ザ・グレート・展開予測ショー

初恋・・・?


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/ 2/25)

「いつから?」
ゆっくりと横島。
その言葉にからかう響きはなく、純粋な問い掛ける響きである。
「うーんとりあえず10年近くになるなあ」
とあっさり夏子。
「・・・・全然気付かんかった」
一瞬言葉をつまらせて横島。
「あんたに気付いてもらおうなんやおもわんかったって」
と苦笑する夏子。
確かに、この野暮天大魔王に気付いてほしいなんぞ考えるやつはいないだろう。
・・・・・・
「そっかあ・・」
と感慨深げに横島。
・・・・ということは横島が夏子を好きだと気付いた瞬間夏子はもう自分のことを好きだったのだ。
かああああ
と横島の顔が赤く染まる。
「どしたん?」
と首を傾げ夏子。
「・・・・・・・・・・・・ちょっとな」
と顔を片手で抑え横島。
「ふうん・・・」
横島はちらりと夏子を見る。
顔の造形はいい。
特にそのこぼれそうなほど大きな瞳はいつもくるくると動いて見ているのは楽しい。
スタオルも良い。
性格もまあかなり乱暴的だがさっぱりしていて付き合いやすい。
ーだけど
     違う。
          違うのだ。
夏子は「彼女」では無い。
もういない「彼女」と同じ気持ちには
似たような気持ちにはなれない。
いやなれるかもしれないが・・・・・・・・・
「今」は無理なのだ。
「今」はまだ心に誰も入り込む隙間がない。
ずきり
とありえない音をたてて横島の心臓が痛む。
だが無理だ。
きれいなねーちゃんの尻を追い掛け回すのは問題ない。
到底無理と思われるナンパをするのや、覗きや・・そーゆうことをする分には・・・全然なんの問題もないのだが(それは横島の本能である)
だけども、こーゆう風に言われるのは、付き合うのは・・・
無理なのだ。
痛いのだ。
しんぞうが。
とても。
彼女を思い出すから。
横島は心臓を無意識に抑えていた。
そして、
・・・・・・・・・・・・・
「悪りぃ」
という。
横島の顔は、どこか苦しそうだ。
巧く呼吸ができないような・・・おぼれているような。
自分の言った言葉でこんな風に苦しませている。
嫌だ。
と思った。
横島が苦しそうなのはいやだと思った。
痛がるのも怒るのもかまわない。
それはあたりまえのことだから。
でも・・・・こんな風にくるしそうなかおだけはするのは嫌なのである。
だから
夏子はなんでもないことのように笑った。
苦しくないといえば
悲しくないといえば
しんどくないといえば
大嘘だけど
夏子は笑った。
つづく
・・・・・・・・えっとやっぱり埋められます?

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