ザ・グレート・展開予測ショー

二人の旅行〜前編〜


投稿者名:フォルテッシモ
投稿日時:(01/ 2/23)

横島とおキヌが付き合いだして1週間が経とうとしていた。
その日の美神の機嫌は悪かった。いや、今日だけではなくこの1週間ぐらいずっと機嫌が悪かった。別に横島とおキヌ付き合っているからというわけではなかった。原因は目の前で起きていることだった。
「横島さんお茶どうぞ」
おキヌはお茶を3人分いれそのうちの1つを横島に渡そうとした。
「ありがとう」
そう言ってお茶を受け取ろうとしたその時、二人の指がかすかに触れた。
「あっ!」
二人の声が重なりお茶の入ったコップがテ−ブルの上に落ちた。
「ごっごめんなさい」
おキヌはそう言ってこぼれたお茶を拭く。
「おっ俺のほうこそゴメン」
横島もテ−ブルを拭く。そしてテ−ブルを拭いているときふと目が合った。二人は頬を赤らめ顔をそむけた。その光景は初々しいものがあったが目の前で見せつけられる美神にとっては初々しくも何でもなかった。
「だ−うっとうしい−」
ついに美神は我慢の限界に達した。
「あんたらいいかげんにしなさい。いまどき小学生でもそんなことしないわよ!」
美神は机をバンッと叩き二人に言った。
「いいわ!二人とも明日から1週間休みをあげる。その間にそのよそよそしい態度を何とかしなさい!嫌だけど費用は負担してあげるは」
そう言うと美神は一万円札の束、つまり百万円を二人の前に放り投げた。
「え!!でっでもいくらなんでもこんな大金いただくわけには」
と、おキヌ
「いいからこれで旅行でもなんでも行ってきなさい!いいわね」
美神は怒鳴った。
「はっはい!!」
二人は美神の行為に甘えることにした。というかあの状態の美神相手に断れるはずなかった。
そして次の日
「美神殿、いいのでござるか」
シロが聞いた。
「いいのよ。毎日毎日あんなラブコメもどき見せられたんじゃこっちの身がもたないわ。それに…」
何やら考え込む美神。
「それになんでござるか?」
「なんでもないわよ」
「?」
シロは首をかしげた
「どうせこの1週間で自分の気持ちも整理したいんでしょ」
と、タマモが鋭くつっこむ。
「うっうるさいわね」
どうやら図星だったらしく美神はそっぽを向いてしまった。

一方横島達は美神に言われた通り旅行をしていた。電車を乗り継いだりと色々して着いた時にはもう夕方になっていた。
「やっとついた」
そう言いながら横島が出てきた
「とりあえず旅館へ行きましょうか」
と、おキヌ
「そうだな」
そう言って二人は旅館へと向かった
「あいにく一部屋しか空いてないんですよ」
旅館に着き二部屋頼んだところこのような答えが返ってきた。お約束というやつであった。
二人は横目で互いを見る
「どうする」
と、横島
「わっ私は別にかまいませんよ」
おキヌは顔を赤くしうつむいたままそう答える。
二人は女将らしき女性に部屋まで案内された。二人が通された部屋は結構広く和風だった。
「ごゆっくりどうぞ」
そう言って女将らしき人は去っていった。
「……」
「……」
二人は正座したまま何も話そうとしなかった。
とりあえずすることもないので食事をとることにした。横島はフロントに電話をして料理を頼んだ。
「失礼いたします」
声とともに襖が開き仲居さんが二人分の料理を運んできた。
「お食事が終わりましたらフロントに電話でお知らせください」
そう言うと仲居さんは出ていった。
食事の間もあまり会話はなかった。
食事も終わったのでフロントに電話をするとすぐにさげにきた。
「……」
「……」
沈黙が訪れた
    とりあえずつづく































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