ザ・グレート・展開予測ショー

横島危機100発(残り75)


投稿者名:ツナさん
投稿日時:(01/ 2/28)

 チン(ピーー)丸出しという醜態を晒しつつも生き延びた(笑)横島は保健室で擦過傷等の治療を受けると、体育の授業へ行ったのでした。本日の授業はサッカーです。

「横島、生きてたのか。つくづく悪運が強い奴だな」
バンソウコウだらけの横島に気付いためがね君が、皮肉交じりな声をかけると横島は相変わらずの仏頂面のままじろりと一瞥をくれた。
「なんだよ、お前自分が不機嫌だからって他人まで巻き込むような面するなよ。ったくらしくないな。まぁあれだけ不運が続いたんだからその気持ちも分からないでもないけどさ。ま、そのうちまとめていい事があるだろ」
「だったらいいけどな・・・。めがね、今日の俺にはかかわらんほうがいいと思うぞ」
「なんだよ人が心配してやってるのに」
めがね君は不機嫌さを露にして行ってしまった。
「いつまでこんなことが続くんだよ・・・」
横島はいいかげん嫌気が差していた。たかが指輪に触れただけでなんでこんな目にあわなければいけないんだろうか。

「えーー。今日の授業はシャッカーでしゅ。AチームとBチームに分かれて試合をしましゅ。ということで真中からこっち、AチームでこっちBチーム。ポジションは自由にきめなしゃいね」
前歯が二本とも折れているせいでサ行の発音がしゃしぃしゅしぇしょに聞こえる体育教師山王円城生の指示の元、さっさとチーム分けが成されると、早速試合が始まった。
「・・・大人しくしていよう」
しかし横島は前線に出るわけでもなく守備に回るわけでもなくただできるだけボールに近づかないようにうろうろしていた。
 しかし歯のない体育教師山王円はそれを見て取ると、
「横島、きなしゃい」
と横島を呼びつけ、
「お前、出席にっしゅうぎりぎりなんだじょ。もっと真面目にやりなしゃいね」
とわざわざ釘をさす。出席日数を持ち出されると強く出れない横島はしぶしぶプレーに参加しだした。すると運動神経がいい横島はあっという間に試合の中心になった。そうなるともともとお調子者の横島、100の不幸の最中ということも忘れてプレーに集中し始める。
「おらおら、とろいんだよ」
素人丸出しのドリブルでも仕事で身に付けた身の軽さとすばやさでらくらくデフェンスを追い抜き、あっという間に最前線までボールを運ぶ。そして右サイドをあがってきたMFにボールを落とし、すぐにゴール前に浮いたボールがあがる。
「オーライ!!」
横島はそれをヘッドであわせ・・・こけた。ちょうどグラウンドのコースのコーナーにある目印のための石がたまたま前日の雨で浮き彫りにされていたのだ。しかも勢いよく飛び出していたためそのまま前に飛んでいき・・・・。

ごぃぃぃん!!

コーナーポストへダイビングへットをかます羽目になった。
「いったぁ・・・」
その時誰もが大惨事を予想した。しかし横島は何事もなかったかのように平然と立ち上がる。多少痛がってはいるが。
「くそ、次は決める!!」
気合の漲った顔で立ち上がる。
そして何事もなかったかのようにボールを追いかける。
「不死身だ・・・」
ゴールキーパーが少し凹んだポストを見て驚嘆の声をあげる。

そして数分もせずに横島再びゴール前へ。
「へっへーん、そら、シュートだ!!!」
そしてシュートレンジに入りさあ打とうと足を振り上げた瞬間!
「させーんけぇのー!!!」
先ほどのプレーを見て同じく熱の入ったタイガーが猛烈なショルダータックルをかます。
「げぇ!!!」
いきなり真横から現れた巨人のタックルに成すすべもなく吹っ飛ばされる横島。
しかも・・・

ごぉぉぉぉん

今度は先ほどとは逆のコーナーポストへ直撃・・・。しかも浮き球になったボールに目をつけた味方がピート。
「良し行くぞ!!バンパイアオーバーへットキーック!!!」
華麗なオーバーへットでゴールを狙う!!!
「いけぇ!!!」
いかにトシを重ねていても心はまだ青年である。しかもイタリア出身、サッカーは大好きであった。ゆえにプレイもうまい。球に威力もある。そして正確にポストぎりぎり低いところを狙っていた!!!
「あ、危ない横島さん!!!」
もう遅い。
「だぁぁ、何ゆえぺぇ!!!!」

ばすん、ごぉぉぉん!!! 

今度はボールの直撃。しかもわずかに体を起こしかけていたため再びもろにポストへ頭をぶつける。
「ぐぁぁ、何でこーなるのー」
強い衝撃が横島の頭を襲う。殴られなれていない一般人なら当に死んでいるだろう衝撃に横島の意識が一瞬飛ぶ。

みしぃみしみし

その意識が一瞬飛んだことが更なる不幸を呼んだ。横島が頭をぶつけてひしゃげたところからいやな音がする。
「あ、あぶなーい、逃げろ!!!」
山王円が異変に気付き、ゴール周辺にいる連中に逃げるよう叫ぶ!
しかし、横島の意識は回復しきれていない。
「横島ー、逃げれぇーーー」
「うぁ、あ、逃げれ?あ」

みしみしぃ・・・

事態を把握しきれない横島。
「ゴールが倒れるって言ってるだろ!!!」
めがね君が叫ぶ。
「え、あ、やべぇなそれは」回復しきれないなか、ふらふらと前へ逃げる横島。がよろりとよろけた。
「何でそっちによろけるんだぁぁぁ!!!!」
「馬鹿やろぉぉぉ!!!」
「え?うわ、だぁぁぁぁ!!!!」

みしみし・・・ぎびぃししし・・・がこぉずぅぅぅん

「うげぁ!!」
よろけたのがまずかった。ちょうどゴールの目の前、ゴールポストの倒れる先立ったのである。哀れ横島、モロにバーの直撃を受けてぶっ倒れた上、その下敷きになったのだった。
 
続く



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