ザ・グレート・展開予測ショー

黒い呪いと天使の笛の音(4)


投稿者名:AS
投稿日時:(01/ 3/ 3)

「キャアアアーーーーー!!?」
ドガシャアアッ!!!
おキヌのGS試験第一試合・・・対戦相手となった『少年』は式
神を使い先制攻撃を仕掛けて来た。
「ーーー!! か、かわした!?」
『グ! ウウゥ・・・!』
「び、びっくりした・・・そうだ! 笛! 笛は!?」



ー黒い呪いと天使の笛の音(4)ー



「あ、あぶねー・・・よくかわしましたよね・・・」
「おキヌちゃんはそう簡単に臨戦体勢にはなれないからね・・・でもこれでおキヌちゃんが有利よ」
観戦席でおキヌの試合を見守る美神と横島。
「おキヌちゃんが有利? でもまだ始まったばかり・・・?」
そう言って横島は おキヌ達の方を向き、首を傾げた。
「・・・・・・・・・」
「? どうしたのよ、横島君?」

美神が尋ねるが 横島は結界の方を見ながら考え込んでいた。

試合の方は 『ネクロマンサーの笛』に少年の式神がコントロールされるか否かの展開になっている。

「ちょっと! 聞いてる・・・」
「お、思い出したーーーーー!!!!」
「!?」
突然叫び声を上げた横島に驚く美神・・・横島は構わず喋り続けた。
「やっぱなー・・・どっかで見たと思ってたんすよ! あのガキ!!!」
やや興奮しつつ、喋り続ける横島。
「おキヌちゃーーーーーーん!!! そんな根暗に負けるなよーーーーーー!!!」
横島がおキヌの応援に、自分の怒りも込めた声援を送る。
「うるさいな! こいつの応援・・・!!?」
チラリと視線を巡らせた少年が硬直する。
「あ・・・あいつは! あの時のGS!?」

以前・・・さんざん自分を脅した不良に仕返しする為に 懸命に作った式神を金目当てに壊され、その後も自分のかけた呪いを あっさり解呪したGS・・・(実は解呪出来て無い)少年にとって横島はGS試験を受けるきっかけであり、『旧敵』だった。

「ふ、ふふふ・・・そうか・・・そういう事か!! はははははははは!!!」
しばらく呆然としていた少年は ふいに口元を歪め・・・笑い出した。
「? あ、あのー・・・?」
いきなり笑い出した少年に 笛を離し 戸惑うおキヌ・・・その時!
「(キッ!)・・・やれ!!! あいつの知り合いなら遠慮はいらないっっっ!!!! フルパワーだ!!!」

『! グ・・・グオオオォーーーーーーーーーー!!!!!!』

「!? キャアアアッ!!!」
突如! 笑うのを止めた少年が式神に指示を送った直後・・・式神の体全体からそれまでとは比べものにならない程強力な霊波が噴出し始めた!

「ーーーーー!!!」

客席の美神も顔色を変える。

「ピ、ピートさん! これは一体!?」
「ま、まさか・・・これは冥子さんがよくやる・・・」

「や、やばいっ!! あいつ式神を暴走させるつもりだわ!!」
「ぼ、暴走!?」

ギンッッッ!!!

「この!!! バカッタレーーーーー!!! あんたが余計な声援送るからっ!!!」
「ギャーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」

「ふ・・・ふふふ・・・ここでこいつの力を使いきるのは痛いけど、仕方ないね・・・!」

もはや式神は全体から霊波を噴き上げ、結界を纏ったかの様だ。

「・・・・・・」

式神のプレッシャーに 圧倒されるおキヌ。

(・・・駄目! 私は美神除霊事務所の一員なんだから!)

おキヌは圧倒されつつも、結界の手前で式神を見据え・・・笛を口元へと近付けた。

「ーーー!!」
おキヌがまだ戦うつもりなのに気付き 『青ざめる』美神。

「駄目よ! 言ったでしょ! 危ない時は退きなさいって!!」
必死に叫ぶ美神・・・だがおキヌは動こうとしない。
「おキヌちゃん! 美神さんの言う通り、もう・・・!」
「うるっさいワケッ!!!」
ドガアアアッ!!
美神と同じく、おキヌを止めようとした横島に『ブーメラン』が直撃した。
「!?」
「おたくらそんなにあの娘が信じらんないワケ!?」
突然現れたエミの言葉に『キレる』美神。
「な! あんたに何がわかんのよ!?」
「・・・とりあえず 弟子をもっと信じるべき・・・って事がわかるワケ」
「信じるも何も! 『式神の暴走』がどれだけやばいかも骨身にしみて分かってんでしょ!?」
「う・・・それは・・・」
「とにかく! これ以上やらせるつもりは無いわ!」
エミに背を向け、結界へと向かう美神。
「・・・・・・おたく、いつからそんな『過保護』になったワケ?」
「な・・・!」

「さあ! いよいよ式神が動き出しました!」

『ーーーーー!』

ピルルルルッ! ピルルルルッ!

「無駄だよ! 暴走してる式神をコントロール出来るもんか! こいつの頭の中はもう僕が暴走直前に与えた指示だけさ!!」

ピルルル・・・! ピルルルルッ!

それでも笛を吹き続けるおキヌ。

「・・・言ってもわかんないか・・・これで終わりだ!」

『グウゥ・・・! ガアアーーーーーーー!!!』

ドガシャアアアッ!!!

「ふん! 恨むんならあいつを恨むんだね・・・これで僕の・・・!? な、何!? いない!?」

勝利を確信した直後、驚愕する少年。

シュッ!

カッ! ドガアアアッ!!

『ギャアアアーーーーー!!!』
「ーーーーーーー!!!?」

「おおっ! なんと一瞬で式神がバラバラにーーー!!? ピートさん! これは一体!?」
「あの光・・・精霊石・・・?」
「何故ワシに聞かん?」

「ぼ、僕の式神がバラバラに・・・何をした!?」
「・・・・・・」

おキヌは答えずに、『お守り』を取り出した。

「美神さん・・・私にお守りで精霊石を・・・」

それを聞き少年は・・・『呪い』をかけるかの様につぶやいた。

『覚エテロ・・・!』

「!?」

「あいつも! おまえも! もう絶対許さない!! いつも人の努力を台無しに!! 覚えてろ!!!」
「あ! 待って!」

少年は振り向きもせずに走り去っていった。

「・・・・・・」

「さあ! 美神除霊事務所のおキヌ選手! 第一試合突破しましたね!」
「ええ! でも厳しくなるのは・・・」
「おーマリア・・・もう少し優しく叩いてくれ」
「イエス、ドクター・カオス」
『・・・・・・・・・・・・』


「ちくしょう・・・!  あいつら絶対・・・」
『許さない・・・かね?』
「!?」
『良かったら力になるよ・・・フフフ・・・』


「こ、ここは!?」
「このおじさんの像、散歩の途中の様でござるなー」
「ここ・・・確か待ち合わせの場所で有名な・・・」
「ふぅ・・・先生と散歩に行きたいでござる・・・」

「あんたら! ほんとに大丈夫なんだべな!?」

『・・・・・・』

迷子の『子犬』「狼!」と『子狐』・・・そして地理に疎い早苗達が会場にたどり着く見込みは・・・

「だいたい! どうやって探してる・・・の!?」
「匂いでござるっ!!」
ドサアッ!!
「ち、ちょっと、早苗さん!?」

たどり着く見込みは・・・ゼロに近かった・・・




AS「気持ちが暗くなる・・・所もありますけど、楽しんでもらえたら 嬉しいです。(自分も暗くなりそうです・・・)」

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