ザ・グレート・展開予測ショー

二人の旅行〜後編〜


投稿者名:フォルテッシモ
投稿日時:(01/ 2/28)

「おふろでも入りましょうか」
沈黙を破ったのはおキヌだった。
「ああ、そうだな」
二人は風呂へと向かった。
「それじゃあまた後で」
「はい」
脱衣所の前で別れた。
横島が風呂のほうへ行くとすでに誰か入っていた。
「(先客がいるのか)」
そう思いつつ入っていった
「いいお湯ですね」
湯気でよく見えなかったが横島はとりあえずそう声をかけた。
「きゃっ」
返ってきたのはそんな声だった。
「え?あ…おキヌちゃん」
そこにいたのはおキヌだった。
「にっにごり湯だから、みっ見えてないから」
そう言って後ろを向く横島。
「は…はい」
おキヌは肩までお湯につかる。
「(まいったなぁ混浴だったのか…嬉しいような困ったような…」
「あの…寒いですから、お湯…どうぞ…」
「……いいの?」
「あ…はい、カゼ…引いちゃいます」
そして、横島とおキヌは1メ−トルくらい離れた所でお湯につかった。
「ここから海が見えますね」
「ホントだ」
「夜の海っていうのもいいですよね」
「そうだね」
少々ぎこちなかったが二人はなんとか会話らしい会話が出来た。そして風呂から上がり部屋に戻るとそこには布団が二枚隙間なく並べられていた。
「……」
「……」
また二人の間に沈黙が訪れた。
「ふっ布団離したほうがいいよね」
と、横島
「えっと、その、このままでも大丈夫です」
おキヌが言った(大胆な!)
「とりあえず今日は疲れたからもう寝ましょうか」
「あっああそうだね」
二人は床に着いた。
夜中の2時ごろ
「ねっ眠れん」
横島はなかなか寝付けなかったようだ。
横ではおキヌが眠っている。横島にとってこれは拷問のようなものだった。
「散歩にでも行くか」
耐え切れなくなった横島は部屋を出ていった。
横島は海を見ていた。風呂から見えたあの海を。しばらく海を眺めていると後ろから自分を呼ぶ声がしたので振り返ってみるとおキヌがいた。
「どうしたのおキヌちゃん」
「目が覚めたらいなかったから探してたんです。横島さんは?」
「オレは眠れなかったからちょっと散歩」
「そうですか。ご一緒してもいいですか」
「ああ」
そして二人は海を見る。
「せっかく旅行に来たのに今日はその…なんていうか…」
「明日からはもっと楽しみましょう」
「うん。そうだね」
二人は笑った。旅行にきてから初めての笑顔だった。
そして二人は手をつなぎ浜辺を歩いていった。
次の日から二人は観光スポットにいったり、遊園地などに行ったりしてあっという間に帰る日になってしまった。(ほかに何があったのかはご想像におまかせします。フッフッフ)
「楽しかったね」
「ええ、とっても」
「美神さんに感謝しないとな」
「本当ですね」
「それじゃあ帰ろうか」
「はい」
こうして二人の旅行は幕を閉じた。そしてまたいつもの生活が始まった。
でっ!なんでまたこうなってんのよ」
美神の言う先では横島とおキヌがラブコメをやっていた。要するに旅行前とまったく変わっていなかったのだった。
    おわり

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