ザ・グレート・展開予測ショー

黒い呪いと天使の笛の音(5)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 3/ 9)


「試合放棄とみなし、勝者、氷室キヌ!」

「や、やったー! おキヌちゃん勝ちましたよ!」
「・・・・・・」
「? あのー・・・美神さん?」

<ゴホン! ・・・試合に勝ち進めば より手強い相手とやりあう事になりますからね・・・厳しいのはこれからです。>

「・・・・・・」
「おーい! 美神さーん!」

<なるほど・・・ピートさんも確かあの時・・・>
<ええ、僕もあの時あいつと・・・な、何ーーーーっ!!?>

「・・・・・・」
「・・・・・・(日本一のサディス・・・)」

          バキッ!!!!!!

「し、しっかり聞いてるやんけ・・・(ドクドク)」
「・・・・・・ふぅ・・・」


ー黒い呪いと天使の笛の音ー(5)


「な、何ーーーーっ!!? ゆ、雪之丞!!?」

ふいに試合の方へと意識を向けたピートの目に飛び込んだのは
以前、GS試験の時に(横やりのせいでもあるが)不覚を取った相手・・・伊達雪之丞だった。

「あ、あいつ! 今回はおキヌさんやタイガーが出てるってのに・・・!」
「あ、あの、ピートさん?」
「! あ、すいません・・・『意外な』顔見知りがいたので・・・」
「はあ・・・さて! 次の注目は・・・」


「おキヌちゃーん!」
「あ! 横島さん!」

自分の方へと駆けてくる横島に気付き、顔を綻ばせるおキヌ。

「やったじゃんか! あのクソガキが無茶な真似した時はどうなるかと思ったけどさ!」
「ふふ、でもこれが無かったら・・・」

そういっておキヌは 自分の掌にある『お守り』を見せた。

「美神さんが試験が始まるちょっと前に私にくれたんですよ、まさかあんなおっきな精霊石が入ってるとは思わなかったけど・・・」
「? おキヌちゃん?」
おキヌが少し表情を暗くしたのに気付いた横島。
「ど、どうしたんだ?」
おキヌは心配そうな横島の声に 『少しだけ』微笑んでみせた。
「・・・ちょっと思い出してただけです。」
「思い出してた?」
「・・・あの私と試合した人・・・泣いてたんです。」
それを聞いて横島は苦笑いをした。
「あー・・・別に気にしないでいいって! だいたいあのクソガキ! 相変わらず女々しいんだよ」
「あの、ひょっとして横島さんの知り合い・・・」

「おキヌちゃん!」

「!?」
突然の自分の名前を呼んだ『声』にびっくりするおキヌ。
「あ! 美神さん!」
びっくりして振り向いた先には、少し息を切らしている『美神』がいた。

「美神さん! わたしー・・・」
「おキヌちゃん!」

嬉しそうに駆け寄ろうとしたおキヌは美神の声で その場に立ち止まった。
美神はゆっくりとおキヌ(と横島)に近づいていく。

「あ、あの? 美神さ・・・」
ガバッ!
ふいに、美神がおキヌを抱きしめた。
「み、美神さん!?」
予想もしなかった美神の行動に戸惑うおキヌ。
「あ、あの、美神さん・・・」
美神は顔を赤くしたおキヌに、小声で囁いた。
(・・・ごめんね、おキヌちゃん・・・)
「! え・・・? 美神さん今なんて・・・」

良く聞き取れなかった美神の言葉をもう一度聞こうとするおキヌ・・・しかし・・・

「ふ、不潔じゃーーーー!!! 美神さんにそんな趣味がーーーーーー!!!?」

バキッ! ドガアッ! ガガガガガッッッ!!!

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」


いつもいつも、例によって、相も変わらず、同じ過ちを繰り返した男が、またもや『ズタボロ』になっていた・・・そんな三人を見ながら・・・


「やれやれ・・・! それにしても不思議な関係ね・・・いつもは令子が主導権を握ってるけど、時によっちゃあ全然・・・フフッ! 飽きない連中なワケ!」

彼女は観客席で、一人楽しそうに『いつもの三人』を『観』ていた。


「勝者! 伊達雪之丞!」
「勝者! 一文字魔理!」
「勝者! タイガー寅吉!」


それぞれが、順当に勝ち残り、初日が終わろうとしていた・・・
その一方では・・・

『何を迷っているんだね?』
「・・・・・・」
『あいつらは君の努力を台無しにしたのだろう・・・? 憎くは無いのかね?』
「・・・憎いさ・・・でも、もう呪いは・・・」
『・・・・・・心配する事は無いさ・・・少し懲らしめる程度の呪いだよ。』
「少し懲らしめる?」
『そう・・・しかも破られる事はまず無い・・・万が一破られても君には何の影響も無いよ・・・ククク・・・』
「・・・本当だろうな?」
『もちろんだとも・・・さあ・・・どうするのかね?』
「・・・・・・」


「ただいま、人工幽霊・・・」
『おかえりーーーーーーー!!!』
「!? あ、あんた達!」
「さ、早苗おねえちゃんも!?」
「あはは・・・・・・」

結局・・・迷子の一人と二匹は、迷子らしく行動した・・・そして・・・


「・・・・・・」
『・・・契約成立だね・・・ククク・・・』




AS「かなり遅れましたけど、出来ました・・・読んでもらえて、楽しかったら 嬉しいです。」




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