないらしい。
あの冥子のオバハンに散々、口うるさく言われているからだろう。
何とか何匹もの狼の霊を吸い込んで除霊した二人は、先に中に入る・・・・が、ビュン!と次元が飛ばされる。
そして、二人はとんでもない場所に入っていくことになる。
そこは、一体どこなのかは次回以降に。

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