ザ・グレート・展開予測ショー

横島と少年(2)


投稿者名:トシ
投稿日時:(01/ 2/26)

翌日

25日、日曜日

7時30分

「ん・・・・・・・ふわあーーーー・・・」

横島は小鳥の鳴き声の中で目を覚ました

太陽の光が窓から差し込み電気もつけていない部屋を明るくしている

そして横島の隣には少年がまだ眠っていた

「・・・・・ホントに大丈夫なのか?」

横島は心配そうに少年を見る

「・・・・・・・・・・」

それから横島は服を着替え、顔を洗い部屋を後にした

事務所にて

「おっはよー!!」

「あ、横島さんおはようございます!!」

「おはよう横島君」

「おはようでござるー!!散歩行くでござるー!!」

それから横島はいつもどうり仕事をする

その日の夜

9時、横島宅

「う・・・」

少年が目を開けた

「はっ!!ここは!?」

がばっと起き上がり辺りを見回す

なにやら汚い部屋だ

「何処だ・・・・・・ここ?」

とその時

ガチャという音をたてドアが開いた

「ん?あれ?起きてたのか」

横島はくつを脱ぎ部屋の中に入る

「く・・・くるな!!」

少年は後ずさる

「おいおい、せっかく助けてやったのにその言いぐさかよ」

「助けた・・・?」

「おうよ!!そこの階段の側で倒れていたから治療して休ませてやったんだよ」

「倒れて・・・」

「まあ落ち着けって」

そのとき少年は思い出した

横島の顔を

「・・・!!、お前!!」

大切な、大切な母さんを、父さんを奪ったヤツだ!!

「うん?どした?」

とその時

ドガシャアアアア!!

窓の割れる音と共に何かが突進してきた

「何だ!?」

巨大カラスだ

「ギャアアア!!ギャギャ!!」

「何なんだコイツ・・・凶暴化してやがる・・・」

その時、巨大カラスは羽をばたつかせた

「うっ!!」

物凄い真空刃が横島と少年を襲う

「あぶねえ!!」

横島は少年をとっさにかばい背中にやいばが突き刺さる

「がはっ!!」

口から大量の血が流れる

「(この人・・・何故僕を守る!?僕は妖怪なんだぞ!!・・・・・・・そうか・・・・・・・この人、僕の正体を知らないんだな)」

少年は心の中で察した

「大丈夫だ・・・俺が絶対守ってやる・・・!!」

「え・・・・!?」

横島は霊波刀でカラスに切りかかった

「ギャアアアア!!!」

カラスは消滅した

「はぁ・・・はぁ・・・うぐっ!!」

横島の傷がさらに開き、血が吹き出る

「だ・・・大丈夫!?」

さすがにこの少年も横島に恨みがあるが心配になった

「ああ・・・コレくらい!!」

横島は文殊で回復した

「ふう!!」

完治している

「すごいね・・・ってもしかしてこれで僕の傷も?」

「ああ・・・そうだけど・・・お前妖怪だからそんな必要なかったかな?」

横島はへへっと笑ってみせる

「!!」

少年は硬直する

正体がばれてはどうなるか・・・・

「知ってたんだ・・・」

「ああ・・・独特の霊気を感じたしさっきの妖怪もお前の霊気につられたんだろう・・・」

「・・・・・・・・・・僕をどうするの?」

「どうするって・・・」

すると横島は少年の頭に手をポンと乗せた

「守ってやるよ」

「え!?」

少年は驚く

無理も無いだろう

「でも僕妖怪だし・・・どうせ退治される運命・・・」

「何言ってんだよ、さっきのヤツみたいにお前を襲ってくるヤツはまだいっぱい出てくると思う、あぶねえじゃん、見捨てるなんてできねえよ!」

「・・・・・なんでそんなに親切なの?」

「・・・・・・・・・・うーん・・・・・・親切って言うか・・・」

横島は後頭部をかきながら

「もう他人が死ぬのは嫌なんだ・・・」

と横島

「・・・・・・・・・・・・」

少年は下を向いている

「・・・・・どした?」

肩は震え、ぐすっと鼻をすっている

「・・・・泣いてるのか・・・・?」

「だって・・・だって・・・・・・ぼく・・・こんなに親切にしてくれたこと・・・」

「・・・・・・・・・」

横島は少年を抱きしめた

「!?」

「大丈夫だって・・・・・・お前に何があったかは知らないけど俺はお前を裏切るような事しないから・・・」

「・・・・・・・・ありがとう」

「・・・・あ、そうだ」

横島は少年を体から離し

「お前、名前は?」

「アキラ」

「アキラか・・・俺は横島、これからはココで過ごせばいいから・・・きたねえけどな!!」

「うん・・・ありがとう横島さん」

「さん、なんてつけなくていいよ!!的とーに呼びやすいヤツでいいぜ」

「じゃあ「お兄ちゃん」って呼んでいい?」

「おう!!」

そしてアキラの顔に笑みがこぼれた

アキラは普通の学校に通っていたのだが妖怪だけに普通のものも何かを感じるようであいつは人間じゃないとか何か気持ち悪いとかでいじめられていた

毎日帰ってくると辛そうにしてるアキラ

酷い時なんか顔にあざを作って帰ってきたときもあった

そんな生活にアキラはもちろん両親も耐えられなかった

そしてこの家族は森の奥深くで密かに生活する事にした

だからアキラには友達がいなかった

優しくしてくれるのは親だけ

でもそれでよかった・・・

でも両親は殺された・・・

この男に・・・

横島に・・・

だがアキラは横島の優しさで横島への恨みや復讐心を忘れてしまっていた

あれだけ大切だった両親が横島に殺されたのに

横島には普通のものとは違う何かがあったのだろう

ただの優しさではない何かが・・・

だが、横島は本当にこれでいいんだろうか・・・

本当にこれで・・・

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